第6話 試験と槍
今日Re:CREATORS見たんですけどそれですごいモチベ上がって一気に書き上げました、戦闘シーンはまだまだ稚拙ですがよろしくです
そして担当者について行き、協会の真ん中にある階段を登ると、サッカーグラウンド程度の大きさの訓練所らしきものが目に入った。
そこには人を丸呑みしてしまいそうなカエルの皮になにか詰め物をした訓練用のカカシらしきものや使い込まれもうただの鉄の棒とかした剣が纏めてある樽など様々なものがあった。
そのまま中に入り歩くと、やけに盛り上がった砂のある場所まで案内された、全員がそこに着いた所でテスト担当者が口を開いた。
「えーまず、テストは2つ、モンスターと対人戦を行います。そして最初のテストはミニデザートゴーレムを相手に戦闘して貰います、人数は、えー13人ですので一人3分の持ち時間で行います、時間を過ぎた場合倒した倒せてないに関わらず終了とします。また、万一にも致命傷をおった場合、参加者の医師に関わらず即刻中止と致します、よろしいですね」
ほかの参加者も同意を示す中、自分も
「わかった」
と言った、するとまた担当者は淡々と話し始めた
「ご了承頂きありがとうございます、では準備が出来た方からどうぞ、戦闘の間周囲には一時的に結界を発動させますので待機する方はゆっくりと準備をお願いします」
するとある男が声を上げた、周りのヤツと比べても明らかに豪華な装備をつけており、赤い短髪のその男はフィールドに足を踏み入れる前にこちらに振り向いて大きな声でこう言った
「我はエステル家の次男、ラルム・エステルだっ!我と共に試験に挑めることを光栄に思い、そして我の戦いぶりをしかと目に焼き付けることだ」
(うわー、早速貴族が、気をつけないと追われる身に、うん?ただこいつの家の立場は上から3番目、上手く利用すれば情報が手に入るかもしれん)
そんな事を考えている中周りはあのエステル家!?みたいな事やなぜそんな人が護衛も連れずましてや冒険者協会なんかにという声も聞こえた
一方で担当者は特に気にしていないようだった、よくあることなのだろうか?
(確かにそうだ、序列3位の伯爵の次男、護衛も連れてこず1人だけなのはおかしい、何よりそんな貴族が冒険者になろうとしていること自体もおかしい)
と、なにかつけこむチャンスはないかと考えている中、気づけば既に戦闘が始まっていた。
広場の中心、ラルム・エステルと名乗った男が静かに歩み出る。腰には二本の短剣と一本の長剣。その長剣を抜き放つと、試験の担当者が結界を張ると同時に、低く呪文を唱えた。
土の匂いが濃くなる。
砂の山が、ぐにゃりと動いたかと思えば、みるみるうちに形を変えていく。砂粒同士が固まり、腕、胴体、脚が現れ、最終的には体高2メートル、横幅1メートルの、巨大な人型の“何か”がそこに立っていた。
「ミニ……って、比較的って意味かよ、ミニガンじゃねぇんだぞ」
思わずそう毒づく。だが、そんな俺の戸惑いなど関係なく、ラルム・エステルは呪文を紡ぎ始めた。
不思議なことに、声は結界の外には届かない。それでも、明らかに中の空気が変わったのが分かる。
――風だ。
目には見えない風の流れが、結界の内部で渦を巻き始める。ラルム・エステルの背後に風が集まり、彼女が構えた長剣の後方へと吸い込まれていく。
次の瞬間だった。
ほとんど視認できない速さで、彼女の剣が閃いたと思ったその瞬間、砂のゴーレムの中心――首の付け根、正確には首の下あたりに長剣が突き刺さっていた。
「……」
言葉が出なかった。
一瞬の出来事だ。ゴーレムの巨体がぐらりと揺れると、あっけなく砂の塊へと崩れ落ちた。形を成していた人型の巨体は、ただの砂の山に戻る。
まるで、最初からそこに何もなかったかのように。
理解が追いつかない。だが確かなのは――
「……あれも、魔術ってやつか」
呆然としながらも、俺は改めて実感した。
ここは、俺が生きてきた戦場とはまるで違う。異世界という名の“未知”そのものだ、と。
ただその後の参加者はこれといって目立った魔術は見れなかった、血筋とかも関係あるんだろうか?
