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異世界転生術師  作者: 青山春彦
第1章 スターズ
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5話 食堂での会話

「お、やっと来たか」

「すまん。少し話をしていてな。それで遅れてしまった」

「まぁ、そんなことはいい。それより春人、ここの食堂の料理はかなり美味いぞ。そしてこの食堂はな、支援局の管轄になっていてな。支援局ではこの世界で数少ない正式な資格の一つである調理師の資格が取得可能なんだ。その資格があれば料理を作るのに調理師免許が必要な貴族の屋敷の料理人や

宮廷料理人(きゅうていりょうりにん)として潜入捜査が可能なんだ。ちなみに世界各国の宮廷料理人には必ずスターズの人間が最低二人いるんだ。その他にも上級貴族の料理人としても潜入している奴らもかなりいるがな」


 へぇー調理師免許てこの世界にもあったんだ。

 料理を注文するためにメニューを見ていると、メニューには丸焼き肉だったりカレーライスといった地球と同じような料理があるんだと思った。

 とりあえずカレーライスを注文した。


「ちなみにさっきの調理師免許だが支援局の者でなくとも支援局に資格取得許可証を提出すれば誰でも受験可能だぞ。そして俺らシャドウは全員潜入捜査用に取得しているからお前も一応取っておいた方がいいぞ」

「もしかしてこの調理師免許て使えるか」


 取り出したのは日本で取得した調理師免許である。

 ただし、その調理師免許はストレージから取り出す際にこっそりとこの世界仕様にシエラが直したものではあるが。


「なんだ、お前もう既に持ってたのかよ。まぁ確かにそれで問題ない」

「なぁ、さっきこの世界で数少ない正式な資格って言ってたが資格ってどれくらいあるんだ?」

「そうだなスターズのみでしか使えない資格もあるが逆に国からしか取得できない資格もあるんだが世界共通で使える資格は医師免許、調理師免許、教育免許、魔術師階級の資格だな。特にこの魔術師階級の資格はその名の通り魔術師の階級をそれぞれしたから順に低級→中級→上級→帝級→聖王級→精霊級→亜神級→神級となっていてこの最上位の神級のほとんどがスターズの者だな。一応長命種は年齢とかをあまり知られたくない人のために番号とかはとくにないけどその代わりに刻印魔法(こくいんまほう)偽造(ぎぞう)が一切できないようにされているんだ」


「それって私でもなれるものなのか」

「可能だぞ。ていうか、お前なら神級魔法を扱えるはずだからなれると思うんだがなぁ。それと、神級はその神級魔法を一つでも見せてそれがちゃんと扱えているのであれば合格となるぞ」

「魔法を創る魔法は神級に入るかな」

「普通に入るだろ。まさか、できるのか?」

「できる。それに新しく創った魔法で無から物を生成する魔法もある。ただしこれらはかなりの魔力を持っていくんだがな。ところで、シャドウのみんなは魔術師階級て持っているのか?」

「スターズは魔法戦闘技術よりもどうしても暗殺技術を優先

してしまう傾向(けいこう)にあるんだ。だからシャドウでも持ってるのは、カーラル、アリスロード、イレルリカの三人だけだな。まぁ、受けるんならフルア魔法王国がいいと思うぞ。なんせ、魔法王国というだけあってこの世界で魔法文明がかなり発達している国だからな」

「ベルンガ王国でも神級になれるか?」

「なれないことはないが、ベルンガは今いる最高位の級にいる宮廷魔術師長(きゅうていまじゅつしちょう)でも帝級だぞ。確かに世界的に見ても帝級は希少といえば希少なんだが。ベルンガで神級になったらいくら名前が公表されないとはいえ目立つと思うぞ。それにしてもなんでベルンガなんだ?」

「それは……」


 と言いかけた瞬間。


「お待たせしました。こちらがいつも通りの丸焼き肉と野菜の和物(あえもの)です。そしてこちらの方のご注文品のカレーライスになります」

「ありがとう」

「それで、先程の話の続きだが、この世界で目覚めたところがベルンガのアバリアっていう街の近くだったんだ……」

「なるほどそういう理由ね。べつにどこで取得しようと文句は言わないから安心しろ」

「にしてもこのカレー、今まで食べたどのカレーよりも美味いな」

「そのカレーな、実は昔お前と同じように異世界人の一人だった者がスターズに入団して、そしてこの食堂に勤務しててな。その時に作られたカレーらしいぞ。スターズでの異世界人の扱いは、この世界に害をなす存在であると同時に世界の進化を与える存在でもあり、言いたいのは、この世界に害を与えるのであれば暗殺対象となるしこの世界の文明進化に繋がるようであれば大歓迎といった感じだ」

「なるほど他の異世界人がこのカレーを作ったんならこの美味しさも納得だな。その害をなす異世界人の暗殺は私もやることになるのか」

「シールズの部隊ならばほぼ必ずやることとなる。もしお前

が同じ異世界人だからといって殺す事を躊躇(ためら)うのであれば、シャドウの称号は即座に返却してもらう可能性もあるから気をつけろよ」


 私を甘く見ないでほしいのだが。

 いくら同じ異世界人だからといって殺す事を躊躇うことはないと思うんだがな。


「あ、そうだついでに、この後悪いんだが俺の局長室の方まで一緒に来てくれ」


 ?


「了解した」


 そうしてご飯を食べ終わって食器を返却してそのままソーラルとともにソーラルの局長室へと向かった。

『良かった』、『続きが気になる』などと思っていただけたのなら、評価やブックマークをしてくださると、嬉しいです。投稿日時はバラバラですがどうぞよろしくお願いします。

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