表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生術師  作者: 青山春彦
第1章 スターズ
15/176

15話 子供達との模擬戦その1

 私達は、無事に結婚式を終えて、改めてアリスとは夫婦関係となった。


「やっと終わりましたね。流石に疲れました」

「ああ、そうだな。準備はあんなにも結構時間がかかったのに、式の方はあっという間に終わってしまったな。やはり楽しい時間というのは早く終わってしまうもんなんだな」

「そういうものですよ」

「まぁ何にせよこれで、これで私達の人生行事のひとつは終わったな」

「何を言っているんですか?終わったのではなく、正確には始まったが正解ですよ」

「確かに、その通りだな」


 そうだ、アリスの言う通り結婚式という行事は本来人生の始まりのひとつの行事なんだ。

 それを私は、終わったなどと言ってしまった。

 アリスには申し訳ないことをしてしまったな。


「すまなかった」

「べつに気にしてなんていませんよ。こんな事で、私達の夫婦関係を崩したくなんてありませんよ」


それから更に数日後、式の後片付けなどが終わり、私達は夫婦として一緒に暮らすにあたって、スターズ(主に元帥殿とシャドウのみんなの方)から新しく広い部屋を与えられた。

 前までの一人で暮らしていた部屋でも、かなり広いと感じていたのだが……これは、明らかに広過ぎるでしょうが。

 まったく、この人工島はどんなに広いんだよ。

 あ、いや、この人工島が広いんじゃなかったわ。

 この島は空間拡張魔法を使って、建物やこの島の中の広さを広くしているのをすっかり忘れていたな。

 空間拡張魔法は、文字通りその場の空間を拡張するための魔法である。

 もちろん私も使えるしあの結界を張り直す時にも一度使っているしな。(スターズの結界その2参照)

 この魔法のおよぶ範囲は、建物の内部だったり決められた場所の範囲内ならば建物の中だけでなく屋外でも拡張魔法を使用することが可能だ。

 この世界では、王族や一部の上位貴族などは、この空間拡張魔法を領内の騎士や衛兵の訓練場や馬車などにも使われていて、極一般的な無属性魔法のひとつで、この魔法を使える人は意外と多いため、性能や範囲によって上級魔法に分類されるもののそのほとんどが中級魔法に分類されいる。

 話がそれてしまったが、この与えられた部屋の広さがなんと二階付き(ロフトではなく)の7LDKもの広さがあるそうだ。

 いやいや!いくらなんでも広過ぎるだろうが。

 もし、私達の間に子供が産まれても余裕……というかそれでも広く感じてしまうかもしれないな……。

 でもやっぱり、今はまだ二人暮らしだからかなり広いな子供ができたらちょうど良くなるのかなぁ。


「あのぉ、この部屋は流石に広過ぎませんか?」

「確かにな、これはいくらなんでも広過ぎるな。いったい何を思って、私達にこんな広い部屋を寄越したんだかね」

「でも裏を返せば、この部屋の広さから考えて、私達のことを本気で祝ってくれているとも言えますよね」

「ハハハ、確かにこんな豪華(ごうか)な結婚祝いは、そうそう貰えるものではないからね。この部屋はこれから先、大切にしていかなくちゃな」

「そうですね」


 この新居へ引っ越して来てから早数百年後私達の間には、新たに家族が三人も増えた。

 子供達の名前は上から、長男の望月白夜(もちづきびゃくや)と、長女の望月春奈(もちづきはるな)は、二人とも私と同じように黒髪、黒目の見た目は日本人……この世界では、文化や人も日本にそっくりな国え〜と確か、イシュタリカ神王国(しんおうこく)だったけか。そこの人達とそっくりなのに対して、次女の望月桜(もちづきさくら)は、アリスと同じように髪、目ともに桃色をしていた。

 勘違いしてほしくないがべつに桜を他の二人よりも差別とかしたり嫌っているというわけではないからな。決して!

 ちなみに子供達の種族は全員、上位人間(ハイヒューマン)だ。


 そして私は、この数百年の間に様々な任務や昇進試験を受けたりして、元帥にまで昇りつめた。

 元帥とは、その前の階級の特将の中からシャドウの推薦(すいせん)を複数人得なければならない。

 そのため最初は、歴代の元帥の中で最も早く元帥に昇進するということもあり、少なからず反対意見が出るかと思っていたんだけれども意外と反対意見が出なかった。

 どうして、反対意見が全く出なかったのかと思いソーラルに聞いて見ると。


「お前ならば普通に元帥の立場になっても問題ないと思うし私からしてみたらむしろ、お前が元帥の階級にいた方が都合が良かったり今まで出来なかったことが元帥になれば出来るようになったりするしな。それにな、お前の元帥反対をするヤツなんてこのスターズ内にはいねぇと思うぞ。もしいたとしたらお前のことが気に食わないヤツだったりお前のことを知らない入りたての若僧くらいなもんだ。だからお前はが心配することは何ひとつないんだから安心して、お前はお前の責務を果たせ」


