159話 ウルメリア新王即位式作戦、決行
作戦当日の朝、私達は、食事をしていたのだが、作戦参加メンバーには、若干の緊張が見られた。まあ、作戦経験があるわけではないし、そこら辺は仕方がないのかもしれないな。
朝食を済ませた後は、各々作戦準備をしている。私の場合は、現地にいる“暗黒群”や“シールズ”に連絡をしたりしていた。
ウルメリア城内部の担当部隊は、全員既に配置に着いている。
そうこうしていると、出発の時間となった。
「今回の作戦について、昨日言っていなかったことも含めて説明を行う。まず、各配置は昨日の作戦計画書に書かれた配置場所と変わらない。だが私達は、即位式が始まる前に謁見の間に入り、合図が出るまで待機する。ここまでで何か質問はある?」
「春人様。作戦に関する質問ではないのですが、よろしいですか?」
「どうかしたの?」
「なんでスターズの制服を着る必要があるのですか?」
トワからそのような質問をされた。まあ、普通は制服を着る必要なんてないからそう思っても仕方ないか。でも、トワの場合はスターズの制服ではなく、国際警察の制服なんだけども。
「制服を着てもらったのには意味がある。スターズが組織であることを理解してもらうということだ。この前のヴァース帝国反乱事件の際に、スターズの存在を公表しているが、それでもスターズがどのような組織であり、どれだけ影響力のある組織であるのかを理解していない者達も多い。だからこの際にスターズおよび国際警察の存在の認知とこの二大組織を敵に回す恐ろしさを見せつけようと思ったんだ。まあ、こんなことを言われても分からないだろうし、説明としては納得してくれないだろうから、もっと分かりやすく説明をすると、トワ以外はスターズの制服を着用しているよね」
「ええ」
「これは、君達がスターズ職員であることを証明することだ。そして、トワは国際警察の制服だが、制服の特徴からどう見てもただの警察官ではないことは分かるはずだ」
トワの制服の見た目は、日本の警察官の服制に関する規則第4条第1項にある警察庁長官(警視総監)の制服が同じだが、色は紺色ではなく、完全なる黒色である。更に制帽の帯章は金線三本、帽章は国際警察のエンブレムになっており、本来の帽章には金モールを使うが、トワなどの極限られた官僚のみ金モールではなく糸状にしたオリハルコンで縫われている。更に制服の上には桜柄のミリタリーマントコートがある。
「もう時間がないから説明はここまでだ。それじゃあ行くぞ。とその前に【インビジブル】をやっておかないとな」
【インビジブル】を全員にかけ終わり、次なや【ゲート】でウルメリア城へと向かう。
「【ゲート】」
【ゲート】をウルメリア城内に開き、中へと入る。
ウルメリア城内部へと入ると、【インビジブル】を使って姿を隠している者達が既に配置に着いていた。どうやら謁見の間の外は、問題はないようだったので、私達は謁見の間へと入った。
開始時刻までまだ時間があったため、誰一人として、謁見の間にはいなかった。だが、それはあくまでも見える範囲での話であり、実際には、両壁側全体に“シールズ”第一大隊第一中隊の精鋭100人が一列に並んでいる。
「“シールズ”第一大隊第一中隊長のパトリック大尉は居るか?」
「ここに」
「現在の状況を報告せよ」
「現在、我々は作戦通り【インビジブル】にて両側に配置が完了。合図があり次第、いつでも【インビジブル】を解除し、作戦を行うことが可能です」
「そうか。では、引き続き頼む」
「はっ」
一言そう短く言うと、彼は再び【インビジブル】を発動させ、姿を消した。
すると突然、スマホからメールが届く。それはスターズ本部からのものだった。その内容は次の通りである。
『ウルメリア王国での作戦行動中の各員へ通達。
