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異世界転生術師  作者: 青山春彦
第13章 建国
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127話 フェアラートの目的

「これより突入を開始する。だが、敵はかなりの武装集団だ。戦闘の際には安全を第一に考えろ。万が一になったらこの私がいる。今、お前達の実力を私に見せてくれ!突入開始!!」


 無線では、あちこちへの通信でいっぱいだったが1人の声で静まる。


『代理総合司令官トワ・ゼンフォートより各員に告ぐ。総合司令官、国王望月春人に代わり、私がこの場の指揮を行う。ですが、春人様が現場に到着次第、現場の者達は、私よりも春人様の命令を優先することを命じる』


 院内に突入し、敵が侵入している所まで向かう。少しして、その場所に突入すると、重装警備員や一般警備員も関係なく、ある3人に鳩尾を一発殴られるだけだ気絶していた。あの3人の威力が強いということだ。改めて近くで見て分かったが、3人のうち2人は、2級手配犯だが、あいつは間違いなく1級手配犯だ。

 すると、その例の3人が戦闘着の顔の部分だけを見せた。


「お久しぶりです。シリウス様」

「……久しぶりだな。リゲル。そして、ヘルとコアトル」

「我々のことを憶えていてくださり嬉しく存じます」


 すると、私の無線にのみ、トワから通信が来る。


『春人様のお知り合いですか?』

「彼らは、私の元直属の部下あり、真ん中にいる者に関しては、五星使徒(ペンタグラム)ではなく、リゲルを入れて六星使徒(ヘキサグラム)と名付けられる予定だったぐらいの実力者であり、さらにその左右にいる2人もシャドウ評議会でも上位だった者達だったが、何故かあの3人はスターズを裏切り、『フェアラート』側に付いた。最初にリゲルがスターズを裏切ると、その後にヘルとコアトルの2人も『フェアラート』へと裏切ってしまったのだ」

『そうだったのですね……』


 私は、思っていたことをリゲル達に伝える。


「なあ、お前達。今からでもスターズに戻って来てはくれないか?お前達は、私よりも古参の人間だ。個人的にもお前達にはスターズに戻って来てほしいんだ。それにスターズの制度のひとつに反逆したスターズ職員であっても、スターズに戻る意思があるのならば、階級などは下がる事になるが、それでも減刑になる。今ならまだ制度を使えば間に合う!それでもダメなのか?」

「申し訳ありません。シリウス様。もう、そちらに戻ることは出来ません」

「……そうか。なら、仕方ない。お前達をスターズ反逆の罪により拘束する。抵抗しても構わないが、命の保証まではしない」


 すると、敵の雑兵が一斉に撃って来た。


「総員退避!急げ!!」


 その場に敵からの弾丸の幕をつくられる。

 とりあえず、警備や警察は退避させ、残った私だけで対処する。他の者がいれば、思うように動き回れるないからな。


「【デリート】」


 敵からの弾丸は、すべて【デリート】で消した。


「私に銃が通用しないのは、お前達も知ってるだろ?なあ、そろそろ諦めたらどうだ?」


 だが、雑兵達は躊躇なく攻撃して来たので、襲いかかって来た者達は全員、刀で斬り伏せて、一撃で殺(処刑)した。


「さて、これで邪魔する者はいなくなったな。それじゃあ、そろそろ始めようか」

「そうですね」


 お互い剣を構える。


「「自身の信念を貫くために!」」


 そこからは、激しい死闘を繰り広げた。周りの被害なんぞ構わずに、それぞれの力を持って戦う。

 その頃の作戦本部では……。


「春人様いくらなんでもやり過ぎです!応答して下さい!!繋がらない……仕方ありません。ここら一帯に避難命令を発令!避難区域は、病院から半径4kmとする。急ぎなさい!」

『ハッ!』


 病院辺りの防災行政スピーカーからけたたましい警報音と同時に放送が流れる。


『現在、国立病院にて、重大事件が発生しました。それにより、警察省から犯罪対策法に基づて、国立病院から半径4kmに対して、避難命令が発令されました。至急、付近にいる民間人は避難して下さい!繰り返します。現在、国立病院にて、重大事件が発生しました。それにより、警察省から犯罪対策法に基づて、国立病院から半径4kmに対して、避難命令が発令されました。至急、付近にいる民間人は避難して下さい!』


