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異世界転生術師  作者: 青山春彦
第2章 新たなる始まり
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28話 書類とベルンガ支部

 【ストレージ】に書類(しょるい)を入れた封筒(ふうとう)を入れて、宋花(そうか)を出てベルンガ支部へ向かおうとしたらトリスが話しかけてきた。


「春人さん。もし良ければこの後依頼を受けませんか?」

「ごめん。この後予定(あとよてい)があって今日は依頼を受けられそうにないや。悪いが2人で受けてきてくれない」

「わかりました。予定があるのなら仕方ありませんね。では、私達だけで依頼を受けることにしますね」

「ああ、そうしてくれ」

「それじゃ私は行くね。【ゲート】」


 【ゲート】は無属性魔法のひとつで、【テレポート】との違いは、【ゲート】は術者の記憶(きおく)にある場所ならばその場所と今いる場所の空間(くうかん)と空間を(つな)げて行くという魔法である。


「行っちゃったね。お姉ちゃん」

「そうだね。じゃあたし達もギルドに行こ」

「そうだね」


 ベルンガ王国、王都マナフィアスの近くの木陰こかげへと【ゲートを】開いた。

 その後、道を行きながらスマホを右内ポケットから取り出して、あらかじめマップにピンを刺していた支部の場所を確認する。

 場所は、王都の平民街(へいみんがい)のある一軒(いっけん)の家である。

 だが、これはあくまでも偽造であり中にあるマットの下に地下にある支部の入り口へと(つな)がっている。

 もちろん表向(おもてむ)きには普通の平民の家なので住民はいるがそれはただの住民ではなく、支部の地上の門番みたいな役割(やくわり)を持ったやつが守っているだけだ。

 まぁ、それはともかく……。

 

