76話 スタンピードの終結
「【メテオ】」
そう呟くように発動させる。
すると、上空から隕石が落下し、敵がいた周辺の場所には巨大なクレーターが完成していた。
ちなみにこの【メテオ】には、光属性の魔力が【エンチャント】されているので、アンデット枠であるダークナイトやダークナイトキングなんかはこれだけでも倒せるが、【メテオ】によってその他の魔物も全て倒すことができた。
「これが……神級魔術師の力……」
「確かに……これは神級魔術師と言われるだけあるわね」
「春人の規格外さは知っていたつもりだったけども……これは凄いわね」
「そうですね……」
終わったことだし、みんなのところに戻るとするか。
「スタンピードはこれで終結した。それじゃあ、帰ろうか」
「そうですね」
「ひとつ聞きたいのですが、春人さんの別称は何ですか?」
神級魔術師は、他の魔術師に比べて畏敬の念を込めて別称が与えられる。
そして当然、神級魔術師である私にも別称は存在している。
神級魔術師のライセンスカードを見せながらその質問に答える。
【名前】望月春人
【階級】神級魔術師
【別称】魔剣の魔術師
【種族】古代人間
【性別】男性
【年齢】327
「私の別称は『魔剣の魔術師』だ。そもそも別称とは、神級魔術師の特性から与えられる。私がどうこうできるものではないからな」
「他の神級魔術師は、どのような別称があるのですか?」
「そうだなぁ。例えば、フルア魔法王国の現国王兼魔術師教会会長は確か『剛力の魔術師』だったな。他だったら、私の身内に『聖域の魔術師』とかあったり、五星使徒のうちの第3席は『暗黒の魔術師』で、第4席は『魅了の魔術師』だな」
「あの、先程春人様がおっしゃっていた『聖域の魔術師』というのはもしかしてア──」
私は咄嗟に、アリスと言い掛けたトワの声を遮るようにして話す。
「ああ、トワの思っている通りの人だよ」
「そうですか……」
トワをはじめ、他のみんなはそれ以上聞いて来ることはなかった。
なんだか少し空気が重くなってしまったので、とりあえず話題を変えながらギルドマスターのところへと向かった。
「春人さん、それに他の方々もお疲れ様でした。みなさんのおかげで無事、スタンピードが終結しました」
「今回のスタンピードの型は、指揮型でした」
「指揮型でしたか。でしたら多数の種類の魔物がいたのも納得ができますね」
「ですが、今回指揮をとっていた魔物が問題でしたね。今回指揮をとっていた魔物というのが、ダークナイトキングでした」
「ダークナイトキング?」
「知りませんか?デュラハンの最上位種です」
「……思い出しました。ですが、それって一部の者しか知らない神話に登場する魔物でしたよね?」
「アレって神話級の魔物だったのですか!?」
「そういえばそうだったな」
「忘れてたんですか!?」
「言っておくが、ダークナイトキングは神話級の魔物の中ではほぼ最弱と呼ばれている魔物だ。だから【メテオ】でも倒すことができたんだよ」
「【メテオ】ですって!?それって土属性の神級魔法だったはず」
「そうですね。ですが【メテオ】程度の神級魔法では本来、神話級の魔物を倒すことはほぼ不可能です」
「それでも周辺への被害は大きかったはずですが?」
「それに関しては、【リストア】という無属性魔法で全て元に戻しました」
「そうでしたか。分かりました。今回の依頼の報酬は、額が額なので、3日後にまたお手数ですが、こちらに来てください」
「分かりました」
「今回は本当にありがとうございました」
【ゲート】を開き屋敷に戻る私達の後ろで、ギルドマスターは深々とお辞儀をしたまま別れた。
そして、ギルドから【ゲート】を使って屋敷に戻った私達は、マリンからの要望があったイシュタリカ神王国に行く目的をもう一度聴くことにした。
「私がミランダンジョンに行きたい理由は、そのダンジョンに8000年ほど前に滅びたというアバロント文明遺産が残っている可能性があるというのを偶然歴史書で見つけたのよ」
「何故そのような情報が漏れたんだ……?」
すると、影からプロキオンが現れて私の疑問に答える。
「おそらくですが、以前発生した『フェアラート』による宝物庫の窃盗事件の盗品の中に確かそのような内容のが書かれた持ち出し禁止の記録書があったはずです」
「それが本当ならかなりまずいな」
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