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異世界転生術師  作者: 青山春彦
第10章 監獄島
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93話 4人目、5人目の婚約者

 トワとトリスとの婚約を結んだ翌日の早朝、私の部屋のドアのノックが鳴り、中へと入って来る。

 誰だろうと思い、ベッドから起き上がると、そこにいたのはリースだった。


「春人お兄ちゃんじゃなくて、旦那様。アイリスお姉ちゃんと信女お姉ちゃんが庭の方で呼んでるよ」

「分かった。あと、今みたいにラクアスさん達がいない時は普通に呼んでも良いよ。それと、2人には着替えてから行くから少し待っていてくれと伝えてくれ」

「うん。分かった」


 リースは2人に私が伝えたことを伝えるため、部屋から出て行った。

 なんで2人が私のことを庭に呼んでいるのかは分からなかったが、2人を待たせないように着替えを済ませて、庭へと向かう。


「待たせてすまなかったね」

「いえ、ここへ春人殿を呼び出したのは拙者達ですので」

「昨日の夜、トリスから聞いたんだけども、トリスとトワ。2人を婚約者にするそうね」

「ああ、そうだな」

「そうなると、私が春人の義姉(ぎし)になるってことよね」

「そうだな」


 アイリスが義姉になるってピンとこないな。まさか、年下のアイリスを姉として慕わなくてはならなくなるとはな。


「というわけで、これから春人には私達と戦ってもらうわ」

「いったい何故そうなる!?」


 何故2人と戦わなくちゃならないんだよ?あれか、妹と婚約したければ私を倒してみろ的な?あ、でも、2人とも私の実力は知っているはずだし、わざわざそんな事をしなくてもいいのか。

 となると、2人の目的はいったいなんなんだ?

 そして、アイリスがガントレットを両手にはめ、信女は鞘から刀を抜く。


「この刀の刃は落としているので大丈夫心配しなくても大丈夫です」

「いや、私が言いたいのはそういう問題じゃないんだが」

「あたし達は全力で戦うから春人も本気でやらないとトリスとの婚約は認めないからね」

「私が全力で君達と戦うんだとしたら君達は10秒も経たずに勝負は決まってしまうぞ?もしもそんな私を2人がかりでも10秒以上持ったとしたら、君達はスターズでも上位幹部クラスの実力があることになる」

「……確かに春人殿の言う通り、全力の春人殿と戦うとなると拙者達が圧倒的に不利ですね。アイリス殿、春人殿に制限を掛けるというのはどうでしょう?」

「そうね。確かにこっちが勝ち目がないと私達の踏ん切りがつかないものね。悪いけど、やっぱり制限を掛けさせてもらうわ。春人には、無属性魔法及び上級魔法以上の魔法と刀の禁止、そして春人が持ってる銃の使用を禁止させてもらうわ」

「それぐらいじゃ、ハンデにもならないが、まあいいだろう」


 なんでこうなったんだか……。

 私はただ、今までと変わらずに過ごせれば良いなと思っていたのに……だけど、私の身分的にはそれも不可能か。


「それじゃあ覚悟はいいわね?」


 私は小さく頷き、勝負を始める。

 勝負が始まった瞬間にアイリスと信女がそれぞれ左右に別れ、回り込むようにして向かって来る。なるほど、挟み込み作戦ってことね。だが、私にそんなことは無意味だ。

 2人が挟み込みで攻撃して来るが、その攻撃の僅かな隙間から2人の間から抜け出し、とりあえず抜け出した方向にいた信女のことを裏投(うらなげ)をした後に鳩尾(みぞおち)に軽く一発入れて気絶させる。これで信女はあと数分は目を覚さないはずだ。

 信女を気絶させて、まだ残っているアイリスに攻撃を仕掛ける。だが、アイリスもそう簡単にやらせてくれるはずもなく、攻撃をギリギリのところでかわされ、そのまま距離を取られてしまった。

 そして、一気に距離を詰め攻撃を仕掛ける。

 アイリスは私の攻撃を紙一重(かみひとえ)で避ける続けながらガントレットに魔力を注ぎ込む。

 アレの魔力が貯まったらマズイな。なんせアレはソクショに頼んでアイリス用に作ってもらったマジックアイテムだからな。威力でいったらアーティファクトにも匹敵するほどだ。それにソクショは、肉体戦用の武器の製作においては私よりも技術は上だから、あの攻撃に当たれば私でも無傷ではすまないだろう。

 私はそのガントレットによる攻撃を避け、回し蹴りをアイリスに一発、右脇腹に喰らわせて数メートル程吹き飛ばす。

 そして、アイリスが体勢を崩している間に拳でアイリスの顔の横の地面に穴を開ける。


「信女みたくあたしを気絶させないの?」

「必要ない。信女は少し厄介だと思ったから気絶させてもらったが、この状態で何か出来るとは思わないし、もし出来たとしてもアイリスの攻撃は防げるからな」

「随分と甘い判断ね」

「そうでもないぞ?君達は誇って良い。なんせこの私を2人がかりとはいえ、1分以上持ったのだからな。今回、時間的な観点からしたら、私の負けだ。よく頑張っているね、アイリス」

「まったく、そういう事を言うからあたしや信女もアンタのことが好きになったのよ」

「……え?」


 この子達も私のことが好きだったのか?昨日今日と随分と驚かされたもんだな。

 そして、信女が目を覚ました後、信女からも同じく告白された。

 

「あたし達も、エリアやトリス、トワと同じ立場に置いてちょうだい!」


 アイリスから私が負けたということでそのような事を言われる。照れ隠しなんだろうか、頬が赤く染まりながら言う。


「君達の気持ちは分かった。だが、3人がいない中で私が勝手に決めてしまうのはどうかと思うから、3人とも話し合ってから決めても良いか?」

「その事ならば心配いりませんよ」

「それはいったいどういう意味だ?」

「どうもこうも、この告白の仕方を提案したのは、エリア殿とトワ殿なんですから」

「そうなの!?」

「ええ、その通りです」


 その声のした方を見ると、3人がこっちに向かって来ていた。


「トワ。いったい何故そのような提案をしたんだ?」

「だって、こうでもしないと春人様は、お2人の気持ちに気が付かないと思いましたし、それにアイリスさんや信女さんの2人も素直に春人様に気持ちを伝えられなさそうでしたので、このような提案をさせていただきました」

「なるほどね。大体は理解出来た。一応聞くけど、3人はこの2人が君達と同じく私の婚約者となることに反対だったりするかな?」

「いいえ。反対なんてしません」

「私は、賛成です」

「春人様がお2人の事を私達と同じ婚約者として扱い、尚且つ、全員を大切にして下さるのであれば、私からは一切文句はありません」

「そうか。3人が文句がないんだったら私は、2人を正式に婚約者としたいと思う」

「ほんと!?」

「やっと、想いが通じました!」


 アイリスは飛び跳ねながら喜び、信女は反対に静かに涙を流しながら喜ぶ。


「それじゃあ、2人共。これからは婚約者として改めてよろしくね」

「よろしく春人!」

「よろしくお願いします」


 こうして、婚約者が新たに2人増えたが、この時の私はまだ、婚約者がこの先も次第に増えていく事をまだ知らないのであった。

『良かった』、『続きが気になる』などと思っていただけたなら、評価やブックマークをしてくださると、とても嬉しいです。投稿日時はバラバラですが、どうぞこれからもよろしくお願いします。

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