サフラン・ハイス・ウルメリア、フィリップス・ハイス・ウルメリア、エドモンド・ダークリーの3人の射殺を許可する。ただし、ウルメリア王国領海に待機中の第一艦隊および国際警察海上警備隊の戦闘は極力回避されたし。また、サフラン・ハイス・ウルメリアとエドモンド・ダークリーの両名の不審な動きも確認されているため、十分に注意せよ。
スターズ本部「作戦局・情報局」「五星使徒第3席特将アルケナー」』
といった内容のメールが、作戦行動中の全員に一斉送信されていた。
その動きと今この城に漂っている嫌な気配が関係していなければいいのだが……。
廊下の方から複数の人間の足音が聞こえてきた。数や足音の感じからして騎士団の人間だろう。
そうしてスマホの時間を見てみると、作戦時間となっていた。
「私達も部屋の端に移動して【フラウト】と気配遮断で身を潜めるぞ」
私達は、予定通り謁見の間の端に移動して身を潜める。そしてその数分後くらいしてから続々と謁見の間へと入ってくる。どれもこの国の貴族達である。その貴族達が整列が完了し、しばらくすると、謁見の間の右奥の扉から宰相のエドモンドが入室する。
「国王陛下が御成です」
それから数分後に伝令役の兵の声とともに、ウルメリア王とサフランが部屋へと入室し、ウルメリア王が正面から見て右の玉座に座り、反対側の王座にサフランが座った。
「皆、忙しいところこの場に集まってくれたこと嬉しく思う。皆に集まってもらったのは他でもない。私はそろそろ我が息子に王位を譲り、退位しようと考えている」
ウルメリア王の言葉にその場にいた貴族全員がざわつき始める。このようなことを言われれば当然の反応だろう。
「この場をもって私の次のウルメリア王国国王を発表したいと思う。私はその息子に対して、ウルメリア国王としてのいや、私が持つすべての権限を譲渡し、王位を退く。そしてそのウルメリア王国国王は、ウルメリア王国第一王子……」
それにしても国王としてではなく、自分が保有する権限をすべて譲渡するとは大きく出たものだな。譲渡するということは、自分は完全にこの国の王族をから身を引くと言っているのと同義だ。それは、王族としての権限を一切持たないということを表している。なかなかできることではないな。
そして、そのウルメリア王の言葉を聞いた貴族達の視線がフィリップスに集まる。そのフィリップスは、自分が王になるのだと自信満々に気持ち悪い笑みを浮かべていた。
もうそろそろあの合図が出る頃なので、再びウルメリア王の言葉を聞く。
「ウルメリア王国第一王子マリウス・ハイス・ウルメリアに王位を譲るものとする」
「「「はぁッ!?」」」
その3人の声は、この場にいた他の貴族達の驚きの声よりも大きいものだった。
一番最後に入って来た貴族と同時に部屋の中へと入って来ていたマリウス王子を、私がかけていた【フラウト】を解除するのと同時に、私はそっと彼の背中を押して前に出す。
そのまま真っ直ぐウルメリア王の座る玉座の前まで歩くマリウスを、護衛するように専属護衛の騎士のジョセフとカルロッサ。そしてスターズ“諜報貴族”のオーシャンハート公爵が続く。合図があるまではこのまま姿を隠したままにするか。
「マリウス!貴様ッ……!」
何処からともなく現れたマリウス王子に意味がわからず、獣のように吠えるフィリップスを完全に無視し、マリウス王子はウルメリア王の前で膝を折る。
「謹んでお受け致します、国王陛下。これからはこの国の国王として、一層の努力を惜しまないことをこのマリウス・ハイス・ウルメリアの名に掛けて誓います」
「うむ。私の分まで頼んだぞ」
「はい!」
「おい、ちょっと待てよ!いったいこれはどういうことなんだよ!!」
フィリップスが喚く。予想だにしない展開にフィリップス達だけでなく、周りにいる貴族達もざわめきだす。その中から宰相のエドモンドが前へと出て来た。
