48話 ベルンガの過去
今日こそはやっと、国立大図書館に行けるな。
何かと最近は忙しくて行こうと思っても行けなかったからな。
そして、【テレポート】を使って近くまで転移した後、国立大図書館の中へと入った。
中には、司書がいて挨拶をしてくる。
「ようこそ、国立大図書館へ。失礼ですが、ここは貴族関係者以外立ち入り禁止のため身分を証明できる物はございませんか?」
「これで良いかな?」
ポケットに入れていたクラウディウス大公爵家のオリハルコンカードを司書に見せる。
「はい。確かに確認致しました。本日はどのような本をお求めでしょうか?」
「ベルンガ王国の史実の歴史書を見たいのだが」
「でしたら、そちらの扉を開けて左側1番奥から手前に3番目の棚に置いてあります」
「そうか。感謝する」
「仕事ですから」
早速、司書に言われた通りの棚を見ると確かにあった。やっぱり司書というのは凄いんだなと改めて実感した。
まずはこの国の建国から調べてみるか。
「これかな」
手に取った本を見てみると、ベルンガ建国譚という題名が魔法文字で書いてあった。保護魔法がかけられていて気付かなかったが、どうやら相当古い本のようだ。
内容は、ベルンガ王国の建国の歴史について。
建国は今からおよそ1万年程前のこと、初代国王の名はゼノム・フォン・ベルンガ。
彼は、幼い頃から文武の才に長けどちらにおいても負けなしと言われていた。
そして時は流れ、成人した彼は、まだこの国がベルンガ平原と呼ばれていた頃、突如として飛来してきた邪竜ヴァーロンを初代国王とその仲間だった4人の活躍によって邪竜ヴァーロンは討伐された。
そして、初代国王はその名誉を活用しベルンガ王国を建国。最初こそは小国ではあったが、徐々に国は大きくなっていった。
大体の内容はこんな感じだが、この頃ならドランクについて書かれていても不思議ではないんだがな。当時いったい何があったというんだ?
他にも歴史書を読んではみたが、そのほとんどはスターズに保管されている物と同じ内容だったが、1つ違ったのは、ドランクに関する本があったということだ。
それによると、異界からきた何種類かの悪魔のうち、特に力の強い人型の悪魔は自らをドランクと名乗ったという。
そのドランクは、かなり強く当時の兵器は魔力を用いた物が主流だったためにほぼ効果が薄く、英雄級の者達が何人もドランクとの戦いによって死んでいった。
そして、どこからともかく現れた黒ずくめの者達が苦戦しながらも次々とドランクを討伐していった。
うん。これに関してはスターズだろうな。この時代だとまだあまり強くなかったはずだからな。まあ、異世界人も混ざって戦ってはいたらしいが……。
今の内容はスターズの保管されている本にも載っていなかったな……。
一応この後もう一度本部の書庫に確認しに行くか。ハァー、あそこって申請やらなんやらいろいろと面倒だからあまり行きたくはないが、この国で活動していく以上、知らないわけにはいかないしな。
それからもいろいろと読んではみたが、それといったものは見つからなかった。
そして、読み終わった本を全て元の場所に戻してから大図書館から出た後、そのまま【テレポート】を使って本部まで転移をした。
本部の入り口でスターズの身分証を提示して中へと入り、そのまま施設局まで書庫の指定書物の閲覧許可証を提出するために向かった。
「シリウス様、こちらにいらっしゃるとは随分とお珍しいですね。それで本日はどのようなご用件でしょうか?」
「書庫の指定書物の閲覧許可証の発行及び提出をお願いしたいのだが」
「わかりました。すぐにご用意しますので少々お待ちください」
指定書物にもいくつか種類があり階級で閲覧制限がかかっているものもあれば、シャドウ評議会や五星使徒などの最高幹部や元帥から承諾を得ている者でなければ閲覧出来ない物もある。
まあ、そういった物の大抵は、厳重に保管されているうえに、その保管庫の扉の前には、特殊部隊用活動服を着て、さらにMP5と腰につけたホルスターには、SIG SAUER P226を装備した重武装の男が2人で警備している。因みに、そういった警備に就く大抵の階級は准尉である。
ただし、本当に重要な物が保管されている大宝物庫だけは、警備に就く階級が特尉と定められている。
「お待たせしました。こちらが、指定書物の閲覧許可証ですので、こちらに今日の日付と閲覧期間、コードネーム(氏名可)を記入して下さい」
確か今日の日付は、神聖歴3254年6月18日 水星の曜で、閲覧期間は5時間で氏名の欄はシリウスっと。
これで良いな。
「これで良いか?」
「はい、問題ありません。では、この内容で閲覧許可証を発行しますね」
発行が完了した後に書庫へと向かい、本を読み漁る。しかしながら、これといった収穫はなかった。
念のため1番奥の所も見ようと思い、許可証を見せて中へと入り、片っ端から調べてみたら興味深い物があった。
それは、ドランクが突如としてこの世界から消えてスターズが事後処理をする際に魔導航空機を使って、記憶処理薬を世界中に大量に散布したという。
その後、耐性を持っている者だったり特殊な結界に入っていなかった者は、やがてドランクの存在そのものを忘れていった。
そうしたことによってこの世界は今も尚、偽りの平和を保っているのだ。
だが、いずれは本当にドランクからこの世界の恐怖をなくすることが、私たちスターズの役目なのだから。
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