21話 敵地への出撃
「それでは、これより緊急会議を始める」
「まず、今回の件についての報告を」
「えー、今回ドランクがダンバタ砂漠の中央上空にて、空間の歪みが検出され、そこから測定した結果、1000を超えるドランクの音波信号を検出。そして、これほどまでの数は今までになく、これほどの侵攻があったとしたらおよそ7000年前、この世界に初めてドランクが侵攻し、古代の大魔法文明であるエスラント文明を滅ぼした時の数よりかは、少ないですが、今のこの世界でこれだけの数に対抗できるのはおそらく我々スターズくらいでしょう。報告は、これで以上です」
こんな多数のドランクの侵攻に対応するのは初めてだが、まあ、私を含めた全五星使徒とシャドウ評議会、そして幾つかの部隊が出撃すれば大丈夫だろう。
と、そう思っていたが、ソーラルがそんな私の考えている事を私が言う前に反対してきた。
「この作戦だが、元帥である春人だけは、現場に行かせるわけにはいかない」
「なぜだ!?なぜ、私だけ行ってはならないんだ!」
「当たり前だろうが!!スターズの最高司令長官で、元帥のお前が現場に行って、もし何かあったらどうするつもりだ。確かに、俺たちはお前の力を疑っているわけでもないし、この五星使徒の中で、俺と同等かそれ以上に強いのはもちろん知ってはいるが、万が一のことを考えて現場には五星使徒2人とシャドウ評議会3人の4人が現場に向かいその他は、ここで待機し、もしも他のところにも出現兆候があった場合には、そっちに向かってほしい……ていうか、なんで俺が指揮っているんだ?本来ならここは、春人が指揮る立場だろうが」
「いやいや、勝手に指揮り始めたのはソーラルでしょうに。まあ、とりあえず私が此処で指揮を取る。それで文句はないな?」
「ああ。こちらに異論は無い」
「それじゃあ、現場に行ってもらうのは、アリス、白夜、春奈、桜、ソーラルの5人のシャドウ部隊とシールズ総隊、その他にも本部の上級部隊とダンバタ砂漠付近の支部の機動総隊にも連絡し、現場に向かわせろ」
「げ、元帥。お待ち下さい。支部の機動総隊ではこの任務はあまりにも危険過ぎます。ここは、予備戦力として砂漠の人里辺りにも人員を配備するべきではないでしょうか?」
確かに支部の機動総隊では、危険過ぎるのはもちろんわかってはいるが、向こうの数だけはわかっていて戦力が分らない以上、今はとにかく少しでも戦力が必要だ。
「確かにお前の意見はもっともだ。だが今は、少しでも戦力が必要な状況なんだ。だからいろんな場所に配備する余裕は正直言ってない」
「それは、わかってはいますが……」
「言っておくが、此処の指揮官は私だ。これ以上作戦の妨をげするようなことを言うのであれば……わかっているな?」
「申し訳ありません!」
「これより各員に継ぐ、完全武装状態とし、万全の状態で、正面入り口前に集合しろ。といった感じでいいかな。では、今から大至急準備に取り掛かれ!!」
「は!!」
にしてもこれは、思っていた以上にまずいかもな。
もしかしたら今回の作戦は、私の予想以上に被害が出てしまう可能性があるな。
だが、少しでも民間人を守れるのならば、良いのかも知れないが……。
正面入り口前にて───
「それでは、君達には、これからダンバタ砂漠に出現したドランクの殲滅任務に行ってもらう。なお、今回の作戦は、大変危険を伴うし、死ぬかもしれない。だがしかし!私は、君達のことを信じる。これは命令だ!全員生きて此処に戻ってこい!!良いな!」
『は!勝利を御身に!!』
そして、ダンバタ砂漠へと出撃して行った。
ダンバタ砂漠、転移場所にて──
「これは!?………思っていた以上に酷い状況ですね……」
そこで、彼女達が見た光景は、ドランクが蔓延りながら周辺の魔物を殺し、その魔物の討伐依頼でここに来たのであろう冒険者だと思われる人間も無惨に殺され、それが町や村など人のいる所へとざっと見ても1000を超えるドランクが一斉に向かっているその光景は、まさに地獄絵図のような光景だった。
もし、あんなのが一気に襲ってきたら間違いなくその場所の人間は、一瞬で全滅することは、間違いないだろう。
そこにいたドランクは、今までスターズが戦ってきたドランクよりも大きいものもかなり混じっていた。
それもそのはず、今までスターズが戦ってきたのは下級ドランクつまりは、ドランクの下っ端であったのだ。
だが、今いるのは下級だけではなく中級ドランクの姿もありさらに、亀裂の中にはさらに大きなやつもいて、おそらくそれは上級ドランクである。
もしあれが出て来てしまったら想像をも絶するほどの被害が出ることだろう。
一方、その頃本部では。
「こちら本部。各部隊ならび総隊、無線が聞こえ次第、応答を願う」