「お待ち下さい陛下!御言葉ではございますが、この国の伝統に従うのであれば、第一王子が国王のなるのが定石でございます。その伝統を捻じ曲げることは国王陛下でも……!」
「確かに、お前の言うことにも一理ある。だからこそ私はマリウスに王位を譲る。さっき言ったはずだぞ?『ウルメリア王国第一王子マリウス・ハイス・ウルメリアに王位を譲るものとする』とな。何か問題があるか?」
「あるに決まってるじゃない!第一王子はフィリップスなのよ!フィリップスが国王になるのが筋ってものでしょ!!」
ウルメリア王の言葉にサフランが声を荒げながらそう言った。それを聞いたウルメリア王が急に笑い始めた。それはまるで、この馬鹿は何を言っているんだ?と言わんばかりのものだった。
「よくもまあそんなことが言えたもんだな」
ウルメリア王は玉座から立ち上がると、隣の王座に座っていたサフランを睨みつける。その睨みつけはまるで、獲物を睨みつける蛇のような凄まじい眼光だった。
「この場にいる皆は知っているだろうか。ベルンガ王国とヴァース帝国の間に建国されたアルマー王国のことを。このアルマー王は数々の呼び名が存在し、その中でも史上最年少でSランクとなった冒険者であり、神級魔術師の中でも最強と言われる『魔剣の魔術師』であり、そしてスターズ最高幹部の五星使徒の第2席である。更にヴァース帝国の反乱を鎮圧し、帝国を救った英雄。そのアルマー王が我が国も救ってくれたのだ。『アルマー王。例のものを』」
私達は、その合図の言葉とともに【フラウト】と気配遮断を解除して姿を現した。それと同時に、周りにいた第一中隊も姿を現す。それを見た貴族達が驚きの表情を見せる。
「春人殿。この国のことを皆に話してもよろしいか?」
「許可する」
「皆には聞いてもらいたいことがある。我がウルメリア王国の建国には、スターズが関わっている。スターズは、国際的に活動する巨大諜報機関であり、その戦力は一国を気が向くままに滅ぼせるレベルだ。そんなスターズは、このウルス大陸の安定を目的として建国されたのが、このウルメリア王国だ」
その場にいた全員が意味が分からないといった様子だったが、そんなことは構わずにウルメリア王は話を続けた。
「以来、ウルメリア王国の国王は、ウルス大陸の軍事バランスを調整したりとしてきたが、時代が経つにつれて、その目的などは薄くなりつつあった。だが、最近になってスターズが動く事態が発生した。それが今回の件だ。だからこそ、こうなってしまった責任を私は償わなくてはならない。では、アルマー王。いえ、シリウス様。後は頼みます」
「本当に良いのだな?これを見せれば、後に引き返せないぞ」
「構いません。今まで騙されてきた愚かな愚王だと言われようとも、この真実だけはこの場にいる全員に知らせなければならないことだと思います」
「ならば良い」
私はスマホを取り出し、室内にいる全員が見えるように調整しながら投影する。
『それを持たせても途中で捨てたりしないかしら』
『ソフィア正妃を人質に取っている以上、マリウスは従うしかないし、それでもダメなら、ソフィア正妃を殺すとでも脅せば、国王も素直に従うだろう。そして更にフィリップスを国王にさえしてしまえば、私達の新しい王家の誕生だ』
「なんで、こんなものが!?」
突然空中に投影された自分達の映像に慌てふためく。当然だろう。これは、国王への脅迫を計画しているものであり、フィリップスは王家の人間ではないことを証明しているのだから。
「これはスターズが所有する、その場の出来事を記録し再度見ることが出来るという魔導具だ。更に情報を加えよう。この資料を見てほしい」
「その資料がなんだと言うんだ!」