「今回は前回と違って、ちゃんと身分証(みぶんしょう)もあるしスムーズに行けるだろう」


 そして門の行列に並ぶ。今回は前回よりも人が少ないな。


「次の人、身分証の提示をお願いします……。て、お久しぶりです。元気にしてましたか?」

「ええ、お陰様でね。そう言えば身分証だったね」


 身分証(ギルドカード)を見せた。


「はい。確かに確認しました。ところで今回はどのようなご用件で王都に?」

「ちょと仕事でね。今日中に終わる予定だから、それが終わったらすぐにベルンガに帰ろうと思ってる」

「泊まっていけば良いのでは?」

「そうしたいが、今はパーティを組んでいるからあまり長居(ながい)してしまうといろいろと迷惑がかかる可能性があるから泊まるのはまた、時間がある時にします」


 ふと後ろを見ると、早くしろと言わんばかりの目で見てくる。どうやら長く話しすぎたようだ。


「ではお気をつけて」

「仕事頑張ってください」


 そう言ってその人とは別れた。


《シエラ、悪いがベルンガ支部までの道案内を頼む》

承知(しょうち)しました。これより案内を開始します。この先2つ目の角を左です。続いて、3つ目の角を右です。続いて、そこの1つ目の角を右です。続いて……》


 そんなシエラの案内のもとベルンガ支部にたどり着くことができた。

 そして、その家のドアをコンコンと叩く。すると一人の女性が出てきた。


「はい。どちら様でしょうか?」


 私は左内ポケットからスターズの身分証を取り出して尋ねる。


「ここはベルンガ支部で間違いないか?」

「はい。どのようなご用件でしょうか?」

「支部長に用がある」

「至急、確認をしますので少しお待ちください。あ、申し訳ないのですが、待っている間に制服(せいふく)に着替えてお待ち下さい」

「ああ、そうさせてもらう」


 スターズ、ベルンガ支部地下4階にある秘書課(ひしょか)に電話が鳴る。電話が鳴ることはかなり珍しいことである。


『こちら秘書課です』

「地上警備の者です。支部長にお会いしたいという方がおられるため許可を願いたい」

『面会を求める方はどなたですか?』

「本部から支部長への重要書類を渡しにきたと言っており、その方は、五星使徒(ペンタグラム)の一柱である、五星使徒(ペンタグラム)第ニ席のシリウス様です」

『!? わかりました。至急支部長へ連絡をしますのでしばらくお待ちいただけるようにして下さい』

「了解」


 そしてすぐに、その連絡を支部長の秘書が慌てて支部長へと連絡をした。


「支部長、失礼します。シリウス様が重要書類を支部長へ届けに来たそうで、今地上にいてもらっておりますが、どうなさいますか」

「意外と早かったな。お通ししなさい。くれぐれも失礼のないようにしなさい」

「わかりました」


 許可が出たことを地上警備の者に伝えた


「支部長より許可が出ました。それと、くれぐれも失礼のないようにとのことです」

「もちろんですよ」


 そう言って通信を切った。


「許可が出ましたので、どうぞお入り下さい」


 私は、そのまま地下に入った。

 すると、また入り口があり、そこには二人の警備員がいた。


「お話しは伺っております。どうぞ。中で支部長の秘書がお待ちになっております」


 その二人は思ってたよりもスムーズに通してくれた。

 中に入ると、秘書と思わしき人物がいた。そして、その人に声をかけると……。


「支部長の秘書を務めております。ご案内しますので、ついて来て下さい」


 その秘書について行き、エレベーターで、支部長室のある地下5階まで降りる。ちなみに、この支部は地下五階まである。

 そして、エレベーターで降りて地下5階の支部長室まで向かう。

 支部長室に着き、秘書がドアをコンコンとノックをする。

 すると、中から「どうぞ」という声が聞こえてきたのでドアを開けて中に入る。


「本部からこのベルンガ支部にようこそいらっしゃいました。私は、このベルンガ支部の支部長を務めております、テツガ中将(ちゅうしょう)です」

「初めまして、テツガ中将。私は、本部から来た五星使徒(ペンタグラム)第二席のシリウス特佐だ」

「わざわざ最高幹部の五星使徒(ペンタグラム)、その第二席であらせられるシリウス様が直々にこちらまでいらっしゃるとは……。それだけその書類が厳重なのかがよくわかります。失礼ですが、書類を受け取ってもよろしいでしょうか?」

「ああ、そのために来たのですからね。今ストレージから出すから待っていてくれ」


 ストレージから例の封筒に入れまま書類をテツガ中将に手渡した。


「確かに、受け取りました。失礼ながら、この後ご予定はおありですか?」

「今日中に帰れる範囲のことであるのであれば大丈夫だが?」

「実は最近、この国の国王であるジーブック・フォン・ベルンガが何者(なにもの)かによって命を狙われています。その人物を調べてはいただけませんか?これに関しては今日中でなくとも近い内で構いませんので」

「わかりました。こちらで調べておきます」

「ありがとうございます。正直、候補が多く絞り込むのが困難な状態なのです」

「そのベルンガ国王はそれほどまでに命を狙われるほどなのか?」

「悪い意味で狙われているのではありません。シリウス様は、ご存じでしょうか?20年ほど前に建国された、このベルンガ王国の南にある新興国(しんこうこく)として建国されたバルハラン王国なのですが」

「バルハラン王国という国が建国されたというのは聞いているが、それがどうかしたのか?」

「その国なのですが、実は、獣人が(おさ)める国でありさらに、様々な人種(じんしゅ)が住まう国でありその国と同盟を結ぼうとしているベルンガ国王を目障(めざわ)りに思う、古い考えの貴族が国王を暗殺しようとしているという情報はわかったのですが、それが意外にも多くて」


 なるほどね、まだ、そんな考えを持つやつらがいるとはな。もう時代も時代だからかなりいなくなったとばかり思っていたのだが……。

 本来獣人とは、エンシェントヒューマンの上位種である、アルティメットヒューマンがその各動物の機能や能力を参考にして人語を話せるように姿を変えたのが獣人や亜人種(あじんしゅ)である。

