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異世界転生術師  作者: 青山春彦
第13章 建国
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129話 ベルンガ城からの招待

 先日、新たに臣下が増え、その中で宰相に任命した高坂さんと城下に来ていた。


「やはり優先するべきは街道の整備からです。街道無くして街の発展はありえません。ですが、既に街には見たことのない建築方式の建物が幾つか見受けられますな。これはいったいどうやって建てたのですか?」

「これは、私の【創造】という私の魔法で建てたものです。私がスターズの者だということは知っているでしょ?そのスターズで使われている建築技術の応用をして更に建物の形状等を脳内でイメージしながら建てたんですよ」

「春人殿の魔法は相変わらずデタラメですな……」


 少し苦笑気味に高坂さんが言う。


「まず、街道の整備だが、やはり優先して通すべきは、ベルンガ王国に繋がるのとヴァース帝国に繋がる道の2つだろうか」

「ですな。この2カ国は我が国の友好国ですからな。それに、この2カ国を通すことによって、商人の行き来が多くなるのは間違いないかと。それと、今回は早急に行わなければならないので陛下にお願いしますが、今後は滅多に手出しはしないで下さい」

「何故です?私がやってしまった方が早い方が多いと思うんだが……それが原因ですか?」

「おっしゃる通りです。陛下が行ってしまうと、陛下に頼りきりになって、仕事を請け負う者達の仕事が減ったりする可能性があります。そうするとどうしても支払う給料も安くなる原因に繋がりかねません」

「確かにその通りですね。ですが、国の行政機関の建物や国営施設などは私が担当します。これだけは、国として技術レベルを世界最先端にする必要があるのでこれだけは譲れません」

「分かりました。国家に関すること以外は、民間で主に行いましょう」

「そうして下さい」


 ベルンガとヴァースに繋がる道は、最初はアスファルトやコンクリート舗装でやろうかと思ったが、レンガ敷きでやった方が、耐久性にも優れているなどがあるので、そのようにして【創造】で、ベルンガとヴァースそれぞれの道に繋がるところまで作業を行った。

 そして、今は城のバルコニーから城下を高坂さんと一緒に見下ろしていた。


「これから、この国はますます発展していくことでしょう。そうなれば、私ひとりの力ではどうにも出来なくなることも出てくるでしょう。そんな時には、貴方達の力を頼りにしていますよ」

「ええ、陛下が治める国なのです。人が集まらないわけがありません。我々も陛下を支えますので、陛下は陛下らしい国にして下さい。あ、ですが、あまりやり過ぎないようにして下さい」

「それは少し承知しかねるな」

「そこは承知してほしかったのですがね」


 お互いに少し笑い合った後、今後の国での予定を話し合ったりしていると、ラクアスさんがバルコニーへとやって来た。


「陛下、少々よろしいでしょうか?」

「構いません。どうかしましたか?」

「ベルンガ王国にある、アルマー王国大使館にベルンガ城からの使者がやって来まして、ベルンガ王より、陛下に城の方に来てほしいとのことです。また、転移系の魔法で来る際には、城の入り口にお願いしたいとのことです」

「なんでまた……」

「なんでも、城の入り口に話をつけたメイドを待機させており、そのメイドに陛下をある部屋部屋へと案内し、今この国やって来ているある客人との話し合いをしたいとのことです」

「なるほど、分かりました。では、後のことは頼みます」


 私はそう言い残して、【テレポート】を使ってベルンガ城の入り口へと転移した。

 入り口では、聞いていた通り、メイドが既に待機していた。私は、突然と転移して来たのに、その光景に驚かなかったメイドに思わず尋ねる。


「こう言ってはなんだが、転移魔法で今、急にここに現れたのに驚かないのだな?」

「国王陛下より、望月陛下のことは聞き及んでおりましたので」

「本当にそれだけか?」


 話の最中、こっそりとこのメイドに『鑑定眼』を使ってステータスを確認した。すると、やはり驚かなかったのは、ただのメイドではなかったのも原因のようだな。

 そして、そのメイドはとぼけたように聞いてくる。


「それはいったいどういう意味でしょうか?」

「そのままの意味だ。まあ、害はなさそうだから、話したくなければ話さなくても良いぞ。まあ、私はお前の正体は知ってるわけだから別にどっちでも良いんだがな」

「……いつからですか?」

「私がここに来て普通に案内しようとしていた時からだな。いくら聞いていたとしても、初見ならば、驚くのが普通の反応だ。なのに驚かなかった。だからそこに疑念を持ち、話すのと同時に『鑑定眼』という私が持つ魔眼でお前のことを鑑定させてもらった。お前は、カメレオンの諜報員だろ?」

「その通りです。普通のメイドでは対処は難しいだろうと陛下がカメレオンの中で1番表情の変化が少ない私が担当となりました」

「なあ、ひとついいか?」

「なんでしょうか?」

「お前、シリカ・アルカルトとなんらかの関係があるか?」

「シリカさんは、私の投げナイフの師匠です」

「なるほど。だから、お前の脚には投げナイフ用のナイフが装着されているというわけか」

「本当によく観察されていますね」

「これでも世界最高峰の諜報機関…いや、今は諜報国家だな。その国の最高幹部の第2席だぞ。それぐらい分からなければ、スターズの五星使徒(ペンタグラム)なんぞ務まらん」

「それもそうですね」


 そんな感じで話をしていると、客室へと着いた。


「こちらになります」

「ありがとう。なあ、お前の名を聞かせてはくれないか?お前は、一国の諜報部隊であるカメレオンの諜報員にしてはなかなかに面白い。それに実力もスターズの者と引けを取らない。そんなお前を私は気に入った。だから是非ともお前の名を聞かせてはくれないか?」

「既にご存知では?」

「それはそうだが、直接お前の口から聞きたいんだよ」

「分かりました。私は、ベルンガ王国諜報部隊カメレオン所属第一潜入部隊のイシリス・ゲーテです」

「そうか。その名、覚えておくことにしよう」


 私は、そう言い部屋の中に入り、それと同時にイシリスは、通って来た廊下を戻って行った。

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