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異世界転生術師  作者: 青山春彦
第9章 ミランダンジョン
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90話 武具保管庫

 ルベルス・ベリルベル博士だと!?

 以前に資料で見たことがある。たしか、8000年程前まで存在していた、アバロント文明の中で特に有名であり、優秀だった研究者であり、発明家だったな。その他にもいろいろな顔を持っているらしいが、あまり覚えていない。

 だが、この子はルベルス博士によって造られた存在ならば、かなりの出来栄えだな。


「レイフェルトは外枠は人工皮膚(じんこうひふ)で、内側は機械で出来ているのか?」

「いや、外側はお前が言った人工皮膚もそうだが、それ以外にも魔法生命体の肉体を(くさ)らないように特殊加工して人工皮膚のしたに取り付けられていて人間と同等かそれ以上の動きが出来る。内部は心臓部分が魔力炉(まりょくろ)だったり、その他にも色々なところに魔法で造られた生体部品で造られているな。まあ、簡単に言えば、機械と魔法生命体の融合体?だな」

「ルベルス博士は、全体としての正式名称を付けなかったのか?」

「なんだったかな……。あ!思い出した。たしか、人型自律思考ゴーレムとかなんとかって言ってたな」


 博士はレイフェルトらをゴーレム枠に入れたんだな。


「それにしても、とても8000年以上前からあるとは思えないぐらい綺麗に保たれているな。魔力的にこの施設一帯に保護魔法でも掛けているのか?」

「ああ。『武具保管庫』は至る所を保護魔法でガッチガチに強化してるぜ。さっき俺は8100年ぐらい前に造られたって言ったが、実際のところ非常時以外はスリープモードで保管カプセル内で待機状態だったがな」


 保管カプセルなんてのもあるのかよ。かなり高レベルの文明だったんだな。アバロント文明ってのは……。

 ……ん?ちょっと待てよ。今こいつ非常時「以外」はって言わなかったか?それってつまり今は非常時ってことだよな。


「まあ、非常時って言えば非常時だな。なんせ、博士や他の姉妹以外で初めてこの『武具保管庫』に入った人物(適合者)なんだからな」


 なるほどな。確かにそれならこいつにとっては非常事態だわな。

 とりあえず一旦みんなをここに連れて来るとするか。安全性も確保出来たし、みんなと一旦話したほうがいいかもな。

 そう思い、みんなのいるビーチへと【ゲート】を開いた。


 ビーチへと一旦行って、みんなに簡単な説明をしてから再び武具保管庫へと戻る。


「武具保管庫……ねえ。差し詰めアバロント文明の遺産と言ったところかしらね」


 そう言ってマリンは辺りを見渡し感慨(かんがい)に浸っていた。

 ここ自体、かなりの古代技術が詰め込まれたルベルス博士のアーティファクトでありレイフェルトもその博士のアーティファクトなのかも知れないな。

 あ、ちなみにマリン以外の他のみんなは、武具保管庫を見て回っている。武具保管庫と言っても、ここの武具保管庫は、ただ武具を置いて置くだけの施設ではなく、他にも武器を試すための訓練室だったり、この武具保管庫を管理する管理室、弾薬を保管しておく為の弾薬保管庫、ここの空間にまったく似合わないが、箱庭(はこにわ)(いく)つかあったり、休憩室には自動で好きな飲み物が生成されるアーティファクトがあり、この武具保管庫はかなり充実したものだった。この武具保管庫の広さだが、23.8ヘクタールだ。簡単に言ってしまうと、東京ドーム5個分ぐらいの大きさだ。さらに言うと、それはあくまでもここの本来の大きさであり、現在は拡張魔法によってかなりの大きさにまで拡張できるんだそうだ。


「ところで、マリンが見つけたかったものは見つかったのか?」

「どうかしらね。私は古代の珍しいものを見つけられたら良いなと思っていたけれども、予想以上に良いものが見つかっちゃたわね」


 なるほど。マリンにとってはここの施設自体が古代魔法の結晶体とも言えるわけか。

 使われているのは恐らく、防腐(ぼうふ)結界、【プロテクション】という無属性魔法と似たような効果や様々な魔法の効果を持たせた装置が起動したりしてここまで綺麗に保たれているんだろう。

 だが、8000年前の記録のほとんどは消失しているが、貴重な資料などはスターズで保管していたりするので、王侯貴族は別として、一般人がアバロント文明の中でも重要な資料を見るのは、ダンジョンを突破した者などごく限られた者達のみである。

 なので、一般人でありアバロント文明にかなりの興味を持っているマリンにとって此処(ここ)は、自分の探究心(たんきゅうしん)を引き出してくれる夢のような場所に見えているのだろうな。


「なあ、レイフェルト。今まで見て来たもの以外に何かあったりするのか?」

「いや、特に無いぜ。他のとは違って、ここは少しの休憩所なんかがあるぐらいのただの個人の武具保管庫だな。武具なんかはあるが、これといった財宝なんかも無いからな」

「まあ、ここも私にとっては、8000年前の技術が知ることのできる財宝みたいなところだけどな」

「そう言ってくれてありがとな。だけどよ、このベリルベルの『武具保管庫』と俺はもう既にマスターに譲渡されてるぜ」


 どういうことだ?そんな記憶は……あったな。レイフェルトが試練が終わった後に確かにそんなことを言っていたな気がするな。


「ねえ、レイフェルト。ちょっと気になったことがあったのだけどもいいかしら?」

「ああ、構わないぜ」

「貴女はさっき、他のとは違ってここは少しの休憩所なんかがあるぐらいのただの個人の武具保管庫って言っていたけれども、それってどういう意味?」


 そう言って、マリンがレイフェルトに目を向ける。

 そういえば、ここに来た時にベリルベルの空中施設の1つって言ってたな。……ということはつまり、こんな空中施設が他にもあるってことになるぞ。

 

「このベリルベルは幾つかの区画に分散させてこの世界中のどこかの空中を漂っている。俺が管理してるこの『武具保管庫』以外にも、『庭園』『錬金塔』『格納庫』『万能工房』『城塞』『大図書館』『研究所』『管理塔』『訓練所』『病院』『警備塔』『焼却場』の13エリアに分かれていて、それぞれに俺達の姉妹…通称ベリルシスターズによって制御、管理されてる。そして、これら全てを合わせて初めて『ベリルベル』と呼ばれる」


 なんだと!?そんなにもあったなんて……。

 こんなものがあと12もあるだなんて、どう報告書にまとめれば良いんだよ!!まったく……。

『良かった』、『続きが気になる』などと思っていただけたなら、評価やブックマークをしてくださると、とても嬉しいです。投稿日時はバラバラですが、どうぞこれからもよろしくお願いします。

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