 責務や果たせって言われてもなぁ。

 ……私の責務、か………。


「わかった。私に出来る範囲のことならば私がやろうと思う。だが、いくら私でも出来る事と出来ない事があることは覚えていてほしい。だからそんな時には是非ともお前たちの力を貸してほしい」

「ああ、わかっているとも。だからこそお前には頼れる部下だったりがいるんじゃないのか?……いや、お前からしてみれば部下ではなくて、頼れる大切な仲間か」

「ああ、そうだったな。私には、たくさんの頼れる仲間たちがいたな」

「その通りだ。だから元帥になったからと言って決して一人で抱え込まず困った時には俺たちをちゃんと頼れよ」

「ありがとな」

「それと今回の五星使徒(ペンタグラム)会議の議題がもう一つあったな」

「そういえばそうだったわね。春人の元帥昇進の件で、すっかり忘れていたわ」

「もう一つの議題である春人とアリスの子ども達の上級コードネーム及び五星使徒(ペンタグラム)第5席への承認だな。今回はそれぞれ3人とも同時にスターズの試験に参加しとても良い成績を残している。流石は春人とアリスの子どもだと言えるな。もう3人とも上級コードネームどころか、五星使徒(ペンタグラム)を改名して入れても全然問題ないと俺は思っているんだがお前達はどう思っているんだ?」


 イレルリカが答えた。


「3人の仲間入りに文句はないわ。もちろん、アリスや春人の子どもだからという理由ではないわよ」

「俺も3人の仲間入りを強く支持する。実際に戦ってみて、春人よりかは若干劣ってはいたがそれでもかなり強かった。これで仲間入りを反対するんならば俺だけでなく他の何人かも五星使徒(ペンタグラム)やシャドウ評議会議員そのものを辞めなくてはならないくらいの強さだった。さっき、五星使徒(ペンタグラム)第5席が誰が良いかと思ったが、俺的には、白夜が一番実力を感じた」

「なるほどな。ソクショ、お前がそこまで言うほどなんだな。俺も反対はしない。白夜を五星使徒(ペンタグラム)第5席に、残りの春奈をNo.7、桜をNo.8をシャドウ評議会にしようと思うが反対する者はいるか?」


 全員どうやら反対ではないようだ。


「決まったな。本日より望月白夜は、五星使徒(ペンタグラム)第5席、シャドウ評議会に望月春奈をNo.7、望月桜をNo.8とすることを承認すると同時にこの3名を少尉とする。以上をもってシャドウ評議会及び五星使徒(ペンタグラム)会議を終了とする」


 白夜は五星使徒(ペンタグラム)第5席、春奈はNo.7、桜はNo.8となった。

 この2人同時のシャドウ評議会入りと五星使徒(ペンタグラム)第5席の同時加入はスターズ始まって以来のできごとでありこの情報はスターズ全構成員の間で広く騒がれた。

 私は子供達に話しかけた。


「白夜、お前は五星使徒(ペンタグラム)の第5席になったんだ。長男として、そして五星使徒(ペンタグラム)としてもっと強くなってもらわなくては困る。この後、一緒に訓練所に来い。もちろん白夜だけでなく、春奈と桜もだぞ」

 

 白夜が答える。


「了解しました。父上」


 続いて春奈と桜が答える。


「「分かりました。お父様」」

「アリスも一緒に来るか?」

「そうですね。あなただけでは少し心配ですから」

「おいおい、ひどいなぁ。そこまで心配か?」

「はい。だってあなた、この前の子供達の訓練もかなり容赦(ようしゃ)なかったじゃなかったですか。あなたの訓練で任務に支障が出たら本末転倒(ほんまつてんとう)です。ですから私も一緒に行きます」


 私の訓練はそこまでなのかな。

 訓練所に到着し、早速訓練を始める。まずは白夜からだ。

 白夜の得意な攻撃は剣を使った剣術で流派は私が教えた中のひとつで一番相性が良く、しかもその流派が家の流派である望月流剣術なんだから嬉しいないはずがない。

 模擬戦を始めた。審判(しんぱん)はアリスにお願いさせてもらった。


「それでは、両者共に良いですね?それでは、はじめ!!」

「【月剣流剣術(げっけんりゅうけんじゅつ) 三の型 影月(かげつき)】」

「遅い!【日火流剣術(にっかりゅうけんじゅつ) 二式(にしき) 火炎(かえん)】」


 そうして、刀が首に当たる直前で止めた。


「それまで!勝者、春人さん」


 白夜の攻撃にはほとんど無駄はないが、型がそのままで応用も何もないためそこまでとなっている。もっと応用した技を使えれば確実にもっと強くなれるはずだ。


「まだまだ技が単純過ぎるかもう少し独自に考えた技と今使える技を合わせて新しい技を自分なりに作るのもありだ。お前にはそれが出来ると私は思っている。白夜はもう少し技を応用するというところを良くするともっと格段に強くなることができるぞ」

「分かりました父上。本日のご指導ありがとうございました」

 

 白夜の相手は終わったしさーて、次はどっちから来るのかな?

『良かった』、『続きが気になる』などと思っていただけたのなら、評価やブックマークをしてくださると、嬉しいです。投稿日時はバラバラですがどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