144話 邪神狩りと神罰、そして新たな婚約者
私は、私だとバレないよう、姿を威厳のある男神の姿に変え、更に服装もそれっぽいのに変え、その後に攻撃に移る。
まずは、あの邪神がどの程度の防御力を持っているのかを確かめるか。
「『妖火の術式、鬼火の術』」
やはり鬼火の術では、効果がないようだな。なら、これならどうだ?
そう考えると同時に、屋根伝いに走りながら術を邪神に向けて放つ。
「『雷電の術式、鳴神紫電の術』」
鳴神紫電の術では、鬼火の術に比べたら、多少はダメージを与えられてはいるが、それも微妙なダメージだった。
「『風斬の術式、烈葉風の術』」
邪神の身体に切り傷が入った。烈葉風の術以上の術の攻撃ならば攻撃があるということか。
式神達も術の攻撃を上げている。そして中には、神通力を使って攻撃をしているのもいた。その神通力による攻撃は、意外と効果がある様子だった。
「次、いくぞ。『火炎の術式、皓炎の術』」
皓炎の術による、白く輝く、まるで太い光線のような白銀の炎が邪神を覆う。だが、皓炎の術によって、邪神までの場所が術の熱によって、建物事態も地面を含めて跡形もなく溶けた。
『我が式神達に命ずる。これで仕留める、己が全力で邪神を屠れ』
式神達に念話でそう伝えると、距離を少し取り、全力の攻撃を出そうとしている。
「『陰の術式、鋼蔓縛りの術』」
式神達が攻撃の間に変に暴れられないように術で固定する。この術は、拘束系の術の中でもかなりキツイ拘束のため、邪神とはいえ、そう簡単に破られる代物ではない。
私もやるとするか。
「『火炎の術式、灼鉄の術』『火炎の術式、炎心八熱地獄の術』『雪氷の術式、霧氷八寒地獄の術』」
邪神に対して、3つの超高温度の術でダメージを与えた後に、最後の術で急速に温度を冷やす。そうすることによって、熱衝撃破壊によって、邪神にこれらの術攻撃ダメージにプラスして、熱衝撃破壊によるダメージもあり、相当のダメージを与えることに成功した。
邪神が私の攻撃で弱まっているところに、式神達の攻撃が一斉にくらったことにより、残っていた体力を使い果たしたようで、邪神はそのまま、地面へと倒れ込んだ。数秒間攻撃態勢をとっていたが、起き上がる様子はなかった。そして邪神の身体が段々と崩れ始めていき、やがてその欠片は、空へと消えていき、邪神の元となった神器もそれに合わせて消滅した。
民間人が避難した方向を見ると、大歓声が響き渡っていた。その内容に耳を澄ますと、次のような言葉が聞こえてきた。
「ヨッシャアアア!やったぞ!!」
「ランス様万歳!ランス様万歳!」
「思い知ったか邪悪な悪魔め!これが我らが神の力だ!!」
「悪は必ずランス様によって滅ぼされるのだ!」
などと言った感じのが聞こえてくる。これではこの国は何も変わらないと思った私は、ゲルトルーデ教皇のところへ私の分身を向かわせてこれから行うことの説明をさせに行った。そして、本体である私は神殿の破損していない部分の上空へと行き、浮かんでいるように見せる(実際、空中に浮いているわけだし、神に見えないこともないだろう)。
そして更に、話を聞かせるために、それっぽい魔法を人のいない場所に向かって放つ。
「【インフェルノストーム】」
【インフェルノストーム】は、見た目が派手なだけでなく、かなり高威力の魔法で、その魔法階級は、亜神級である。
【インフェルノストーム】を見た聖都の住民達は、悲鳴や叫声によってパニックになった。
『身勝手な正義を語る愚か者ども、アレがお前達のその身勝手な歪んだ正義とやらによって生まれたことに気付かぬか!』
今度は、積乱雲(俗に言う雷雲)を発生させ、怒りを表現する。どうやら、効果はあったようだ。
タイミングを見計らい、ゲルトルーデ教皇を【ゲート】で神殿に呼び寄せる。私の分身で今行おうとしていることは分かっているはずだ。
呼び寄せたゲルトルーデ教皇がすぐさま跪き、頭を下げた。