『こちらシールズ総隊。現着。また、無線状態良好』
『こちらシャドウ部隊。現着。無線状態良好』
『こちらノーヴェラ総隊。現場。無線状態良好』
『こちらグレノンド王国支部機動総隊。同じく無線状態良好』
『こちらランス教国支部機動総隊。同じく無線状態良好』
よし、今のところはとくに何の問題もないみたいだな。
「状況を報告せよ」
『こちらシャドウ部隊のアリスロード。多数のドランクを視認。下級だけではなく中級も多数視認さらに、上級も亀裂にて出ようとしているのを一体視認。近くにいた魔物や人間を容赦なく殺しながらベルンガ王国、ノーヴェラ王国に向け分散しながら移動しているもよう』
「了解。総員、作戦を開始せよ!!」
作戦の開始直後に私が長い間、計画していたことが実現できる時が来た。
「失礼します。技術課の者です。元帥殿、例のものが完成致しました」
「おお!そうか、あれが完成したか!!それで今すぐに使えるか?」
「もちろんです。でなければ、このような緊急事態のときにこのような報告は致しません」
「春人?例のものとはいったいなんなんだ?」
そうか、そういえばまだ話していなかったな。
「もしかしたらこの作戦に大いに役立つかもしれない兵器だよ」
「私はその確認に行きたい」
「なりません。今指揮官が離れてはなりません。ここは、私が行きます」
「お前が行ったところで意味はない。あれは、私の世界で使われている搭乗型軍用航空兵器だ。お前が確認に行ったところでそれが良いのか悪いのかは、分らないだろ?だからこの中で唯一分かる私が行くと言っているんだが。この場の指揮官は一時的にイレルリカに任せようと思うが、良いか?」
「私はべつに構わないわよ。私的には、その兵器を見てみたかったけれどもこの場から指揮官がいなくなるのはまずいから私が代わりに指揮を取るけれども、これが終わったらそれを見せてちょうだい」
「ああ、わかったよ。終わったらな。ところで今はどこに置いてあるんだ?」
「は!格納庫に置いております」
「よし、わかった。それじゃ格納庫に急いで行くぞ」
私達は急いで格納庫へ向かった。
そして格納庫に到着すると、そこには、陸上自衛隊戦闘ヘリAH-64Dアパッチ・ロングボウが100機、CH-47JAが20機、AH-1Sが40機、CH-47Jが10機、F-2A/Bが4機が待機状態で格納庫の中にあった。
これだけあればかなりの戦力になるな。でもまだ問題がある。
それは……。
「ところでこれ、いったい誰が操縦するんだ?」
そう、その問題とは、これらの操縦士や中に入る戦闘員がほとんどいないという問題である。
他の戦闘員は皆、ドランクの方に行ってしまったし、さ〜てどうしたもんか……。
「あ!そうか。いないんなら創ればいいのか」
「創る?」
「【創造/自衛官/数2258】」
【創造】で2258人もの航空・陸上自衛官を創り出した。
「これだけの数を一瞬で創り出してしまうとはな。いやはや、相変わらずお前は規格外だな。だが今は、そんなことを言っていられる状況ではないな。ところで創り出したは良いが、こいつらちゃんと使えるんだろうな?」
「当たり前だろ?使えなければわざわざ、あんなに魔力を消費してまで創り出したりはしないよ」
「あれだけ創り出したんだ、いったいどれだけ魔力を消費したんだ?」
「そうだな。大体普通の人間、1000人分くらいかな。それに消費したのは魔力だけではなく、私が今まで溜め込んできた魂も人の自我を保つために使ったから大体、使った魂は、100〜200人くらいの魂を消費して作ったんだから、戦闘力も期待して良いと思う。それにこいつらには一緒に武器、防具は装備した状態で作っておいたから着替える必要もない。かなり便利だろ」
「わかった、わかったから。そろそろこいつらを向かわせたほうが良いんじゃないか?」
「そうだな。だが、こいつらにはまだ敵情報や場所も伝えていないから行けないんだよな。今すぐ準備して向かわせるから少しだけ待ってくれ」
「わかった。だが、早めに終わらせろよ」
「了解」
その後、敵情報や場所、作戦内容などをいろいろと教え込みいつでも出撃が出来る体制に整えた。
そして、全員が各機体に乗り込んだ後に指示を出した。
「これよりお前達には、敵地に向かい敵の殲滅任務に赴くにあたって、言っておきたいことがある。まず誤って仲間に誤射のないようにすること。そして、民間人の被害をこれ以上出さないこと。最後に出来るだけ多くの者が生きてここに戻ってくることを我々は願ってある。それでは、総員。出撃せよ!!」
こうして、スターズにある軍用機は全て敵地へと飛び立った。
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