 これにより、偶々近くにいた民間人は、ことの重大さを理解して避難を始めた。


「報告します。民間人は、先程の避難命令によりこの付近からの避難を開始しました。ただし、一部の民間人は規制線の所に残っており、避難命令を無視し、止まり続けています」

「ならば、その民間人を機動隊を使ってでも強制的に避難させなさい。あと、エリアさんとその他数人の警察官で城に向かって『暗黒群(クラヤミ)』を出動させて下さい。『フェアラート』が病院にいると言えば、おそらく伝わるはずです。エリアさん、お願いします!」

「分かりました。では、数人の警察官は私と共にお城まで来て下さい」

『了解!』


 エリア達は、そのまま城に向かい、『暗黒群(クラヤミ)』の出動要請をしに行った。


「春人様……これ以上やると被害は病院内だけでは済まなくなりますよ……」


 トワは、聞こえないと分かっていても、春人の無線にそう言う。

 そして、話は院内の春人達に戻る。


「なあ、聞かせてもらえないか?」

「何をですか?」

「何故、お前達がこの病院を狙ったのかをだよ。今日、この病院にベルンガ王が来ると言ったのは、今日になってからの話だ。それに、ここには誰も入院していない。だからこそ、何故、お前達が今日、ここを襲撃したのかを教えてくれないか?」


 私は、リゲル達と剣を交えながらそう問う。


「本当に分からないのですか?シリウス様」

「何?」

「我々が『フェアラート』側に付いたのは、スターズが記憶消去の方法を用いて処刑対象者なんかを加入させるからです。記憶や性格なんかは、例え消去しても本人の根幹となる部分の1つですので、そう簡単に上手くいきません。なのにスターズは、そのことをまったく理解していない。その証拠に何年かに一度は記憶消去を行った者で構成される部隊がスターズに敵対します。スターズの人手不足なのは重々承知しています。ですが……!」


 リゲルは、私の質問とは別のことを話し始めたが、だが、その話を無視することは、私には出来なかった。


「その事は私も分かっている。だが、人手不足を解消するには、スターズ職員の子どもをスターズに所属させるだけでは、その数は少なすぎる。だから、民間人でも実力はあるが、処分しなくてはならない者を利用して、少しでも人手不足を解消しようとしているんだ」

「そうですか……では、シリウス様。『フェアラート』の目的はご存知ですか?」

「スターズを滅ぼすことではないのか?」

「まあ、大体は合っていますが、その目的の理由は、この世界を守ることです」

「何を言っているんだ!スターズの存在意義は、この世界を守ることだ。『フェアラート』が世界を守る存在だというのならば、何故、スターズを滅ぼそうとするんだ?」

「スターズのやり方では、いつかスターズがこの世界の敵となるからですよ」

「スターズは、そのやり方でしか、人数を補えなくなっているんだよ!」

「どうやら何を言っても無駄のようですね?」

「そっちこそな!」


 再び激しい戦いは、続きいたが、その戦いに追い付かなくなったヘルとコアトルは、そのまま気絶させて邪魔にならない所まで飛ばした。

 そして、リゲルも流石に限界に近づいきたようで、私から距離を取り、一撃に全力を出して勝負を決めるようだ。

 そして、その一撃が放たれた。が、その一撃を防いだ私の姿を見たリゲルは、そのまま気絶した。その気絶したリゲル達に手錠を掛けて拘束した後、指揮官だったリゲル達が敗北したこのにより、他の者達も投降した。

 それから少しすると、エリアが出動要請を出したという『暗黒群(クラヤミ)』が到着し、後の事は任せて私も戻ることにした。

『良かった』、『続きが気になる』などと思っていただけたなら、評価やブックマークをしてくださると、とても嬉しいです。投稿日時は土・日の予定ですが、ズレて投稿する場合があります。どうぞこれからもよろしくお願いします。

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