17話 子供達との模擬戦その3
誤って投稿用のデータを消去してしまい投稿がかなり遅れてしまいました。
「さてと、最後は桜の番だな」
「はい。準備は既に完了していますよ」
そう言って桜は、銃をストレージから取り出す。
この銃は、スプリングフィールド・アーモリー社が販売しているスプリングフィールドXDをモデルにしており、私が改造し本来よりもかなり威力や命中率を上げてしまったため、もう違う種類の銃になっているかもしれないがな。
「両者共に良いですね?それでは、はじめ!!」
アリスのその合図をした瞬間桜の姿は見えなくなった。
まぁそれでも私やアリスその他では、今いる五星使徒やシャドウ評議会の見学者や上位幹部にはその姿は見えてはいるが、しっかりと目で追えているのは五星使徒や一部のシャドウ評議会の奴ぐらいだろうな。
この魔力反応は……なるほど。【ブースト】を使ったか。
「面白い。だが、そのスピードではバレバレだぞ。もっとスピードを上げろ!……遅い!もっとだ。もっと上げろ!!」
そろそろ私も攻めの方に転じるか。
【ブースト】をかけそして【ビルドアップ】さらに……。
「『雷電の術式、雷電足の術』」
これくらいの速さは身につけてもらいたいものだ。
お互い既にとてつもないスピードを出してはいるが、異世界人相手にはこの速さも無駄となる場合の方が多い。私もその例だしな。
「異世界人相手には常識というものが通用しないといつも言っているだろうが。それに私よりも強いヤツもそれなりにいる。例え模擬戦であったとしても全力の力を持って相手をしろと言っているだろうが。せっかくお父さんという対異世界人戦闘の訓練ができる存在があるというのにそれをを無駄にするな」
「はい、申し訳ありません。お父様」
「分かれば良いんだ。それじゃあ、改めて行くぞ!」
桜は、短剣を思いっきり投げつけてきた。
ヤケ糞か?とも思ったが、今言ったばかりでそれはないと思ったしそれに桜はそんな攻撃の仕方はしないことはわかっていたので違うというのはすぐにわかりそう思った瞬間、その短剣の持ち手に魔力糸のような物が見えすぐに避けた。
私も短剣を使い、その桜の短剣を勢いよく飛ばし一気に桜に近づくと待っていたと言わんばかりにほくそ笑みまずいと思い後退する。下がり、地面を踏もうとしていた近くを見てみるとトラップがいつの間にか仕掛けられており、おそらく話していたときにでも仕掛けていたのか。
自分であんなに言っておいて、油断をしていたのは私の方ではないか。
まったく、情け無い話だな。
このトラップに使った魔法はおそらく火属性の精霊級魔法【フレアトルネード】だろう。
「あんなトラップを仕掛けていたとな。流石だな」
「ありがとうございます」
《シエラ、【アンチマテリアルフィールド】を発動させてくれ》
《了解。これより【アンチマテリアルフィールド】を発動開始。これにより対戦している望月桜を含めこの場にいる者は全て魔法の使用が不可能となりました。ただしマスターのみ使用可能となります》
《上出来だ。ありがとなシエラ》
《礼には及びません。私はマスターのアシスタントスキルですので、これくらいは当然のことです》
この張られた結界魔法が気になるようだな。
そりゃあ当然か。これは私、正確に言うとシエラが創ったオリジナルの結界魔法だからな。
桜も魔法が使えなくて戸惑っているな。
油断をするなっていつも言っているだろうに、まったく……魔法術式展開、水属性の亜神級魔法【アクアトルネードバースト】を発動させる。
だがこれは本来の威力の100分の1程度の威力しか入れてはいない。
どうやらなんとか無事に避けられたようで良かったよ。
流石に威力をかなり弱めているとは言えかなりの威力があるからなぁ。
当たるとかなりヤバいことになるが桜くらいならばなんとかなるから大丈夫だろう。
………多分。
「いったいどうなって。この結界はいったい、それになんで私が魔法を発動出来なくてお父様だけ魔法を発動出来るのですか!」
「面倒だから説明しておこう。この結界は【アンチマテリアルフィールド】という魔法無効結界の一種でこの前なんとなく創っておいた亜神級魔法だ」
「亜神級魔法をなんとなくで創るのは絶対におかしいですよ!」
「そうなのか?まぁ、創ってしまったんだからそれで納得してくれ」
「はぁ、こういうところがたまにあるんだよなぁ異世界人って」
「酷くない?まぁ、なんて言おうとべつに良いけどさ」
「今度は、私の番……ですね!」
そう易々とやられるわけないだろうが。
しかも娘に負けるとならば私の父親としてのプライドが傷つくが子供達の中で一番実力があるのは桜だ。だが、まだ負けてやるわけにはいかないんだよなぁ。
そう一人思っていると【ストレージ】にスプリングフィールドXDをしまうと同時に私が作って桜の誕生日プレゼントに送った銃(娘の誕生日プレゼントに銃をプレゼントするのはかなりおかしいとは思うが、それは置いといて)とさらに軍用ナイフを取り出し、銃に取り付ける。
「行くよ。ドラナーブ」
桜の愛銃ドラナーブは、ナイフを取り付けられるようにしさらに空間拡張魔法の応用を刻印魔法に刻印して、銃に専用のボタンを付けて一つは、伸ばすことでブレードモードに変形し、もう一つは縮めガンモードに変形するためのボタンである。
ブレードモードにしたドラナーブで斬りかかりに来て、すぐさま避け私が斬りかかりに行くとガンモードに切り替え撃ってくるがそれを刀全て切り捨てた。
これくらいならば白夜なんかも普通に出来るんだかな。
「桜、今回もお父さんの勝ちだ」
私は、そのまま桜の背後まで回り込みホルスターから取り出したSFP9を桜のこめかみに突きつけた。
「また負けてしまいましたね。ところで昔から聞こうと思っていたのですが、こちらの世界に来るまでのお父様はいったい何をしていらしたのですか?」
「それはだな。話すと少し長くなるけども良いか?」
「私から聞いたのですからもちろん構いませんよ」
「なら良いんだが、そんなに面白い話しではないんだが
なぁ。つまらなくても文句は言うなよ」
「それくらいわかっていますから。お話しをお願いします」
「ああ、わかったよ」
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