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異世界転生術師  作者: 青山春彦
第5章 バルハラン王国への出発。
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49話 銃の発見とレベッカ名誉子爵の戦闘訓練

 この日私は、久しぶりにベルンガ城へとやって来ていた。

 その理由は、例の国王暗殺未遂事件で逮捕したクソ侯爵の件で新たな物が発見されたという、見たかったからだ。


「ベルンガ王。あのクソ……じゃなくてブラン元侯爵の屋敷から新たな物が出て来たというのはいったい何ですか?」

「春人殿、来たか。今回の家宅捜索で見つかった物の中にこのような物があったのだ」


 テーブルの上に出されたのは、S&M M64だった。なんでこんな物がアイツの屋敷から出てくるんだ!?それに何度か屋敷には忍び込んだが、こんな物一切出て来なかったぞ。


「これは物を落とした際に偶然床に仕掛けられていたボタンが押ささって壁が開いて中に入ったそうで、その中にあった鍵がついた引き出しを無理矢理開けたら……」

「これが出てきた、というわけですね?」

「ああ、その通りだ。この武器はスターズで使われている物のひとつではなかったか?」

「おっしゃる通りです。これは今からおよそ120年ほど前まで警備部隊の予備拳銃として使われていたものです」

「やはりスターズの物だったか。これが見つかったという事は、彼奴はスターズの者なのか?」

「断じて違います!あのような雑魚なんぞ、どこの支部の下位構成員でもあのように弱くはありません。ここだけの話ですが、この拳銃の年代から考えておそらくは、スターズ内部の指名手配犯の可能性があります」

「その手配犯の顔はがわかればこちらでも探すが?」

「探したところで無意味ですよ。なんせ今現在の手配犯は我々の目を百年近く逃れているのですよ?今更あなた方が見つけられるとはとても思いませんし、それに手配犯だって元とはいえ諜報員なのですから当然姿形を変えて生活をしているので多分顔がわかったところで無意味ですよ」

「そうか、わざわざ足を運んでもらってすまんな」

「いえ、こちらこそ我々の関係者がご迷惑をおかけしすみませんでした。今回の件は完全に私達が原因をつくったようなものですから」


 私はそう言ってベルンガ王に頭を下げるが、ベルンガ王は私のせいではないと言い、頭を上げるように言った。

 それからもいろいろと話していると、廊下の方からこっちへもの凄い勢いで走ってくる音が聞こえてくる。そして、走ってきた人物は、ドアを勢いよく開けて中に入って来た。

 その人物とは、宮廷魔術師団団長であるレベッカ・アルナス名誉子爵である。


「こちらに春人さんがいらっしゃっていると聞きましたが!」


 うわぁ、なんか面倒くさい人が来たな。


「そんなに急いで何のようですか?」

「この魔法についてなんて書いてあるか読んでください!」


 そう言いながら、1冊の分厚い本を押し付けてくる。読むから、そんなに押し付けるな。


「これは、精霊級魔法の魔法書ですね。そしてこれは古代エルフ文字で書かれている事を考えると、2000年ほど前に書かれた物のレプリカですね。これは……」

「レプリカなんてあり得ません!これは私が直接エルフから買った物ですよ!」

「正確には、外に流出しても問題ないレベルの魔法が書かれた量産品の魔法書という意味です。レベッカ名誉子爵がこの魔法書を購入したと言うエルフはもしかしたら、エルフではなくその上位のハイエルフだった可能性がありますね。今、ザックリと読んでみたのですが、内容がハイエルフが使うという杖が描かれていましたからおそらく間違いないと思います」

「ですが、ハイエルフはエルフ以上に強くそして希少な種族ですよね?なんで私なんかのところにわざわざ……」

「ハイエルフは普通のエルフとまず見分けがつきませんし、本人すら自分がハイエルフだと知らないで普通のエルフだと思って生活をしている人も中にはいますし、それに、レベッカ名誉子爵が会ったというそのハイエルフも自分がハイエルフだと知らない可能性もありますよ」

「そんな事があり得るんですね」

「はい。自分がハイエルフだと知られるといろいろと面倒ですし、まず見分ける事はほぼ不可能ですから別にそこまで気にしなくても良いと思いますよ」


 スターズにも何人かハイエルフとエルフがいるが、私自身も見分けが付かないからな。


「この魔法書を読んで気付いたんですが、この魔法書の内容の魔法だと魔力が大量に消費されてとても人間には扱えないですね」

「どれくらいの魔力量が必要なんですか?」

「約8人分です。レベッカ名誉子爵の魔力量は普通の人よりかは多いですが、精々良くて3人分ですね」

「全然足りないじゃないですか!?」

「精霊に近い種族と言われる妖精族(ようせい)だったり、小妖精族(ピクシー)なんかは使える可能性は高いが……」

「妖精族……ですか……」

「どうかしたんですか?」

「いえ、ふと昔のことを思い出してしまって……」


 そう言ってレベッカ名誉子爵は、まるで死んだ魚のような目をしながら苦笑いをする。いったい妖精族と何があったんだよ?