 だからこそ、どの種族も長寿(ちょうじゅ)であり人間よりもどこかかしこ能力が高くなっている。

 本来ならヒューマン如きが獣人を奴隷(どれい)などにし、劣等種(れっとうしゅ)とするのはもってのほかなのである。

 それがいつしか、亜人種よりも純粋(じゅんすい)な人間の方が格上の存在となり亜人達は戦闘奴隷(せんとうどれい)などとして売買されるようになってしまった。

 まったく、困ったものだ。


「わかった。こちらでもできるだけ調べてみることにしましょう」

「ありがとうございます」

「私はもう用は済んだし、帰るよ」

「私の秘書が地上までお送りします」


 その後、支部長の秘書とともに地上へと戻り、地上に戻った後、その秘書はまた帰って行った。

 私も宋花(そうか)に戻るため私服(しふく)に戻った。


「それじゃ、私はこれで失礼するよ」

「はい。お疲れ様でした」


 このまま、直接転移魔法で帰っても良かったのだが、そうしてしまうとまた来た時に面倒なことになりかねないので普通にいつも通り、門から出ていつもの場所から転移して帰ることにした。

その方が何かと面倒なことも避けられるしね。

 そして、門から出た後にいつもの場所で例の場所へと転移し、アバリア……宋花へと戻った。

 戻ったのは、午後の8時過ぎだった。


「ただいま」

「あ、おかえり」

「お帰りなさい。春人さん」

「ああ、ただいま」

「それにしても随分(ずいぶん)と帰ってくるのが遅かったわね。どこに行ってたの?」

「ちょっと転移魔法で、買い物をしに行っててなかなか欲しかった物が見つからなくて、いろいろな店に行ってたりしてたら遅くなっちゃた」

「で、その探し物は見つかったの?」

「ああ、見つかったから帰ってきたんだがな」

「その探し物って何なの?」

「これだよ」


 そうアイリスに言って、【ストレージ】から二番目に愛用している刀を取り出した。


「それって確かイシュタリカの剣、ですよね?」

「こいつの名は、童子切安綱(どうじきりやすつな)という刀で、なんでも6人を輪切りにするだけでなく固定させていた台座(だいざ)までも切ってしまったらしい。まあ、六人と言っても遺体(いたい)だったらしいがな」

「良くもまぁ、そんな武器を買おうと思ったわねぇ」

「私も実際に試し切りをしてみたがかなりの切れ味だったから、過去の問題はともかくとして質はかなり高いのは間違いないよ。それにこいつについていた怨念(おんねん)だったりは、すべて(はら)っておいたからそもそもそういったものの心配は要らないから安心してくれ」

「……そういう問題ではないのですが」

(あきら)めなさい。トリス。きっと春人にこれ以上何を言っても多分無駄よ」

「そうだね」

「ヒナタさん。私の分の夕飯ってありますか?」

「ええ、ちゃんとあるわよ」

「ではお願いします」

「はいよ。温め直すからちょっと待っててね」

「わかりました」


 それから五分後……。


「はい、お待たせ」

「こんな時間にわざわざすみません」

「私は別に構わないわよ。だから、冷めないうちに食べてちょうだい」

「ではいただきます」


 そして、すぐに食べ終わってしまった。

 早食いは、昔からだからな。これは、もはや習慣(しゅうかん)みたいな感じになっているから、普通の食事の時はも任務の時みたくゆっくりと食べれれば良いんだけど。


「ご馳走様(ちそうさま)

「ねぇ、春人。明日は空いてる?」

「うん。明日は特に何もないよ」

「だったら明日ギルドに行って依頼受けに行かない」

「そうだね。それじゃ、明日の朝早くに行こうか」

「そうね。ギルドの依頼は争奪戦になることも多いから早めの方が良いのは確かね」

「明日は早いし私はもう寝るね」

「じゃあ、私達も寝ましょうか」

「そうね」


 自分達の部屋の前に着き、それぞれ……。


「おやすみ(なさい)」


 と言った後、各自の部屋に入った。

 机に置いてあるパソコンで今日も報告書の作成を終え本部に送信し、ベッドに横になった。

 ベルンガ国王の暗殺計画、か……。

 捜査する必要はあるだろうが、一体誰が狙っているんだ?

 獣人差別が多いのは上級貴族だ。この事から、ひどい獣人差別をおこなっている伯爵以上の階級の貴族となる。そこから絞り込んで調べればかなり縛られるはずだ。

 だが、この程度のことならば、既に支部でもやっているはずだから、それでもかなり多いということか。いや、上級貴族だから、か。

 とりあえず、今日はもう寝ようっと。

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