気づけばゴーレムの前に、女が立った。
褐色女だ、場違いなほど巨大な大剣を背負っている。うちの筋肉ダルマのジョンソンすら持てるのか怪しい、この世界の筋肉はどうなってんだ。俺なら下手すりゃ担ぐだけで腰をやる。
試験官の合図が鳴った。
ゴーレムが鈍い音を立てて歩みを進める。砂を巻き上げ、重そうな足取りで褐色女に迫った。
だが、女は一歩も引かなかった。呪文を唱えるわけでもなく、魔法陣を出す素振りもない。ただ、背中からデカすぎる大剣を下ろし、片手で軽々と構える。
その瞬間、地面を蹴った。
視界がぶれるほどの砂塵が舞い上がり、俺の目の前で鋼の刃が一閃された。
ゴーレムの胴体が、まるで紙でも裂くみたいに真っ二つになる。
次の瞬間、ゴーレムは砂の山へと崩れ落ちた。
呆気なさすぎて、拍子抜けした。
広場は沈黙に包まれる。ただ試験官は相変わらず黙々と何か書き込んではいたが
(あれがゴリラか)
そう思った一瞬、目が合った気がした。全力でそっぽを向く。
殺られる。
その次は俺が参加した、と言っても刃物なんてナイフ位しか使えないのだが、それだとリーチが足りず、あのゴーレムの弱点に当てるのは難しい、痛覚も一切無さそうなんで足を止めるのも無理と判断し俺は槍を使う事にした
槍は雑兵の武器と考えられがちだが、逆に考えれば昨日まで農民していたやつでも兵を殺せる様になる最良の武器でもある、下手に長剣を使うよりかはこういうものを使った方がいいと判断したのだ。真ん中で形を成しているのは、砂でできた2メートルのゴーレム。鈍重な外見とは裏腹に、あの質量で殴られたら洒落じゃ済まない。
俺は手に持った槍を見つめる。
――正直、こんなもん使うのは初めてだ。
普段なら、こんな状態は避ける。しかし今は避けることはできない、それに今は冒険者試験の真っ最中。銃なんか軽々しく見せたら、どんな目で見られるか分かったもんじゃない。
「開始」
声が響くと同時に、砂のゴーレムが音を立てて動き出す。地面を踏みしめるたび、土埃が舞った。
俺は槍を構える。といっても、テレビなんかで見た構えの真似事だ。正しい持ち方なんて知らない。ただ、傭兵として培った“距離感”だけは信じていい。
――まずは引きつけろ。
ゴーレムは両腕を振り上げ、俺目掛けて突進してくる。砂の塊とはいえ、重量は侮れない。直撃すれば骨折は避けられない。
一歩、二歩と下がり、わざと隙を見せて誘い込む。ゴーレムの腕が唸りを上げて振り下ろされた瞬間、俺は体を横に捻り、土埃の中を滑るようにかわした。
足場は悪い、広場の土が靴にまとわりつく。慣れない槍の重みもバランスを崩すが、耐える。
「チッ……」
わずかに構えがブレた。それでも、ゴーレムの間合いの外に回り込む。
弱点の位置は確認済みだ、他の参加者を見るに弱点の位置は変わっていない。デザートゴーレムは弱点をつけば終わり。首の真下に、弱点があるのを、今までのの観察で見逃さなかった。
「いける……」
ゴーレムが振り返るより早く、俺は槍の石突きを地面に叩きつけ、体勢を立て直す。
慣れていないせいで、槍先がわずかにブレる。しかし、ここで怯んではいられない。
「おらあッ!」
渾身の力で槍を突き出す。砂の壁を削り、狙いを弱点に絞る。重い抵抗感のあと、手応えが変わった。
ゴリッ――と鈍い音とともに、槍先がコアを捉えた。
何かが割れる音がした、そして次の瞬間ゴーレムは元あった砂山に戻っていた
外に出た後、槍を元の場所に戻しに行く最中、ラルム・エステルが褐色女と話しているところを見た、特に気にせず視線を戻そうとすると、こちらに気づいたラルム・エステルが全速力で向かってきた
「おおおおおおいいいい!!!」
なんだかタックルされる勢いで来ているので避けた
するとラルム・エステルは勢いよくコケた
「何だいきなり」
ついタメ口が出てしまったがコレは気にしていないらしい、ラルム・エステルはヒョイと何事も無かったかのように起き上がった
「貴様槍なんぞ腑抜けた物を使いやがって!長剣を使え長剣を!」
どうやら使っていた武器種に文句があったらしい、そういえば槍を使ったのは俺だけか
「いやぁ申し訳ないんですがこれしか使える武器がなくってですね」
するとラルム・エステルは呆れたように言った
「ふんっ、長剣程度使えんと話にならんぞ」
「よしわかった、お前が無事冒険者になれたら我が直々に指導してやろう」
(???????)