「御身は太陽神ランス様であらせられますか?」
『否。我は、炎雷神コンスザント。太陽神ランスなどではない。そもそもランスなどという神は存在せん』
聖都にいる者達は、驚きの様子を見せていた。まあ、信仰している神がいないと真っ向から否定されたのだから、当然の反応ではあるのか。
『我は、教皇である汝に神託を与えに来た。前へ出るが良い』
前へ出てきたゲルトルーデ教皇の頭に手を添えて、その部分を【ライト】であたかも神託をしているかのように見せかける。
今のところは順調だな。それじゃあ、最後にあの者達を呼び出すか。
『正義の名などという名目の下、神の名を勝手に騙り、今日まで罪を重ね続けた愚か者どもに神罰を下さねばならぬ』
さっきと同じように【ゲート】で、ゲルトルーデ教皇になりすましていた、アミエル枢機卿に今回の計画を企てたカルミア枢機卿およびオダマキ枢機卿。そして、様々な悪事を働いていたキャメロン大司教、その他複数の聖騎士などの聖職者を呼び出すと、すぐさま一斉にその場に平伏した。
『汝らよ、己の罪を認めるか?』
『お、お待ち下さい!我らは神の敬虔なる下僕として何の罪も犯しては……!』
コイツは偽者とはいえ、神に対してもこのように嘘をついて騙せると思っているのか?どうやらコイツを含めて神をなめすぎているようだな。実に愚かだな、本当に……。
『愚か者めが!無実の少女らに対し有らぬ罪を被せ、処刑しようとしただけでなく、教皇であるこの者を毒殺しようとした挙句に地下牢へと投獄したことを我が知らぬと思うてか!!』
すべてを知られていると悟ると、分かりやすく顔面蒼白になっていく。そして、今の話を聞いていた何も知らない信徒達がざわざわと騒ぎ出した。今言ったことをランス教の聖騎士がやっていたことだけでも驚きだというのに教団最高幹部である枢機卿までもがそのような行為を行っていたのだ。動揺を隠せないのも無理はないだろう。
『汝らが行ってきた罪はそれだけではなかろう。神の名を騙り、数え切れない程の悪行、この場でひとつひとつ暴いても良いのだぞ?』
殺気を混ぜながらそう言うと、明らかに殺気以外での恐怖を感じていた。おそらくバレてはマズイことを神の名を騙り、数々の罪を犯してきたのだろうな。まあ、それも家宅捜索を行えばすべて分かることだろう。
それにしてもコイツらは、教団の人間であり、ランスという神がいないことを知っており尚且つ、正式な宗教ギルド職員でありながら、その立場などを都合の良いように利用してきたことに関しては、情状酌量の余地はないのは考えるまでもない。
『これは地上での問題故、あまり大きく干渉はできんからこのぐらいにしておいてやろう』
『グハァ!』
誰にも気付かれないように【ナイトメア】という悪夢を見せる闇属性魔法で眠らせた。そして魘されている奴等を一瞬だけ見下ろした後、ゲルトルーデ教皇に語りかける。
『この罪人共の処罰は其方に任せよう』
「畏まりました。ランス教教皇いえ、宗教ギルド本部所属枢機卿級宗教ギルド職員の名の下に適切な処罰を下すことをお約束致します」
『うむ、良かろう』
最後にそれらしい言葉でも残して消えるとするか。
『正義も悪も最終的には人間自身の心で生み出されるものである。自身が正義だと思っていても、それを過剰に表に出すことは今回の一件にて身を滅ぼすことだと気付いたことだろう。地上に生ける者達のそのようなことを我ら神は望まぬ』
聖都内にいるすべての信徒に向けて言い放つ。もちろんこれは信徒だけではなく、自信過剰な人にも向けている。
これ以上は本物の神に申し訳ないので、終わりにしよう。
『そろそろ時間のようだ。さらばだ、人の子らよ。汝らに幸多きあらんことを』