「この資料は、ウルメリア王とマリウス王子およびフィリップスの親子関係を調べたデータだ。事前にウルメリア王とソフィア正妃、マリウス王子、フィリップス、サフラン、エドモンドの髪の毛を一本、毛根鞘ごと抜き、DNAを調べた結果。ウルメリア王とマリウス王子のDNAが一致。逆にフィリップスはエドモンドととのDNAが一致した。これらのデータから、マリウス王子が正当なウルメリア王家であり、第一王子。そしてフィリップスは王家の人間ではないことが証明された」
「ふざけるな!!そんなものデタラメに決まってる!」
「黙れ」
吠えるフィリップスに対して、私は殺意の込めた声で言うと、フィリップスは体が硬直して動けなくなったようだ。
「本来ならば、こんな面倒な説明などせず、王家の乗っ取りなどという考えを考えている者だとさっさと殺しているんだ。この程度で済んでいるだけありがたく思え」
フィリップスにそう言って、話の続きをする。
「この証拠を元にして、スターズは3人に対して、王家占拠罪で逮捕状を申請し、昨日逮捕状が発行された。これがその逮捕状だ」
そう言って、懐に仕舞っていた逮捕状を取り出し見せつける。
「ちなみにお前達に発行されている逮捕状はこれだけではない。スターズでは贈賄罪、公文書偽造罪、私文書偽造罪、犯人隠避罪、殺人罪、殺人未遂罪、教唆罪、監禁罪の罪で3人に対して逮捕状が出ている。だが、これはあくまでもスターズだけでの逮捕状であり、国際警察では違う罪状もある。トワ」
「はい。私は、国際警察本部本部長のトワ・ゼンフォートです」
「国際警察?」
聞き覚えのない単語にウルメリア王がそう疑問を浮かべる。
「国際警察は、西方諸国同盟内にて主に活動をする組織であり、その目的は、国際法上の犯罪に対する諸国家の防止鎮圧行為や国家の他国への侵略行為など、国際社会の利益を侵害する行為に対する諸国家の共同防止行為。また、他国に逃亡した犯罪者を各国の警察とともに捜査を行い逮捕する国際捜査機関です。そして我々国際警察が3人に対する罪状として国際人道法違反、武力行使禁止原則違反未遂の罪で逮捕状が出ています。大人しくご同行を願います」
「下手に動かない方が身のためだぞ」
そう言って私が指を鳴らした瞬間、両壁側に一列に並んでいた第一中隊が【インビジブル】を解除し、銃を構える。
そろそろ城の上空もヘリが飛んでいるはずだ。
すると、ドアを勢いよく開けて騎士が中へと入って来た。
「緊急!ウルメリア城上空付近にて、飛行物体が飛行中!対空兵器で応戦していますが、まったく意味がありません」
「ウルメリア王国にある対空兵器程度で、ヘリに傷を付けることなんてできやせんよ」
私はその騎士の報告に対して、そう呟いた。
そして更にもう1人の騎士が入って来た。
「報告!現在ウルメリア領海にて、不審船を発見。攻撃を行ったが、こちらの攻撃はビクともせず、逆にこちらの海軍の軍艦がすべて航行不能とのこと!」
「なんだと!?」
先にあっちが攻撃したんなら、自衛のための戦闘行為だと言えば問題ないだろうし、たぶん大丈夫だろう。
「これで分かっただろう。我々に敵対しても無意味だ。大人しくしろ。あ、この場にいる貴族達にも伝える。サフラン一派に属していた貴族で犯罪行為等を犯している者達もすべて把握している。その者達もこの場で逮捕させてもらう。自身の汚名を返上してみせよ“諜報貴族”」
私がそう言った瞬間に次々と“諜報貴族”達が犯罪行為等を犯した貴族達を拘束するのと同時に、正面の扉からも外で待機させていたシールズ第二、第三中隊が中へと入って来た。
そしてその部隊の者達も“諜報貴族”が取り逃した者達を拘束する。
「こうなったら、急いで“アレ”を持って来なさい!」
「は!」
サフランが近くにいた騎士にそのように命令をする。あの騎士は自分の意思でサフラン側についているのだろう。その騎士が奥の方にあるドアから部屋を出ようとしていたので、銃をドアに向かって撃つ。
