172話 アルマー王国支部への配属と緊急事態
今回のお話は、春人視点ではなく、新しくアルマー王国支部へと配属となった、インディ中佐視点でのお話となっています。
私は、スターズ本部情報局特務課に所属する特殊諜報官だ。私が所属するこの部署は、かなり特殊な部署であり、その中でも私達特殊諜報官は、シャドウ評議会とほぼ同程度の発言権を有しているというのも特徴だ。更にこの特殊諜報官の中でも2人しかいない女性且つ特殊諜報総官でもあるのだ。
そんな私だが、来月の初めにアルマー王国支部の副支部長補佐官へと就任することが決まり、絶賛準備である。この人事異動というのは本来ならもう少し後なのだが、私自ら異動願いを出したことにより、そのままその異動願いが受理され着任することになったのだ。私の階級は中佐であり、向こうの副支部長の階級は大佐であることから、この副支部長補佐官という役職に就任することになったのにも個人的には納得がいっている。まあ、そんな感じで、私は準備を進めるのだった。
そしていよいよ、異動当日となった。慣れしんだ我が家を離れて暮らすことになるが、見送ってくれる人は誰もいない。母は長期任務のため不在で、父は私がまだ幼い頃に任務中に殉職している。
支部までは、王都付近まで転移魔法で向かい。そのまま城まで歩いて向かい、そしてシリウス少将と会う流れとなっている。
そうして、王都まで転移する。
アルマー王国の王都の門を通過しようと入国審査の列に並ぶ。そして、少し経ち列が進むと私は少しだけ驚いてしまう。なんせ、門番が装備している武装が、普通の門番なら槍のところ此処では、銃剣付きの小銃を装備し、全身フル装備の完全武装なのだ。まあ、ある意味此処でそういった武装を見れば、この国内で犯罪を犯そうとする者も減るのかもしれないとは思う。
そんな感想を抱きながらも、自分の番になったので、スターズ手帳(身分証)を開いて入国管理局職員に見せる。
「スターズの方ですね。それでは身分証をお預かりしてもよろしいでしょうか?」
「え?何で?」
職員がそう聞いて来たので、思わずそう返答した。
「専用の機器で本物か偽物かを調べるためです。検査はすぐに終わりますので、ご協力お願いします」
「分かりました」
そう言って、私はその職員に身分証を素直に渡すと、職員の座るテーブルの上に置かれていた機器の中に身分証を入れて、その機器を操作する。そして数秒が経過して、その装置が開いて、中から私の身分証が出て来た。職員は身分証を手に取ると、私にそのまま手渡した。
「身分証の確認が完了致しました。身分証が本物であり、指名手配等はされていませんでした。よって、入国を許可します」
「ありがと」
職員の許可に対して、私は一言だけそう言って王都の中へと入った。
王都の中へと入ると、所々に街の景観とは少し合わないような設備や建物なんかが存在している。それに警察官?と呼ばれる存在の制服を着た者達も何人か歩いていた。
私は、そんな街の景観を見たり、露店で少しだけ買い食いをした後、アルマー城へと向かった。
アルマー城の城門前には、2人の門番がいて、こっちは普通の騎士の武装で、銃器は一切装備していなかった。ただし、拘束用の縄がミスリル製の手錠になっていた。そして私は、その門番に身分証を見せる。
「失礼。私はスターズ本部からこちらのアルマー支部の副支部長補佐官となる者なのですが、通ることは可能でしょうか?」
「申し訳ありません。私達では判断が出来ませんので、確認をして来てもよろしいでしょうか?」
「構いません」
「ありがとうございます」
そう言ってその騎士は、城門の上にいる騎士に向かって、手で合図を送ると、跳ね橋を下ろすと、そのままアルマー城の中へと駆け足で入って行った。
「申し訳ありません。スターズの方がこの城門を使って城の中に入られる方というのがかなり少ないものでしたので、少し疑ってしまいまして……」