少し光量を多くした【ライト】で、それっぽく演出し、【ライト】で【ゲート】の周りを見えないようにする。演出には【ライト】を光らせるだけでなく形の工夫をしたり、私も神らしい威圧感を出したりした。そして、その【ゲート】で少し遠めの場所に移動した後に元の姿に戻り、神殿まで【ゲート】ですぐに戻る。すると、ゲルトルーデ教皇が信徒に向けての言葉を述べている最中だった。私は、信徒に混じってその言葉を聞くことにした。
「神は去られました!我々はこれまで犯してきた罪を私も含めて償い、悔い改めなければなりません!そして先程の神託にて、神に頼らず、どのような試練や苦難も己の力で乗り越えよ。さすれば、そこに真の道が現れるだろう。とそうおっしゃられました!神は、我らを見捨てず見守って下さいます!神に感謝と祈りを!そして神の祝福があらんことを!」
少しの静観の後『うおおおおおおお!!』という信徒達の歓喜の声が聖都中に響き渡った。
すると、スマホが鳴りだし、人気のいないところで電話に出る。
「はい、もしもし」
『もしもし春人さん。そちらは、どうですか?』
「どうですかって……。それは聞くまでもないと思いますが?」
「一応確認ですよ。まあ、こちらで見ていましたが、片付いたようですね。これで一安心ですね」
「いえ、これからこのランス教への処分を決める会議や今回までの事件に関わっていた者達の詳しい捜査などが残っていますので、まだ片付いてはいませんが、とりあえずは、マインドコントロールによる影響は、かなり小さくなったと思います。これからは、自身の考えで信仰する神を選ぶ……信仰するかどうかを判断できるようになると思います」
基本的に信仰などは、その宗教がなくならないかぎり信仰は続くし、その宗教が行っているマインドコントロールも消えることは基本的にはない。ただし、宗教団体自身が変わることによって、マインドコントロールによる影響も変わることがある。今回の場合は、信仰している神が存在していないということを知ることによって、マインドコントロールは、解けた人も多い。完全に解けなくとも、今までよりは、正義というものの考えについて考え直すことだろう。
『そうですか、それならば良かったです。春人さんに全部任せてしまいすみませんでした。それと、あのお嬢さん達にも、私の代わりに謝っておいて下さい』
「別に気にしないで下さい。それよりもたまにで良いので、地上のことを覗いて下さい。今回のように神器が邪神化すると大変なことになってしまいますので」
『分かりました。このようなことが起こらないよう、監視を増やすことを約束します』
「お願いしますね。この世界には、地球ほどではありませんが、確認されているだけで、神器が20個程あります。更に、地球では、駐在している神が多いのにも関わらず、この世界には、正式な神が一神も駐在していません。もしものことがあったら大変ですので、早めの対応をお願いします」
『善処します』
エレナント様との通話を終えて、待機していたエリザベートとエイルの2人と合流する。
「この度は、この国を救って下さり、ありがとうございました」
「気にするな。それに、今回の騒動の原因には、宗教ギルドやスターズが動かなかったことにも原因がある。宗教ギルドとスターズを代表して、謝罪する」
そう言って、私が頭を下げると、2人は慌てて頭を上げるように言う。
「それと、エレナント様から君達とゲルトルーデ教皇に謝罪しておいてほしいとお願いされた。これからこの国は、宗教国家としての立ち回りが難しくなるだろうが、大丈夫そうか?」
「はい!エレナント様が見守って下さいますので!」
そして2人を連れて、【ゲート】にて、神殿内に入る。
「ゲルトルーデ教皇、お疲れ様」
「お疲れ様です。春人様」
4人で誰もいない部屋で話す。
「ゲルトルーデ教皇。今回の騒動の件に関してだが、宗教ギルド本部やスターズにも責任があるので、重い処分が下らないように取り計らうが、それでも処分は受けてもらうことになるだろう」
