7話 スターズの結界その1
「なぁ、ところでスターズの本部の場所は何処なんだな?この地図では全然見当たらないが」
「そりゃあそうだろ。この本部もしもこの地図が裏切り者によって他国にリークされたとしても本部の位置が特定できないようにするためあえて載せていないんだよ。まぁ、強いて言えば、大体この辺あたりだな」
ソーラルが指差した場所はマナシス海王国の西側の沖合の真ん中付近だった。
え、今そんな沖合の上にいたのかよ。
それにしてもよく塩水で鉄が錆びたりしないな。
「この本部を支えている支柱はこの世界で最も頑丈な金属の一つに数えられているオリハルコンと同じくその金属の一つであるミスリルの混合金属で作られた特別製の金属だから錆びにくいしそれに保護魔法もかけられているから大丈夫なんだけれども一つ問題があってな」
「問題?」
「ああ、実はこの本部を外部からはわからないようにするための結界魔法が張られているんだがその結界もう限界に近くてなそろそろ新しい結界に張り替えなくてはならないのだがその結界の解析が出来てないため張り替えることが出来ないんだよ」
「どうして解析が出来ていないんだ?」
「ああ、この結界は昔スターズに所属していたとある異世界人が張ったものでな、その異世界人は、とある任務であっさりと殉職してしまって、その結界については何一つわからないんだ。一応、我々も解析はしているんだがまだ解析が出来ていない状況なんだ」
「一回その結界を見せてはもらえないか?私ならばもしかしたらなんとかなるかもしれない」
「確かに、もしかしたらお前なら可能かもしれないな。よし、とりあえずついて来てくれ」
スターズの結界を張るための4つの柱うちの一柱を守るための施設の一つにやって来ていた。
「この結界の柱は全部で四つ東西南北に設置されている。で、今いるのがそのうちの一つである東の結界だ。どうだ、解析はできそうか?」
「ちょっと待ってくれ。今、解析するから」
《シエラ、解析頼んだ》
《結界の解析を開始……完了しました。この結界は、外部からの干渉の遮断の他、空間脱……簡単に言いますと、この世界空間とは別の亜空間に転移している状態にあり許可の無い者は、一切入ることが出来無いようになっています。ですが、この結界は不十分であるため今回のように結界にヒビが入り崩れていると考えられます。新しく高度な結界を構築することが可能ですがいかがなさいますか》
《どれくらい時間かかる?》
《およそ二分かかります。その間、張られている結界は強制解除されるためそのその間の二分間は、この本部は無防備の状態となります。その為、臨時の結界を張ることを推奨します》
《わかった。とりあえず、解析結果から似たような結界は今の私にはない。よって、今から作りたいが頼めるか?》
《了解。構築が完了しました。いつでも使用が可能です》
《妖魔結界と合わせても大丈夫かな》
《問題ありません。むしろ、同時発動を推奨します》
妖魔結界とは、自身の妖力を使用する妖術の一種であり空間阻害を可能とする結界である。
また、普通の術の結界とはいえ違い私の結界は、広範囲でありそして防御力も桁違いなのである。
それじゃあ、まず始めに……。
【魔法結界発動!】
「これは、いったいなんなんだ」
「これは魔法結界の一種で、新しく結界を張る際に一回結界が強制解除ささりますのでその代わりとして、二種の結界のうちの一つを今張り次の結界をこれから張ります」
本来の妖魔結界は護符を必要とするが私のような高位の術師は護符無しで構築し更にその性能も桁違いなのである。
少しふぅと息を吐き妖魔結界を発動する。
【妖魔結界展開!】
二種の結界を張り終え問題の結界の方に取り掛かる。
《シエラ頼んだ》
《これより結界を構築。その為今使われている結界の強制解除が発動しました》
結界に一気にヒビが入りそして結界が砕け散った。
すると突如空間に亀裂が入った。
「よりによってこのタイミングでドランクが来るとは、春人張り替えながらの戦闘は可能か?」
「可能だ。……ソーラルちょっと待て、何か様子がおかしい。な!?あれは、ドランクでは無いな。」
空間の亀裂から出て来たのは、ドランクではなく、人間の姿をした何かだった。
「やっとあの忌々しい結界が解けたか。この時を長い時をずっと待っていた。あいつはいないようだな。ならば都合が良い、あいつがいなければ殺りやすいというものだ」
「いったい我々を殺してお前達に何の得があるというんだ」
「そんな簡単なこと。お前達が俺達の計画の邪魔だからに決まってるだろうが。いい機会だから教えてやろう。俺達はこの世界よりも高位の世界から来た。よってこの世界を俺達の物にしてやろうと言うんだから感謝して欲しいぐらいだ」
「この世界を手に入れてお前達はどうしようというんだ」
「そんなの決まってるだろうが。男は労働奴隷奴隷にして田畑を耕せそして要らなくなったら自由に拷問したりして殺し、女は俺達の性奴隷にしてやるんだよ」
こいつらはいったい何を言っているんだそんなこと例えこの世界よりも高位の世界の人間だからといって許されるわけないだろが!!
私は懐から拳銃を取り出して銃口を奴に向けながら問う。
「お前ら本当にそんなことが許されるとでも思っているのか?だとしたら反吐が出る」
「言いたいことはそれだけか?なら茶番は終わりだ。死ね」
「今のではっきりしたよ。悪いが死ぬのはお前達の方だ」
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