「そういう理由でしたら仕方ないかも知れませんね。なんせ、スターズのほとんどの者が転移魔法を使うことが出来ますし、仮に出来なかったとしても、魔道具を使って擬似的な転移魔法を発動させることが可能ですからね」
そんな会話をしていると、城の中からもうひとりの門番が走って戻って来た。
「お待たせしてしまい申し訳ありません。陛下からの許可を得ましたので、どうぞお入り下さい」
そう門番が言いって城門の中に入れてくれ、私が城門の内側に入ったのを確認すると、すぐに跳ね橋を上げた。そうして私は、アルマー城の城内へと入って行った。
アルマー城の城内に入ると1人の女性が立っていた。
そして、私が彼女に近づくと、その彼女が深々と一礼する。
「初めまして。私は、王宮警察本部本部長をしております、サラ・ドーベルと申します。貴女が本日より、アルマー支部の副支部長補佐官となられる方ですよね?」
「はい。本日よりアルマー支部副支部長補佐官に着任することとなりました。インディ中佐です」
「お話は伺っています。陛下より、貴女が到着次第、陛下の執務室へと案内するよう仰せつかっております。ですので、私について来て下さい」
そう言われて、私はそのまま彼女の後を着いて行く。
そしてしばらく歩くと、とある一室のドアの前で立ち止まり、コンコンコンとその扉をノックする。すると、部屋の中から「どうぞ」と言う声が聞こえ、その声が聞こえた瞬間、彼女はその扉を開けて室内へと入る。
「失礼致します、陛下。例の方がお見えになりました」
「良し、通せ」
その人物のその声の指示に従い、部屋の中へと入る。
「失礼します」
「よく来たな」
私が部屋の中に入ると、シリウス少将が机で書類仕事をしていたが、私が入るとすぐにそのペンを机の上に置く。
「君が新しく副支部長補佐官となる者だな?」
シリウス少将は、椅子から立ち上がって、机の前に来てそう私に質問をする。
「はい。本日よりスターズ本部情報局特務課より、アルマー王国支部副支部長補佐官に着任することになりました。インディと申します。階級は中佐です。以後、よろしくお願い致します」
私は、シリウス少将に聞かれた質問に対して、自己紹介という形で、質問に答えた。
「うむ。既に知っているだろうが、私の自己紹介もしておこうか。私はスターズ本部、五星使徒第2席兼シールズ名誉総隊長兼人事局監察課課長、コードネーム:シリウス。階級:少将。そして此処、アルマー王国国王の望月春人だ」
シリウス少将は私に対して、そう自己紹介をする。
「早速だが、此処の説明をするから私に着いて来てくれ」
私とその場にいた全員が、シリウス少将の指示に従い、大人しく着いて行く。
着いて行った先の扉の前には、第二会議室と書かれたプレートが取り付けられていた。そして、シリウス少将がその会議室の扉を開き中に入り、私達もそのまま会議室の中へと入った。
会議室の中へと入り、私達はシリウス少将が指定した席へと座った。そして、私達が座ったのと同時に、正面の壁から少し大きめ(80インチの8K液晶モニター)とそれぞれの席の前にテーブルの下から正面にあるよりも小さめ(23インチの8K液晶モニター)が現れた。
モニターが表示されるのと同時にこの支部についての説明が始まった。
「それじゃあ、このアルマー王国支部についての説明を行う。まず、今表示されているのは、現在のスターズの組織図だ。そして、この図を見て分かる通り、ほとんどの国にスターズの支部が存在している。この支部のほとんどは、同格の存在となっているが、ここを見て分かる通り、このアルマー王国支部だけが支部の枠組みから外れているだろ?これは、このアルマー王国支部がスターズから独立しているからなんだ」
「ちょっと待って下さい!」
シリウス少将が、独立したと言ったタイミングで、私は勢いよく手を挙げる。
「なんだ?」
勢いよく手を挙げた私に対して、シリウス少将はそう私に聞く。
「先程シリウス少将は、このアルマー王国支部が独立した存在だとおっしゃいましたよね?」