「覚悟はできています」
「処分は会議で決まった後、報告する」
「分かりました」
「あの春人様」
「どうした?エイル」
「私達への処分はどのぐらいになりますか?」
エイルが私に質問をする。
「そうだな。君達は巻き込まれた形だから、個人への処分はないはずだ。だが、ランス教自体への処分は何かしらあるだろう」
「ランス教自体に、ですか?」
「ああ。恐らくだが、国政はともかく、布教などの宗教的公務の一切を暫くの間禁止になるだろう」
「そうですか……」
エイルは、少し落ち込んだ様子を見せた。これだけの事態なのだ。ランス教自体への処分が下るのは間違いないだろな。まあそれも、すべて枢機卿級会議で決まることだ。
それから少しだけ話をした。そしてその後、神殿を復元しようと思ったが、私が復元してしまえば、さっきの降臨効果が薄れてしまうと考え、すぐに断念した。
その後、拘束した者達を護送車に乗せた。また、今回アイツらは、宗教ギルド所属ということもあり、宗教ギルド預かりという形で、宗教ギルドが全員、本部の法務局に護送することになった。
無線を取り出して各員へ通達する。
『各員へ通達する。証拠品の押収が完了次第、スターズ・国際警察は撤退。宗教ギルドは捕らえた者達を宗教ギルド本部法務局に護送。アルマー王国国防軍で私と一緒に来た者達は、宗教ギルドの護送車の護衛として一緒に向かい、その他の部隊はそのまま国に帰還せよ』
無線で各員へ通達後、私もやるべきことをやった後、【ゲート】で城へと帰還した。
神殿の修復や被害者への補償金には、今回拘束された者達から没収した私財などから当てられることとなった。どうやら、お布施などと称して悪どく稼いでいたらしい。ほんと、神をとことんなめているな。
数週間後───
「春人さん」
「どうした?エリア」
事務作業をしていたエリアが一枚の報告書を見ながら尋ねる。
「こちらのランス教国に関する暗黒群からの報告書に気になることが書いてありまして……その内容が、ランス教国の聖都に炎雷神コンスザントという神様が降臨し、宗教ギルドだけでなく、各国の諜報機関も事実確認を急いでいるそうです」
「そうなのか?」
「はい。それで、その炎雷神コンスザントって、春人さんのことですよね?」
「さあ、どうだろうね」
そう言って誤魔化す。
「神様のフリをするなんて、いつか罰が当たりそうね」
「神様のフリなんて罰が当たりそうなこと以外に、他にやり方はなかったのですか?」
アイリスが冗談混じりなことを言い、トリスが少し心配そうにそう尋ねる。
この2つに私は、あえて答えを返さないことにした。
するとタイミングよく、ドアからコンコンコンとノック音が聞こえた。
「どうぞ」
「失礼致します」
執務室内に入って来たのは、ラナさんだった。
「陛下。ランス教国から使者の方々がお見えです」
「今、準備をするから少し待っていてほしいと、その使者達に伝えてほしい」
「畏まりました。それでは、これにて失礼致します」
ラナさんが退室し、【モデルチェンジ】で謁見服に着替えた後、謁見の間へと向かった。
謁見の間に入ると、そこにはエリザベートとエイルの2人がいた。
「久しいな。2人とも息災そうでなによりだ」
「アルマー国王陛下におかれましてもお変わりないないご様子で」
エイルと挨拶を済ませる。今回、エイルが使者でエリザベートがエイルの付き添いという形で来たらしい。
そして、エリザベート達が持って来た書簡に目を通す。その内容は、西方諸国同盟加盟国入りの申し出と、それとは別に、アルマー王国とランス教国との友好国入りの申し出であった。実を言うと、アルマー王国が友好国と正式に認めているのは、ベルンガ王国とヴァース帝国そしてアース王国の三カ国しかないのだ。他のニカ国に関してだが、スターズとは、軍事同盟も結んでいる。バルハラン王国とは、西方諸国同盟での関わりでしか、国としてはないのである。
