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異世界転生術師  作者: 青山春彦
第6章 王都マサラ
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64話 バルハランのお土産と生き残りの子ども達

 あの事件から2日が経ち、私達はベルンガへと帰る日がやってきた。

 だが、帰る前にあの2人を先に屋敷に送らなければなと思い、【テレポート】で2人の気配のする場所まで転移した。


「うわぁ!だ、旦那様でしたか……」

「もう、驚かさないで下さいよ」


 仮面を取って驚いた表情で2人はそう言った。


「すまんすまん。私達は後1時間ぐらいで屋敷に戻るから2人は先に約束通り送るよ」

「ありがとうございます。旦那様」


 早速【ゲート】を開いて屋敷の居間へと繋げる。

 そして2人を先に行かせて、私はその後に続いた。


「すみませんラクアスさん、旦那様にバレてしまいました」

「そうでしょうな」

「もしかして、ラクアスさんは旦那様の事を知っていたのですか?」

「もちろんですとも。執事が仕える方の事を知らないわけがないでしょ。陛下から旦那様の事は仕える際にお聞きしていましたしね」

「そ、そうですか」

「あの国王はお喋りが過ぎるな。いつか、お(きゅう)を据えなければな」

「私から無理に聞いた事ですので、私の顔に免じてご容赦願えないでしょうか?」

「仕方ないな。特別ですからね」

「ありがとうございます」

「それじゃあ、そろそろ私はあの子達のところに一旦戻るよ。次はみんなで帰って来るからそれまでに準備をしておいて」


 そう言い残して【テレポート】でマサラに一旦戻った。

 みんながいるバルハラン城に戻ってからみんなに何をしていたのか聞かれたが、トイレに行っていたと言ってなんとか誤魔化した。


「街に行って屋敷にいる皆さんにバルハランのお土産を買って行きましょうか」

「良いわね。屋敷の使用人さん達に喜んでもらえそうなのを選びましょ」


 などと、みんながお土産を買いに行く前から何にしようかと話し合っていた。……とりあえず城から出ない?

 その事を伝えると、揃って「あ!」と言った。盛り上がってそこら辺の事を忘れていたようだ。

 そうして街へと行ってお土産選びが始まった。


「これなんてどうでしょうか?」

「良いんじゃない?その薔薇(バラ)の付いたアクセサリーなんてラナさんに似合うじゃない?」

「私は男性陣のお土産を買って来るから君らは女性陣のお土産を買った方が時間の短縮になるから一旦別れて買おう?」

「そうですね。男性方のお土産は私達では選ぶのは少し難しいですからそれで良いと思います」

「なら、それでいこうか。集合場所はこの店の前に2時間後で良いか?」

「はい、それで構いません」

「なら決まりだな。一応連絡用にビオラをつけておくから、何かあったらビオラに言ってくれれば念話で私に伝わるから」

「分かりました」


 そうして一旦みんなと別れて男性陣へのお土産をそれぞれ選んだ。

 その後、時間が余ったので少しだけ本部に行くことにした。少しくらいなら大丈夫だろう。

 私が本部に着いてまず向かったのはキャリア養成訓練所だった。


「訓練の状況はどんな感じだ?」

「これはシリウス様。ご覧の通り順調です。普通の人間ならば倒れてもおかしくはないであろう訓練を次々とこなしております。獣人特有の尻尾や特徴的な耳がない、人間と見た目がそれほど変わらない半獣人とはいえ、流石は獣人と言いたいところですが、彼らをあそこまで動かしているのは己の信念と恩を返すといった気持ちですね」

「そうか。あまり無理はさせないでくれよ?倒れられたら元も子もないからな」

「適度に休息を挟んでありますので、ご安心ください」

「そうか、ならば良い。彼らは将来良い人材になると私は期待しているからな」

「シリウス様がそこまで(おっしゃ)るほどなのですか?」

「ああ、私の鑑定がそう判断したからな。それに、子どもが成長するまでにきちんとした環境さえあれば強くなると私は思っている。これはその証明の意味もあるから、君に教官を頼んだんだ」

「シリウス様にそう言ってくださり光栄です」

「それじゃあ、期待しているよ。みんなも訓練頑張りれよ」

「「「「「ありがとうございます!」」」」」

「お任せください、シリウス様」

「ああ」

 

 そう言い残して本部の執務室(監察課課長兼シールズ名誉総隊長室)に【テレポート】した。

 執務室に最初に入って来たのはソーラルだった。


「こうして直接顔をあわせて話すのは久しぶりだな」

「ああ、そうだな。それで今日はどうしたんだ?」

「さっき、村での生き残りの子ども達の様子を見に行ったんだよ」

「たしか、お前が連れて来た子達だったか?」

「ああ、あの子達は素直で要領が良いが良いという鑑定結果もあったからあのまま孤児院に引き渡すよりは本部の訓練所で訓練をさせた方が間違いなく良いと判断したんだ」

「まあ、それはべつに構わないんだが、お前がそんな事をするなんて正直意外だったな。お前の事だから良くて、スターズが運営する孤児院に連れて行くものだとばかり思っていたよ」

「そうか?」

「昔のお前なら本部に子どもなんか連れて来る事なんてまず無かっただろうし、良くてもさっき言った通りスターズ運営の孤児院か、支部の訓練所ぐらいだったろ。それが今では本部の……しかもキャリア養成訓練所に入れさせたんだから、昔からのやつらは結構驚いてたぞ」

「そんなになのか?」

「まあ、まるくなったのは正直良い傾向なのかもしれんな。昔に比べれば随分と話しやすくなったから下の者達も以前よりも自分の意見が言いやすくなって助かる」

「そんなに話し難くしていたつもりはないんだが……」

「お前の気配がそうしていたんだよ!」

「なんかすまん」

「わかればいいんだ、わかれば……。ところで今日はいつまでここにいるんだ?」

「ここに来たのはちょとした暇つぶしもあったが、もうそろそろ時間だし、私は戻るとするよ」

「なあ、1つ聞かせてくれないか?」

「なんだ?」

「今の……表社会で暮らすのはどんな感じだ?」

「案外楽しまさせてもらってるよ」

「そうか。またもしものことがあったら頼むぞ」


 約束の時間の少し前になったので集合場所近くの路地裏に【テレポート】した。


「結局伝えなかったのか?」

「そうだな。決めるのはあいつだが、その話を受け入れられたら正直スターズとしては、損害がかなり大きいのはお前なら分かるだろ?カーラル」


 ソーラルが後ろに振り返り、カーラルにそう答える。


「どっちでも良いけどさ、今度こっちに来た時にでも聞いておけよ」

「わかってるさ」


 集合時間ギリギリで間に合った私は屋敷に【ゲート】を開いて、みんなと一緒に帰宅した。

『良かった』、『続きが気になる』などと思っていただけたなら、評価やブックマークをしてくださると、とても嬉しいです。投稿日時はバラバラですが、どうぞこれからもよろしくお願いします。

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