「ああ、そうだ」
「スターズ本部でも独立した支部などの話は一切聞いたことがありません!それに対しての返答を求めます!」
「その答えに関しては、至って単純だ。まずこの支部の構成員がどのような者達かを思い出してみると良い」
私は、言われた通りに考えてみる。そしてあることを思い出した。
「この支部に所属する部隊員はすべて、シリウス少将直属特殊部隊のひとつである『暗黒群』の隊員ということでしょうか?」
「どうやら気付いたようだな。そう、この支部は、私の直属の部隊で構成されている支部。だからこそ、申請をすることによって、本部とは独立した指揮系統を保持することができるって訳だ。だが、インディ中佐が本当に聞きたいのは今の話ではないだろ?」
「はい。おっしゃる通りです」
「では、インディ中佐が本当に聞きたいと思うであろうことを今から説明しよう。どうして独立していると明かさないのか。その答えは至って単純だ。それは、我々だけが独立した存在だと明かせば、スターズとは別な組織なのかと疑われる恐れがある。まあ、簡単に言えば、スターズの組織内では独立した存在だが、スターズ組織の一部であることには変わりないため、命令が来る場合はあるが、その可能性はほぼほぼないと言っても良いだろう」
「何故ですか?」
私は、率直な疑問をシリウス少将に投げ掛ける。
「私が五星使徒だからだ。そんな私に命令ができる人物は非常に限られる。だからこそ、この支部は独立することができたって訳だ」
私の疑問に対して、シリウス少将は、私が思ってたよりも丁寧に教えてくれた。
「では次の話をしよう」
シリウス少将がそう言うと、モニターの画面が変わり、今度はこの国の組織図が映し出された。
「この組織図は、この国の大まかな組織図となる。まずこの全部に対しての指揮・命令権があるのは、国王である私となり、他の王族には、限定的な指揮・命令権が与えられている。だが、この限定などの命令を覆せる王族のみが発することができる命令が『王族令』だ。この『王族令』は、普通の命令とは違い、この国内においては最高峰の命令となる。だからこそ、気軽にこの『王族令』が使用できないようにし、この『王族令』の発令後、その『王族令』の使用が適正であったかを後日、他の王族および最高裁判所の裁判官によって判断されることとなる」
でもその理屈だと……。
「その『王族令』の話だと、同じタイミングで違う王族がその人物の発する『王族令』とはまったく逆の命令を出した場合は、どうなるのですか?」
「良い質問だな。その場合だと王族としての権限が上の方が優先となる。ただし、上よりも下の命令方が良いと判断された場合は、下の者の方が優先となる場合もある。まあ、つまりは、この国に所属する君にもこの『王族令』に従う義務が生じるということだけ覚えておけば良い。まあ、現段階で、この『王族令』を出せるのは、この城の中では私だけだがな」
「そうなのですか?」
私は思わずそう言ってしまった。なんせ現在、シリウス少将には、9人の婚約者がいる。その9人にも『王族令』が既に与えられていると勝手に思っていたからだ。
「残念ながら、彼女達は現段階では、私の婚約者という立場でしかない。実質的な王族ではあるが、正式な婚姻を結んでいる訳ではないから、王族のみが発することができる『王族令』の発令権は、彼女達にはないんだよ。だから、彼女達が発することができるのは、通常の命令のみになる」
彼女達には、シリウス少将ほどの命令権はないということか。
「あ、ひとつ聞こうと思っていたことがあるのですが、婚約者様方は、私達に対しての命令権は、現在持っているのでしょうか?」
「ん〜と、そこら辺に関しては、あやふやなんだよね」
「それはどうしてですか?」
