71話 滄海遺珠
国語、数学、法学のテストが終わって、今はその回収したテストの採点をしている最中である。今のところの採点が終わった国語と数学のテストはどちらも90点台とかなりの高得点である。
参考書と同じ問題を出したのでは?と疑われるかもしれないが、やり方は同じだが違う問題を出している。なので、事実リースの実力が高いという事である。
そして今、法学のテストの採点が終わったのだが、その点数も高く、なんと80点台だった。『鑑定眼』で知力が平均に比べてかなり高いのは知ってはいたが、まさかこれほどまでとは……正直思わなかった。
結果をリースとその結果が気になってる他のみんなにも伝える為、採点をしている執務室からみんながいる部屋へと戻る。
「春人さん。採点終わったんですか?」
「ああ、終わったよ。まさかこれほどまでの結果なのが予想外過ぎて驚いているよ」
「そんなにダメだったの……」
リースが落ち込んだように呟く。
「ちがう違う。逆だよ逆。点数が私の予想よりもはるかに高くて驚いたっていう意味だよ」
そう言って、採点済みのテスト用紙をテーブルの上に広げる。
「確かにこれは凄いですね」
「あの短時間でこれほどの問題を解けるの驚きです」
「ええ、確かにその通りですね」
「これ、もしかしたら普通の貴族の方よりも凄いんじゃ……」
「商人としても十分に活躍できるほどですよ!」
各々がリースのテスト答案を見て言う。
これは少しした応用問題だったが、勉強をする機会が無かったのにここまで出来るのはかなり凄い事だ。
もし、勉強する機会があったならば、王宮で幹部クラスにはなれるレベルだったろうに。
「さて。約束通り給料は補佐官としての給料を上乗せする。だが、これで慢心してはいけないよ。これはまだ、職に就いただけだ。これからの君の仕事には私達は全員期待している。心して仕事をするように。それと役職的には、私の専属補佐官というわけだが、メイドの時は、ラクアスさんやラナさん達の指示に従うように」
「はい!」
メイドの時はラナさん達と同じメイド服を着るとして、補佐官としての時は服装は違う方がやっぱり良いよな。さて、どうしようか……。
「ところでさっきから気になってはいたのですが、なんで補佐官なのですか?」
「ん?ああ、それはね。私は神級魔術師として先の事件で公に身分を公開しているんだ。だからそうしたら、国の政にも関わる可能性もあるから補佐官にした。私もべつに最初は秘書でも良いんじゃないかとは思ったんだが、やっぱり補佐官の方が良いんじゃないかと思ったから補佐官の方を選んだよ」
「身分をばらしたんですか!?」
「と言っても、あっちの身分に比べたら、神級魔術師の身分なんてバレても問題ないからね」
「それはそうかもしれませんが……春人様はそれで良かったのですか?」
「べつに構わないよ。逆に、絡んでくる奴が減って助かるくらいだよ」
「それなら良いんですけど……」
それに神級魔術師として、改めて魔法協会本部から正式に神級魔術師として認められた証として、別称も与えられたからな。それにもう、隠していても仕方ない気もしてきたしな。
リースには補佐官の役職は少し負担が大きいかもしれないが、基本的には屋敷のメイドとして働いてもらうつもりだから、普段はそこまで負担はないはずだ。
リースには色々とこれから頼む事にもなりそいだし、定期的にでも勉強をすることにしよう。
そうすれば、もっと活躍できるはばができるだろう。
補佐官をしている時の服装はスーツにしようかな。こういうのはやっぱりスーツが一番しっくりくるし。
「リース。補佐官として私の側にいる時にはこの服を着てもらう。メイド服とスーツで仕事着を分けることによって仕事の区別がしやすいと思うしね。それと、君には補佐官時のみ、武器の所持を許可しようと思っている」
「旦那様、メイドでもナイフぐらいだったら持っていると思うのですが?」
「たしかにその通りだけど、私が言っている武器というのナイフなんかよりも殺傷能力が高い武器だよ」
「そんなものがあるのですか?」
その時、エリアがはっ!という分かったように顔を上げた。
「春人さん。もしかしてアレを渡すつもりですか?」
エリアの言葉に、トワも分かったようで驚きの表情になっている。
「春人様、アレは流石にリースさんに渡すの些か問題があるのでは?」
「多分大丈夫だと思うんだがな。だって、君達だって私の側にいるという理由から、あっさり許可が出たんだから、リースも補佐官として側にいる時に装備したって問題はないと思うんだがな」
「とりあえず一旦、聞いてみたらいかがですか?」
「確かにその通りだな」
スマホを取り出して、連絡を取って確認する。少し渋ってはいたが、最終的には了承してくれた。
「今回は少し、本部でも渋ってはいたが、なんとか許可を貰うことが出来た。リース、これから地下にある訓練所に移動するよ」
今の言葉にラクアスさんがそんな場所は聞いていないといった表情をする。
「あまり使ってなかったから言う必要がないかなと思って黙っていたんですよ。だから、ラクアスさん達が知らなくても当然ですし、あそこの事は私以外に知っているのはほぼいませんからね。でも今度からは使う機会も増えるでしょうから、使い方も教えますよ」
そう言って、地下に行くための入り口前に行く。地下に入るための入り口は普段は、ただの壁にしか見えないようになっている。
「春人、あたしにはただの壁にしか見えないんだけど……」
「そりゃあ、普段はバレないようにただの壁にしか見えないようにしてるんだからな。でも、ここに魔力を流すと、こんな風に入り口を開けるための仕掛けが出てくるようになっているんだよ」
身分証を型に差し込み、指紋認証、パスワード、虹彩認証を全て解除する。
すると、壁だったところが下へと下がったあと、エレベーターが出てきて、その扉もさっき差し込んだ身分証をエレベーターのに差し込んでからパスワードと虹彩認証を解除して、エレベーターの扉が開いてから、全員エレベーターの中へと入って、地下へと向かった。




