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異世界転生術師  作者: 青山春彦
第1章 スターズ
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16話 子供達との模擬戦その2

 えーと、次の相手はどっちなのかな?

 よし。来ないなら私が勝手に決めさせてもらおうかな。


「じゃ春奈、やるぞ」

「わかりました。お父様」


 春奈の得意な攻撃は先程の白夜とは違い銃をメインとした戦い方である。

 簡単に言うと、春奈は近距離攻撃型(きんきょりこうげきがた)ではなく狙撃などの後方からの攻撃を得意としている遠距離攻撃型(えんきょりこうげきがた)である。なら何故、春奈も一緒に苦手と本来の戦い方と違う近距離攻撃の練習をするのかというと、もし敵に攻められ近距離での戦闘となった時の対策としてこういった練習もしている。

 もちろん模擬戦(もぎせん)のため、銃の弾丸(だんがん)実弾(じつだん)ではなく怪我(けが)をしにくいゴム(だん)ではあるが当たれば当然痛いし、下手をすれば骨折(こっせつ)をしてしまうかもしれないため当たらないようにしなければならない。

 私の銃もゴム弾に入れ替え模擬戦を開始する。

 

「両者共に良いですね?それでは、はじめ!!」


 春奈は、私から距離をとり何発か放った。

 私は、そのゴム弾を全て刀を使って切ったり反射させた。

 ちなみにこのゴム弾の速度はおよそ秒速100〜200mほどありかなり速いのだが、私にとっては遅いんだかな。


「クッ、そんなのありですか!?」

「何を腑抜(ふぬ)けたことを言うか!世界の常識なんて忘れろ!!異世界人に世界の常識なんてものは通用しない。それぞれの世界によって常識というのは変わってくるもんだ。特に強さや学力などはな」

「流石は元異世界人ですね。言うことが違いますね。お父様!」

「【(ほのう)よ来たれ、我が求めしは地獄の業火(ごうか)、インフェルノ】」


 ここでその魔法を撃ってくるか。しかもこれは火属性の精霊級魔法、【インフェルノ】だな。

 確かに魔法は禁止にはしていないが……。

 春奈は今の段階では精霊級魔法が限界だ。春奈……どうやら本気のようだな。なら、私も少し防御だけでなく攻めるとするか。

 流石に私が本気を出したらこの訓練所だけでなく、この本部ごと破壊しかねないからな。

 【ファイヤーボール】を春奈に放つ。

 【ファイヤーボール】には種類があり、今放ったのは何発も出るバージョンでもう一つは、【ファイアーボール】と一回に一発しか出ないのもあり最初に言った方が魔力の消費は一発のやつに比べたら多い。

 まぁ、魔力がほぼ無限にある私にとってはなんの問題もないがな。


「む、無詠唱!これでは勝ち目がないですね。どちらにしてもお父様相手に私に勝ち目があるとはとてもおもえませんが」


 そう言いながら春奈は【ファイヤーボール】を華麗(かれい)に避け、一瞬で姿を消した。いや、姿を消したのではなく正確には魔法を使って走る速度を上げ見えなくなっているだけだが、春奈が使っているのは無属性魔法の中の身体強化魔法の【ブースト】である。

 さらに、光属性の魔法の【サンダー】の威力を極限まで少なくし、足に微弱(びじゃく)な電流を流して素早(すばや)くしている。

 まぁ、私にはそんなこと関係ないんだけどね。


「『雷電の術式、雷電足の術』」


 そして【ブースト】をさらにかけ、そのブーストの二乗をして春奈よりも速さを上回った。

 他から見れば、私達の動きなんて一切わからないだろう。

 ほ〜ら、みんなどこにいるのかわからん様子でまったく違う方向を見ているヤツもいるよ。

 でも、アリスとか一部の上位階級のヤツや他のシャドウメンバーは普通に目で追いついているな。

 うおっと、こっちにも集中しないとな。


「今日こそは、お父様に一本取らせていただきます!」

「面白い。この状況から私に一本取ろうとは……さぁ、お父さんから一本取ってみよ!!」


 私に一瞬で近づいた春奈が隠し持っていた短剣で私を刺そうとする。

 私はその短剣を避けた。この勢い、避けてなけりゃ刺さってたな。

 ん?なんだ、今のは糸……!?まずい!!

 すぐさま避けたおかげでなんとか傷を負わずに済んだな。

 にしても春奈のやつ考えたな。

 短剣をかわされた後、瞬時に魔力で見つかりにくい細い魔力の糸を生成しその後に短剣の持ち手に巻き付けてさらに、魔力操作で背後から私を刺せるようにするとはな。

 この前の模擬戦に比べたら随分と良くなったな。

 そして、避けた後その短剣の魔力糸を切って短剣を持ち、【ブースト】を全開にし春奈の背後(はいご)に回り込みながらその喉元(のどもと)に短剣を突きつける。


「さ、この状況からどう逃げ出す?」

「逃げ出すのは、私には難しそうです。降参します」

「春奈の降参宣言(こうさんせんげん)を確認。よって、この模擬戦は春人さんの勝ちとします」


 こんなにあっさりと降参宣言をされては困るな。


「春奈。そんなすぐに降参を宣言するのはやめろ。確かにあの状況では、春奈の場合、あれは殺されてもおかしくはなかったかもしれない。だが、少しは考えるということもそろ。

まぁ、今の春奈の実力なら並大抵(なみたいてい)のヤツには負けないだろうが絶対に油断だけはするな。だが、前回の模擬戦の時に比べたらかなり戦法は良くなっているぞ。特にさっきの短剣に魔力糸を瞬時(しゅんじ)に巻き付けて魔力操作でお父さんを刺しに来たのには流石のお父さんもヒヤッとしたよ。でも一つ気になったことがあってね。なんであの時お父さんが作った剣銃(けんじゅう)ダグナースを使わなかったんだ?」

「それはですね。その……忘れていました」

「なるほど。短剣と剣銃の両方を使えばもっと良い戦いに

なったと思うぞ」

「なるほど、流石はお父様です。的確なご指導ありがとうございます」

「なに、自分の子供を強く育てたいと思うのは親として当然のことだよ。それに自分の子供が簡単に死なれたら悲しいしね」


 自分の子供が練度不足のせいで死んでしまうというのはあまりにも悲しい事だ。

 だからこそ私は、子供達にそんな未来を見せたくはないし下手をすると遺体(いたい)すら戻ってくることはない。

 そんなのは絶対にごめんだ。

 さてと、最後の相手は桜だな。この前の模擬戦の時よりどれだけ成長したのか楽しみだな。

『良かった』、『続きが気になる』などと思っていただけたのなら、評価やブックマークをしてくださると、嬉しいです。投稿日時はバラバラですがどうぞよろしくお願いします。

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