「それはだな、彼女達は一応スターズの幹部として所属しており、そのほとんどは、この支部に籍を置いている。立場的には、本部からの派遣という扱いにはなっているが、ほとんど此処の所属だな。でも、彼女達の中で、インディ中佐よりも権限を持っているとしたら、アイリス・トリス・信女・トワの4人以外だな。役職が特別警務官や私付きの特別補佐官だったり、同じく私付きの特別医官だったりするからだ。まあ、更に言えば特別補佐官であるトワと特別医官であるエイルの2人が支部長よりも権限を持った存在となっている」
その2人については、以前に調べたことがある。
【エイル・アレーネ】……宗教ギルド歴代最年少の聖女であり、枢機卿級宗教ギルド職員。そして、神級魔術師の中でも数少ない死者蘇生が可能な、回復系最高峰の『治癒の魔術師』である。
【トワ・ゼンフォート】……アセドライン商会商会長の1人娘。予備構成員(予備大佐)としてスターズに所属したが、帝国反乱事件での功績により、正式にスターズ職員として所属するのと同時に、階級が予備大佐から特佐へと昇進した。
これがその2人の主な内容だったはず。まあ、この2人の命令の方が優先権が上とだけ覚えておけば良いか。
「まあ、この国の組織図なども、説明しておきたいところはあるが、時間の都合上、説明をすることが難しいから、悪いんだが、後で資料を作って渡すから、時間がある時にでも読んで、徐々にでも良いから覚えてくれ」
「はい、分かりました」
その後も、シリウス少将による説明というよりか、簡易研修?のようなものを受けた。
「とまあ、これまで話したのが、これから所属することになる『暗黒群』とこの国の大まかな組織体制についての説明となる。質問はあるか?」
シリウス少将が最後に、私にそう聞いたがある程度のことは理解ができたし、後は実際に仕事をした方が覚えやすいと思い、この場で質問をすることはなかった。
「どうやら質問はなさそうだな。あ、そうだサラ。王城内の警備システムのアップデートがあるだろ?」
「はい。確かに来週、王城内の一階の警備システムのアップデートがあります」
「その警備システムのアップデートに関して、そのアップデートによるメリット・デメリットの調査。また、そのアップデートが与える影響についての調査も頼む」
「分かりました。警備企画課と技術課とともに調査を行います」
「できれば、この後すぐに頼む」
「この後ですか?ですが、そうすると、インディ中佐の案内は誰が行うのですか?」
「それに関しては、既に手配してあるから問題ない。王都などの案内は、彼らに頼んである。あ、案内を頼んだのは2人だ。1人は近衛騎士団の者で、もう1人は、王国騎士団の者だ。それでだ。その王国騎士団の者は、人間ではなく、アラクネという種族の女性だ。アラクネは、スターズにもいなかったから最初はその姿に驚くかもしれないが、あまり顔には出さないでやってほしい」
アラクネか。確か下半身が蜘蛛の魔族だったはず。確かにスターズにはいなかった種族だから、シリウス少将が前もって言うのも、少しは分かる。
「では、今からその2人を紹介しよう。おい、入って来てくれ」
シリウス少将が、ドアの方に向かって、そう言うと、ドアが開き、その開いたドアからその2人が入って来た。
「この2人がインディ中佐の案内担当をしてくれる物達だ。それじゃあ紹介しよう。まず、彼が近衛騎士団副団長のローレンスだ」
「近衛騎士団副団長のローレンスです。よろしくお願いします」
「ちなみに彼は、元Bランク冒険者で、私の元弟子のひとりだ。そして次に、彼女が王国騎士団第6師団師団長のアルシェだ」
「王国騎士団第6師団師団長のアルシェです。よろしくお願いします」
「彼女は、元冒険者ギルド、ズハルレイユ魔界国支部のBランク冒険者だ。Bランクと言っても、Aランクに上がる少し前に引退してこの騎士団に入っている」
シリウス少将がその2人について紹介をする。どうやらこの2人は、この国に所属する前は、冒険者ギルドの高位ランクの冒険者だったようだ。恐らくだが、騎士団(近衛・王国)の中には、この2人のような元上位冒険者やそれに近い実力者なんかがいるのだろう。
