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第4話 新たな街アラド

第4話 新たな街アラド

次の行き先は案外すぐに決まった。ここから北10kmほど先にある街アラドだ、地形的にも特に面倒な所は無さそうで、早速移動する。

因みに村民の服を1部拝借した。


「骸骨二体を先行させる、その後ろに俺とリッチ、残りは左右と背後固めろ」


「承知」

 そういうとリッチはその通りに陣形を組み始めた、細かい距離等は言っていないが、現代人の俺は剣と弓の戦い方なんぞ知らんのでそこら辺は上手くやってくれるだろうとぶん投げている


 陣形が組み終わると直ぐに出発した、骨のガシャガシャというなんとも不気味な音を鳴らしながらの行軍だ、ルート的には森と小山を抜けることになるだろう

 人数が少ないとはいえ集団で目立ちやすいことに変わりはなく、森を選んだとはいえそこは懸念材料の1つではある。


 森を移動中少し気になることがありリッチに質問することにした。

「おいリッチ、一応確認なんだがこいつら骸骨に継続的に必要なものはあるのか?」


 ぶっちゃけ端末で調べればいいだけなのだがこいつの前で堂々とやるのは不味い気がする上、ずっと黙りなのもしんどい


「強いて言えば魔素です、そちらで言う空気のようなものでこれが無いと魔力だけではどうしようもない、なぜかは知りませんがね」


「それは魔物全体で必要なものだったりするのか」


「まぁ基本的には、例外もいますが大半のものは必要だと思ってもらっていいでしょう、人間も同じだと聞きますがね」


「人もなのか」


「ご主人様も人間なのに知らないんですね、まぁ私もこれに関しては噂程度なのでなんとも」


 そんなこんな話していると端末の探知機が一瞬だけ反応し、端末が震えた。

ただそれはあまりにも一瞬で、自分以外には築かれることは無かった


「一旦とめてくれ」

 

「どうかしましたか?」


「いや、ちとトイレに行きたくなった、少し待っててくれ」


 そう説明すると30m程離れただろうか、そこで端末を起動し、マップで先程反応した場所を追加した。

今すぐ行きたいところではあるが、こいつらも完全に信用出来たわけでは無い為とりあえず記録に留めておく


 そんなこんなで列へ戻ると

「人間も不便ですねぇ」

 と少々小言を言われた


 小山の頂上に来た所で廃城が見えてきた、リッチと骸骨の待機場所だ、これから街に行くがこいつらを野ざらしとは行かない少なくともリッチには自我があるのだから


 廃城、いつの日かの戦争で兵士を守ってきたであろう城も今では苔が生え草木に侵食され見る影もない、大きさ的には田舎のコンビニ(駐車場含めた)程度の大きさだろうか?入口は正門の1つしかないが、門の木材は朽ちており、人が入れる程度にはボロボロだ


「なにか住み着いている可能性が捨てきれん、斥候3名で突入、敵が入れば攻撃せず戻り報告しろ」


「ん、ちょっと待てよ、骸骨って喋れるのか?」


「喋れません、しかし使役されているのなら主相手には話すことが出来ます、と言っても直接脳内に話しかける形ですが」


「ファミ、、いやなんでもない。では問題無さそうだな、いかせろ」


 そういうと3体の骸骨は中に突入し、10分もしない内に戻ってきた


「何がいた?」


「ゴブリンだそうです、数は5、別種なし、如何しますか」


「確か剣は全員分あったな、内部はどうだ、剣が振り回せないほど狭いか?」


「いえ、そこまでは」


「なら全員分突入だ、蹴散らしてこい」


「承知」


「お前は残れ」


「はい」


 その後直ぐに骸骨十数が城へ突入し、数回の金切り声が聞こえた後、骸骨が俺たちを呼びに来た


 中に入って見ると意外と明るく、ゴブリンが松明を使っていた事がよく分かるものだった、損害としては1体が腕の骨を叩き割られたに留まり、リッチが言うには治せる範囲のものらしい。


「これがゴブリンねぇ、ほんとにそれだな」


「ゴブリンも初めてで?」


「いや、そんなことは無いがちょっとな」


 ゴブリンを端によせ部屋を見ている間は骸骨達に他の部屋を全てクリアして貰った、結果的にあいつら以外何もいなかったようだ


「ひとまずここが当分のお前らの居場所だ、必要なら家具でも追加するといい、ただ付けられないようにな」


「わかりました」


 こいつらの居場所を確保したので、自分の部屋(仮)で端末操作をしていたのだが、クエストクリアという文字と共に300pが手に入った、詳しく見るとどうやらゴブリンを殺したことによる報酬のようだ、使役したやつがやった事でも自分のことになるのかと少し驚いたが特段なにかするわけでもなかった。