その他としては、今回の騒動に対する正式な謝罪と2人の枢機卿就任の報告。そして、最後にある文に対しては、私は思わず目を疑い、何度も見返してしまう内容が書かれていた。
「なあ、エイル。この書簡の最後に書かれていることは事実、なのか?」
「はい」
「君は、それで良いのか?」
「神の意志に背く気は、私にはありませんし、何より私自身もそれを強く望んでおりますので」
「マジか……」
「どうかなさったのですか?」
「春人様がそんな顔をなさるのは珍しいですね」
「何が書いてあるかは存じませんが、春人様であれば心配いりませんわ」
すると、話について来れないエリアとトワ、そしてテレスの3人が、そう言ってきた。
「これは君達にも関係のある話だから、すまないがエイルには、この謁見終了後に私と別室へ来てほしい。また、エリザベートはメイドを付けるので、貴賓室にて待機しておいてほしい」
「畏まりました」
「承知致しました。陛下」
そして、話を戻す。
「それでは、西方諸国同盟の加盟に関しては、私の一存では決めることはできないが、貴国を我が国の友好国とする考えはある。後ほど、正式な書簡にて、エリザベート、其方に渡そう」
「畏まりました」
「これにて謁見を終了とする。では、エイルよ。書簡の件で別室にて、話し合いをしたい」
「もちろんです」
「では、エリア達は他のみんなを大至急、大広間に集まるように伝えてくれ」
「分かりました」
「では、行こうか」
エリザベートをリースに預け、私達は、大広間エイルを連れて大広間へと向かった。
「さて、みんなが揃ったことだし、先程の話の続きをしよう」
「ねえ、春人?急にみんなを呼び出したりして、いったい何の用なの?」
「だから、これからそれを話すんだって……それでエイルよ。この書簡の最後に書かれている私との婚約の申し出とは、どういう意味か分かっているのか?」
『こ、こんやくぅううう!!?』
エリア達みんなが一斉に驚きの声をあげる。
「もちろんです春人様。春人様と婚約するということは、アルマー王国の王妃候補となることを意味するのと同時に春人様に尽くすということ」
「あの、エイル様」
「私のことは、エイルで構いませんよ。エリアリア様」
「では、エイルさんも私のことは、エリアとお呼び下さい」
「分かりました。エリアさん」
「それでエイルさん。私達は、王妃という考えの前に、春人さんのことを心の底から好きかどうかということを重要視しています。エイルさんは、春人さんのことを好きですか?」
「はい!私は、地下牢に拘束されていた際に春人様に助けていただいただけでなく、教団内の問題まで解決してくださいました。そして私は、助けられた時に、春人様が輝いて見えました。これが聖女であるが故なのかは、正直言って分かりませんが、その時私は、春人様が好きなのだと直感致しました」
エリアの質問にエイルは、迷うことなく返す。
「なるほど。私は、エイルさんを春人さんの婚約者として迎えることに賛成致します。婚約者となることに反対の方は、いらっしゃいますか」
「私は、エイルさんの婚約者入りを支持します」
「私もトワと同じね」
「私も、お姉ちゃん達と同じく、賛成です」
「拙者も賛成です」
「私も賛成ですわ」
全員が賛成のようだが、何故だろう。私の婚約者のはずなのに、私の意見をちっとも聞こうとしないのは……まあ、私としても反対ではないわけだから別に構わないんだが……。
「春人さんは、賛成ですか?それとも反対ですか?」
「反対はしない。私も彼女を婚約者として迎え入れようと思う」
「では、決まりですね。私達は、エイルさんを春人さんの婚約者として歓迎します」
こうして、エイルを新たな婚約者として迎え入れることとなった。
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