(よく理解できないが、つまりこれでラルム・エステルに近ずけるという好機である事に間違いは無い、断る理由は無いな)
「それは本当ですか!?」
「あぁ、約束しよう」
そんなこんなで髪の毛より細くはあるが貴族との関わりが出来た
次の試験は、対人戦だった。
広場の中央に立つ試験官。その手には同じく木の棒。ルールは簡単、木の棒を相手の急所――首や頭部に当てれば勝ち。もちろん、殺し合いじゃない。
「開始!」
号令と同時に、参加者が順番に挑んでいく。
最初はやはりラルム・エステル。
彼はさすがは貴族といったところだろうか、無駄な動きもなく、開始わずか5秒で試験官の首元に木の棒を突きつけた。試験官が目を見開く間もなく終わり。観客がざわめく。
次は褐色の女。どうも木の棒に慣れていないのか、振りが甘いし空振りも多い。だが最終的には試験官の意識の隙を突き、思いきり頭に木の棒を振り下ろした。
試験官が苦笑いしつつ勝敗を告げる。
そして俺の番が来た。
「次、シュラング」
名前を呼ばれ、広場の中央へ歩き出す。半分の長さになった木の棒を持ったまま
片方は左袖に隠し、輪ゴムで押さえ込む。もう片方を堂々と構える。
試験官が警戒した目で俺を見ている。俺の流石に気づかれたか――いや、まだだ。
試験官の姿勢はしっかりしている。間合いを見極め、堅実に動くタイプ。こういう相手に真正面から行けば、慣れない棒でのチャンバラなんざ瞬時に捌かれる。
だから俺は詰めた。
一気に距離を詰め、無理やり棒同士をぶつけ合わせる。鍔迫り合い――と呼ぶにはお粗末だが、棒が交差し、互いの力が拮抗する形を作った。
しかし鍔が無い。案の定、試験官は俺の右手を払いのけにかかる。反応が速い、下手すれば棒を落とされる――
だがその前に、俺は左腕の輪ゴムを外した。
隠していた棒が袖から滑り出る。
「……っ」
試験官の目が僅かに見開かれた。その瞬間、左手の棒は試験官の顎へと飛び出す。
コツ、と軽い音と共に棒の先端が顎を捉えた。
試験官の動きが止まる。周囲が静まり返る。
「勝負あり」
試験官がそう告げ、俺は棒を下ろした。
落ちた棒と輪ゴムを拾いながら、俺は観客席の様子を伺った。
ざわつき、そして一部の者は、興味深そうに俺を見ていた。
まあこのルールだからできたことであって実践ではなんの役にも立たないわけだが
因みに輪ゴムが開発されているかどうか調べていなかったため魔術という事で濁した
そんなこんなでテストは終わった、空は既に赤くなっており、街灯も付けられ始めていた、ラルム・エステルにあの魔法はなんだとか聞かれたが上手いこと流した、発表は明日という事だったので、宿に行こうとしたのだが、そういえばこの世界の食べ物を食べていない事に気づいた、将来的には食べなければならない場面もあるだろうということで、飯屋に行き先を変更する、色々探し最終的に入ったのは冒険者協会直近の飯屋だった
冒険者協会から近いのもあって床に生ゴミが落ちているような惨事にはなっておらず、最低限の清潔感がある
そして中で空いてる席を探しているとヤツと目が合った、そう、あの褐色女だ、にしてもよく見ると露出度高いなと思いつつ無視すると手招きしてきた、この世界は精神魔術なるものがあると知ってはいたので
(あの心の声聞こえてたのか....?)
と思いつつ恐る恐る相席する、こんな場所でぶん殴られなければいいのだが
するとその褐色女はこんな事を言ってきた
「いきなりで申し訳ないんだけどさ、あなた誰なの?」
と........
しばらくは銃が使えず苦労するシュラング君が続きます