 出発するかと思った矢先、なにか暇つぶしでも渡しておくかと適当に集団戦についての本を買いリッチに渡した、と言っても図書館にある程度のもので、専門書という訳では無いが


 城で村民の服に着替えた後、俺は事前に見つけていた街道に合流した、道無き平野からいきなり道へ合流したので移動していた人達は最初ちらちら見られたがある程度歩くと興味を失ったのか特に見もしなくなった

 そんなこんなで初めてこの世界で生きてる人間を初めて見たり、馬車に追い越されたりしていると、アラドの入り口が見えてきた。

 事前の調べて検問がある事は知っており恐らく身分や何かしらの身分証の提示を求められる可能性があるため今回は村を失った村人というていでいくつもりだ、ただこれには少し難点がある

検問の列に並び、しばらく待っていると検問をやってる衛兵から声をかけられた

 

「次、お前身分は」


「村民です、ここから10km程南の村から来ました」


「あぁ、タラ村の何かそれを証明できるものは?」


「実はその話なのですが、村が賊によって壊滅してしまって………」


「なに!?それは本当か」


「はい、昨日の事です、恐らく生き残りは私だけかと」


「ふーむ、わかった、事情を聞きたいから一度詰所に来てくれ」


「わかりました」


そう、これだ事情聴取、下手に答えると嘘だとバレるし、下手したら冤罪の可能性すらある、まぁこれに関してはわざわざ遺体を燃やした俺のミスなのだが、そこは攫われたとかで誤魔化そう

 ただ身分の何も持たない真の放浪者など普通に街に入れてもらえるとは思えないので、穏便に済ますにはこれが一番、のはず


 そんなこんなで俺は衛兵詰め所に連れていかれたわけだが、聞かれたことといえば

 ・村の被害状況

 ・賊が旗か何かを持っていたか

 ・賊の規模

 といったもんで、自分が本当に村人なのかは一切聞かれなかった


「もっと身分を疑われたりするものかと思いました」


「ん?まぁ生き残りがお前だけじゃ確認する方法がねぇしな、とりあえずうちの衛兵で確認に行って村が無事だったとかなら話は別だがな」


「はぁ」


「ただ完全に疑いが晴れたわけじゃねぇから監視はつけさせてもらうぞ」


「わかりました、それで疑いが晴れるなら」


「よし、とりあえず入ってよし、冒険者にでもなって身分証でも作りな」


 と言った形で解放されることになった


 ただ時刻は18時を回っており、宿を探し始め無ければいけない時間になっていたが、金は無いので野宿だ、残念ながらポイントをこの世界の金に変える機能は端末にはーーーーーーーー

あった、あれおっかしいなと思いアプリを開くとこんな文字が

  「忘れちゃってたごめん☆」


 あんクソ野郎と思いつつ、もし無ければ中世レベルの治安の中野宿する事になったのでちょっと感謝

ただ宿の相場までは出てこないのでとりあえず1万円分のポイントを下ろした、なおこれで残りポイントはカツカツだ。

 すると端末からヌルヌルと銀貨が5枚でてきた、これがこっちでの1万らしい

 街を練り歩くと電気の無い夜にもかかわらず凄く活気に溢れていた、理由は恐らく街灯等だろう、端末で調べるとどうやら魔石で光っているらしく、説明を見てみたが理論に関してはよく分からん

 メインの道には飲食店や服、武器屋があったが、少し外れたところには鍛冶屋や酒場などが見受けられた、宿はメインの方にあり、目立つ場所にあるにしては質素な見た目で人気も他の宿に比べると少なかった、ここでいいかと中に入ると初老の女性が受付をやっていた、顔を伏せ何かを書いている


「素泊まりでいくらだ?」


 女性は顔を伏せたまま少し無愛想に


「素泊まりは銀貨1枚だよ」


 と言った、銀貨1枚を渡すと女性は顔を上げ


「部屋は2階に上がってすぐ左、鍵は板1枚だから気になるなら自分で気をつけな」


 とだけ言うと、再び顔を伏せ何かを書き始めた

 

 だから人来ないのかな〜と勝手に自分の中で納得すると、部屋に入り板を倒すとそのまま床についた


 

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