58話 バルハラン王との謁見
「お待ちしておりました。こちらにまとめてあるのが、ご所望の物になります」
「ああ、確かに間違いないね。あとの物は、約束通りそっちに譲渡するよ」
「ありがとうございます。これらの物は、里の復興に役立てる事を約束します」
「より良い里となる事を期待しているよ」
「はい」
そう言って、まとめられたのを【ストレージ】に収納する。
「それと、ここの警備を再度行う様に私の方からバルハラン支部に通達しておくから、今度はもう少し被害が抑えられると思う」
「何から何まで本当にありがとうございます」
「私に出来ることはこれぐらいだし気にするな」
すると、グリウスが里長にとある提案をした。
「もしよろしければこの里も我々バルハラン王国加盟しませんか?このバルハラン王国は、様々な里や種族同士が集って出来た国で、現在の国王陛下は、その1つの種族の族長の中から公平に選ばれましたが、他の族長の方々も同等の権力を持っています。どうですか?」
「………」
その提案を聞いて、老狼人の族長は他の人達の方を見て決め悩んでいる様だ。
「長、我々はこの提案に賛成です。国との協力関係を築けるれば、貿易も出来ます。そうすれば食料問題もある程度回復すると思います」
「……わかりました。その提案受けさせていただきます」
「そうですか。では、国王陛下には新たな里が見つかり、その長はバルハラン王国の同盟里となる。と伝えておきます」
「グリウスさん。予定よりも遅れているので、そろそろ……」
「ああ、そうでした。では我々はこれで失礼します」
そして馬車に戻って、改めて王都へと向かった。
それから数時間後、ふと窓の外を見ると、王都とその奥には王城が見えた。
王城はまるで、フランスのシャンボール城の様な見た目をした城だ。
そんなこんなで、城の入り口に馬車が止まると、バルハラン王の臣下達が謁見の間にそのまま案内された。ただし、マリィさんの妹のルリィだけは、メイドが客間へと案内されていた。
まあ、あの子だけはただ付いて行っただけだから当然といえば当然だろう。
謁見の間に案内されると、その奥にある玉座には、このバルハラン王国国王、ダンベルク・アラン・バルハランが座っており、その周りには、その宰相を始めとした臣下達が立っている。
そして私達は当然、王の前に並ぶと同時に跪く。
「マリィ・アーベント。ベルンガ王国より、大使の任を果たし戻りました」
「うむ。大使の任、ご苦労であった。そして、其方たちがベルンガ王からの使いの者達か?」
そう言ってバルハラン王が尋ねて来たので答える。
「その通りでございます、バルハラン王」
「そうか。それと、早馬で連絡があったが、道中にて、老狼人の里で黒竜を討伐したとのことだが、これは事実か?」
「事実でございます。私達で黒竜を討伐しましたが、そのほとんどは、こちらにいらっしゃる望月春人さんのおかげです」
そう私に紹介しながらバルハラン王の質問に答える。
「ほほぅ、その者がか。面白い!どれ、春人よ。儂とひと勝負してみないか?」
宰相を始めとした臣下の何人かが、またか!と言いたげな顔をしながら呆れた様にため息をついていた。
まあ、強い者と戦いのは獣人……いや、武人としての性というやつなのだろ。
まあ、断る理由もないし、その勝負を受けるとするか。
「分かりました。その勝負を受けましょう」
「では、訓練所へご案内します」
宰相に訓練所へと案内される。
バルハラン王国は数多くの武人所属している為、並大抵の人物ではこの国を統治する事はほぼ不可能だ。それにこの南には、精霊の大森林があり、そこには強力な魔物も数多く生息しているのでその王もまた、強くなくてはならない。
一体どの位強いのか知りたいな。これで大した事がなければがっかりだがな……。
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