「そんな訳で、この2人に任せているから、後は頼んだぞ」
「「は!」」
シリウス少将の言葉に対して、敬礼をしながらそう返すと、シリウス少将は、私を執務室まで案内してくれた彼女を連れて、部屋を出て行った。
そして、2人が私の方へと近づく。
「それでは、ここからは、我々が案内させていただきます」
「よろしくお願いします。ローレンス近衛騎士副団長、アルシェ王国騎士団第6師団長」
「呼びにくそうですので、私のことは、近衛副団長で構いませんよ」
「でしたら私は、師団長で構いません」
「では、ローレンス近衛副団長とアルシェ師団長と呼ばせていただきますね」
まあ、正直言って呼びにくかったのは、合っていたので、呼び方を変えさせてくれたのは、正直助かった。
「それでは、最初に城内の方から案内させていただきます」
「はい、お願いします」
そんな訳で私達は、この会議室を退室し、私は、ローレンス近衛副団長とアルシェ師団長の後ろをついて行った。
「ところで、今は何処に向かわれているのですか?」
「とりあえず今は、宮廷医務室へ向かっています。怪我や病気をした場合には、すぐに治療をしてくれる場所となりますので」
そのまま宮廷医務室へと向かい、着くと、宮廷医務室の扉を開けて中へと入る。
「失礼しますって、どういう状況ですか……これ?」
「ローレンスさん。丁度良いところに!」
「それよりもこの状況を説明してもらえませんか?淡雪殿、悠殿」
部屋の中に居る宮廷医師の名であろう2人の名前をローレンス近衛副団長が口にする。
ちなみにだが、室内がどうなっているのかというと、鎧を脱がされた王国騎士団の団員が数名、設置されているベッドと、急遽、用意したような感じのベッドに寝かされていて、その数はざっと、30人程だろうか。
「少し前に王国騎士団第3師団が雪奈の指導の下、山岳訓練を行っていたのですが、そのときに現れた人の見た目をした存在に襲われ、この有様です」
「もう既に討伐なされたのですか?」
気になっていたことを、アルシェ師団長が聞いてくれた。
「いいえ。第3師団を逃すために雪奈が囮となり、現在も交戦しています」
「それでは早く助けに行かなくては!!」
「ですので、主……春人様にこのことを伝えなければならないのです!」
「それでは、他の騎士団や警察等ではダメなのですか?」
「今回に関しては、まず、騎士団では死人が出てしまう危険性がかなり高いですね。雪奈が騎士のひとりに託したメモを見た限り、春人様でなければ難しいかもしれません。ですので、どうかこのメモを急いで春人様に渡してください!」
彼女は、そう言ってそのメモをローレンス近衛副団長に渡した。
「インディ殿。申し訳ありませんが、案内は少し遅くなります」
そう言って、ローレンス近衛副団長とアルシェ師団長は、走ってシリウス少将のところまで向かって行き、私もそのあとに続いて走って向かった。
「ローレンス近衛副団長。そのメモには、なんて書かれているんですか?」
アルシェ師団長が走りながらローレンス近衛副団長にそう尋ねる。
「このメモを見る限り、樹木子が20、土蜘蛛が1と書かれていますね」
「“じゅぼっこ”に“つちぐも”ですか……どれも聞いたことのない魔物ですね」
実際この2種類の魔物?については見たこともなければ、その存在すらも聞いたことのないものだった。
そんな訳で、シリウス少将の執務室まで着くと、ローレンス近衛副団長がノックを素早く3回した後に、中からの許可を得ずに、すぐさま扉を開けて、執務室の中へと入った。そしてそれに釣られて、私達もそのまま執務室へと入った。
「陛下!失礼します!!」
「そんなに急いで何のようだ?」
シリウス少将にそう聞かれたローレンス近衛副団長は、さっきまでの内容を伝えるのだった。
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