8話 スターズの結界その2
「寝言はせめて寝てから言え」
「どこまでも調子に乗りやがって。そうやって調子に乗っているのも今のうちだというのに」
「だから、寝言は寝て言えと言っているのが聞こえなかったのか?」
そう言うと、ストレージから刀を取り出し左手に銃右手に刀の二刀流の状態となった。
そして、お互い睨み合いながら観察し、同時に攻撃を開始する。
「【日火流剣術 三式 槍炎火】」
槍炎火は、火の妖術を刀に纏わせて相手に突き、攻撃をする突き技である。だが、こちらの世界では妖術ではなく火属性の火を使っている。
突いた瞬間相手の左肩を貫通させた。
「グハァ。よくも俺の肩を貫きやがったなぜってえー許さぇ!死ね────!!」
「お前程度の攻撃で死ぬわけないだろうが。だが安心しろ、お前は殺しはしない情報を吐いてもらう必要があるからな」
二人の戦いは、稲妻のように早くソーラルでさえもギリギリ目で追える程だった。
「早すぎて追いつくのがやっとなのだが、春人のやつ動体視力、俺よりもいいんじゃないか」
ソーラルの言う通り私の動体視力は普通の人よりも遥かに凄まじくそして元々生まれつき目は良かったが目に妖力を流し続け更に視力を上げ人知を超えた動体視力となっているのである。
そしてその戦いが始まってから数分後……。
「もういい、そろそろ終わりにする」
身体強化を施し一気に攻め、相手の背後に回り込み気絶させる。
「何この程度で気絶してるんだ?あぁ!!」
そのまま、何回かさらに鳩尾あたりに思いっきり蹴りを入れた。
「春人!!気持ちはわかるが、一旦落ち着け。とりあえずこいつは、牢獄に入れておくからお前は結界の方を頼む」
「わかった。結界は任せておけ」
ソーラルはそのままあいつらを牢獄まで護送するためにやってきた部隊とともに行ってしまった。
《さーてと、やるのはいいが、シエラ、結界の方はどうなってる?》
《はい、結界の構築完了。いつでも発動可能です》
《それじゃあ発動開始。それと同時に今張られている結界も同時解除してくれ》
《了解。これより神級広範囲結界魔法【ガッディスブレシング】を発動。同時に現在展開されている二種の結界は解除されます》
【ガッディスブレシング】が発動された後に二種の結界は砕け散った。
《結界の発動完了しました。同時に二種の結界も解除されました》
《お疲れさん。後は、私に任せてくれ》
さてと、これをどうしたものか。
私の目の前にある光景は、悲惨の一言だった。
なんせ、地面には無数の切り傷がありそして、地面のコンクリート?は禿げており修復しなければ中はもし雨が降ったら雨漏りがひどい状態になり浸水してしまう危険があるのである。
亜空間の中なのになんで雨が降るかだって?
亜空間の中とはいえ、外では水不足に陥らないように雨水を浄水する浄水器もありまた、川などを利用した水力発電や菜園もあるためどうしても雨や生物には日光も必要なためそういったものを外から繋げているのである。
「とりあえずこの惨状をどうにかするか。【リストア】を発動してこの辺りを一気に修復するか」
修復を完了し、施設は元通りの状態へと戻った。
戻ったのはいいが普通に戻しても良いのかな。ついでならば航空機用の滑走路も作ろうかな。
まぁ、どのみち話し合ってからでないとならないけど。
そうこうしている間にソーラルが戻ってきた。
「すっかり元通りだな。むしろなんか地面とか良くなってないか」
「そりゃあ直せば普通そうなるだろうが」
「いや、それはわかってるけどさ。ていうか、明らかに広くなってない?」
「まぁ、これからのことも考えて少し空間魔法も利用したりして広くしたからな」
「広くする必要なんてあるのか?」
「これからの事だが、技術課とも共同開発なんかをして将来的には、いろいろな機械兵器なんかを配備しようかと考えていて、だからついでに広くしようかなって思って試しに広げてみたってわけ」
どうせなら飛行機なんかの航空機も配備するのもありだな。
もしこの世界での侵略が無くなったりして今よりも平和になったら旅客機も造るのもいいな。終わったらの話だが。
「とりあえず部屋に戻って話しの続きをしたいんだけどいいかな」
「じゃ、戻ろうか」
「そうだな」
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