その騎士は、その弾痕を見て何があったのか分からないといった様子だった。
「部屋から出させると思ったか?次はその弾丸をお前の頭に撃ち込む。撃たれたくなければ、その場を動くな」
「さっさと持って来なさい!」
私が動くなと命令をした瞬間にサフランがそのように命令した。その騎士は、サフランの命令を優先し、部屋の外へと出て行った。だが、サフランはさっき何かを持って来るように命令をしていたから、きっとこの場にまた戻って来るだろう。その時こそあの騎士も拘束するか。
そして、ドアが再び開くと、先程の騎士が大型の台車ような物に何かを乗せた状態なうえに更にそれに布を被せて見えないようにしていた。だが私の術師としての感覚が告げている。アレはマズイと。
「それは、いったいなんだ……」
「これこそが私達がこのウルス大陸。いや、世界を手に入れるためにつくり出した兵器だ!」
エドモンドがそう言ってその布を取る。その布に隠されていたものを見て驚愕する。それは、椅子に縛りつけられている。だが、それは人間と言うにはあまりにも悍ましい姿だった。この場にいた全員がそれを見たことによって、この場が静寂に包まれた。
私は、それに見覚えがあった。
「なんてものをこの世に誕生させたんだ……」
「これは元々国王の子供。つまり、正式な第2王子だった。だが、我々はこの第2王子を死産ということにして密かに育てたところで、丁度良い年齢になったところで殺した。その後にフィリップスが孕ませた女の子どもを奪ってその身体を繋ぎ合わせて完成したのがこれさ。こいつは凄いぞ。死んでいるはずなのに我々の命令を聞くし、その繋ぎ合わせた身体の持ち主の魔法を使うことが出来る。これさえあればこの世界は我々のものだ!!」
エドモンドは嬉々として、そのように叫んだ。そして次の瞬間、私は奴等の目の前に向かって殴り込みに行っていた。
「キサマァァァ!!」
私は、その言葉を聞いて我慢の限界を迎えていた。
「それがなんなのかお前らは知らないからそのようなことを言えるのだ!それはこの世に誕生させてはいけないものなんだぞ!!」
「知るかそんなもの。これさえあればこの世界を手に入れられるんだ。邪魔をするな!こいつを殺せ!!」
次の瞬間、そいつは私に向かって攻撃を仕掛けて来た。それをバックステップでかわす。
そいつと少し距離が空いた瞬間に、シールズの隊員が一斉にそいつに対して銃弾を撃ち込んでいた。
「銃なんて奴には効かん!総員!直ちにこの場から離脱せよ!!これは命令である!!」
私はそう叫び、避難をさせる。
「春人様、アレがいったい何なのかご存知なのですよね!?私達にも教えてくれませんか?」
「分かった。説明する前に少し待っていてくれ」
私は、懐から一枚の呪符を取り出す。
「『神護の術式 呪衛結界の術』」
私達の周りに結界が展開された。これで私達に奴の攻撃が届くことはないはずだ。
「さて、奴について説明しよう。だがその前にこの結界が魔法によるものでないのは分かるな?」
「ええ」
「これは、呪術や陰陽術などと呼ばれていて、こういった術による戦闘が私の本来の戦闘スタイルなんだ。そしてこれらを技を行使する者達のことを術師と呼ぶ。私の場合は呪術の方が得意だから呪術師だな。そしてこの呪術師の技には人を殺す技や呪いなんかも存在したりするが、禁術と呼ばれる呪いだったりもある。そしてアレはその禁術指定のものの中でも、かなりヤバい禁術であり、呪物だ」
そして、その禁術でもあり、呪物となっているものの名を口にする。
「その呪物の名は……『絶滅牢の人形』」
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