 だが、それはどう見てもいい思い出ではないという事だけはすぐに分かったので、その先の事を聞くのをやめた。


「とは言え、私ならば魔力量もほぼ無限にありますからどんな魔法も問題なく発動できるんですけどね。少し時間をもらえればやってみせますが、どうします?」

「是非お願いします!ですがこの城でやられると、この城がもたない可能性があるので、どこか別な所でいいですか?」

「わかりました。では準備が出来たらそちらに伺ってから【ゲート】を使って移動しますね」

「ではお願いします」


 そう言ってレベッカ名誉子爵はそのまま戻って行った。


「すまんな春人殿。あやつは精霊に関して異様な執着があってな。研究熱心であるのは良いと思うのだが、興奮するとああなってしまうのだ……」


 この様子だと国王もレベッカ名誉子爵に苦労してきたんだろうな。

 その後、渡された魔法書を読んで大体のやり方は理解したので、誰にも邪魔されない森の奥でやる事にした。もちろん結界はちゃんと発動させてからだが。

 そして私は、約束通りレベッカ名誉子爵を迎えに行った。


「レベッカ名誉子爵。準備が出来ましたので行きましょう」

「わかりました」

「それじゃ、行きますよ【ゲート】」


 【ゲート】を抜けた先は、紅魔の森の最奥である。潜り抜けたら結界を張って、これで此処の準備が完了した。


「私がこれから使うのは、魔法書の56P(ページ)に載っている【デスオルター】です。それじゃあ、いきますよ」

「はい!」


 魔法を発動させると同時にかなりの魔力が抜けていく。思ってたよりも結構吸われるな。

 魔法を発動させると同時に、あらかじめ用意していた魔物をこっちにケルベロスを使って誘導させる。すると、こっちに近づいた瞬間にその魔物は消滅した。

 ちなみに用意した魔物は、Dランクのゴブリンエリート5匹である。


「凄い威力の魔法ですね……」

「本当の精霊級魔法の威力はこんなもんじゃないですよ。だからこそ、帝級と精霊級では人数に格差が生まれるんです」

「帝級と精霊級でそんなにも差があるとは……」

「だった1つ級が違うだけでもかなりの差ができるということを覚えておいてください」

「わかりました」

「そうだ、せっかく此処まで来たので、魔法訓練をしませんか?」

「それは良いですね。城ではあまり訓練はできなかったですし」

「では訓練用の的を準備をするので少し待っててください」


 【創造魔法】で訓練用の的を創る。的の形は実戦を模した人型にして、材料はハイミスリルで良いか。


「的の用意が出来たのでやりましょうか」

「ひとついいですか?」

「なんでしょう?」

「この材料なのですが、私が知っているミスリルとは違うように思えるのですが……」

「良く気づきましたね。これに使ったのはハイミスリルという物で、ミスリルとは見た目がさほど変わらないので区別が出来ない人の方が多いのですが……どうして分かったんですか?」

「込められている魔力量がかなり多いなって思いまして」

「なるほど、確かにハイミスリルはミスリルが長年魔力を溜め込む事によって出来る鉱物(こうぶつ)ですから、ハイミスリルは他の希少金属(きしょうきんぞく)と比べて貯蓄魔力量が少し多いんから希少なうえに存在をほとんど知られていないんですよね」

「なんでそんな物を持っているのですか……?」

「持っていたんじゃなくて、【創造】で創った物です」

「【創造】というのは便利ですね」

「そう思うでしょうが、【創造】は発動者が知らない物を創ることは不可能です。まあ、他にも制限はありますが、説明が少し面倒なので(はぶ)きます」

「とりあえず、これから戦闘訓練を始めます。まずはあの的をどれでも良いので攻撃してください」

「わかりました」


 杖を的に向け詠唱を唱える。


「【風集え、我が求は轟く風の渦、ウィンドトルネード】」


 【ウィンドトルネード】は確か帝級の広範囲風魔法だったな。うん、威力も申し分ないし的を正確に破壊するコントロール技術もある。伊達(だて)に宮廷魔術師団団長は名乗っていないという訳か。

 

「かなりの威力がありますね。これは少し予想外でした。私はこれを傷を付けられれば良い方だと思っていたのですよ?少し実力を甘く見ていたようです」

「私もなんだか普段よりも威力が出たように思えます。魔力量を少し多く注いだからかもしれませんね」

「実力が思ったよりもあったので訓練方法を少し変えます。なに、そんなに心配しなくても簡単ですから。それでは今から呼び出す魔物を2時間以内に倒して下さい」

「倒してしまっても良いんですか?」

「倒せるのでしたら倒してみてください。それじゃあ呼び出しますね。【闇よ集え、我が求は土塁の人形、アースゴーレム】」


 そこに現れたのは3メートルはある土でできたゴーレムが1体だった。


「これを2時間以内は無理ですよ!」

「今から2時間以内に倒す事が出来たら私の方からプレゼントをあげましょう。差し上げるのは、この精霊たちについて書かれた本です。ちなみにこの本はすでに共通言語に翻訳済みですので翻訳の手間は省けると思いますよ。あ、もちろん勝てたらの話ですけどね」

「倒せなければどうなるのですか?」

「普通の召喚魔法同様戻しますよ。それにあなたが危なくなったらちゃんと助けますので安心してください。それでは実戦式戦闘訓練始め!」

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