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異世界転生術師  作者: 青山春彦
第13章 建国
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119話 築城

「ここがベリルベルの『万能工房』ですか……」


 テレスがそういった風に驚く。あの後屋敷に戻った私達は、そのままテレスを連れて万能工房にやって来た。 


「ベリルベルの施設は初めて見ましたが、凄い光景ですね」

「他にも施設はあるが、今回は、城の築城(ちくじよう)だから万能工房に来たんだが…マリア、城の方の設計図は完成してるか?」

「出来てますよ。モニターに映しますね」

「正面のモニターに立体的に映し出されたのは、今のところの城の全体の設計図だ」

「なんだか凄いお城ですね」


 城の敷地内には様々な建物もあったりするし、その他にももし王都内で何かあった際には国民だったり旅人だったりが避難出来るように避難所も造ってあるし、人数もかなり入れるようになっている。

 当然、敷地内には騎士団の本部となる建物もあるし、諜報部隊専用の建物なんかも建てる予定だ。ただし、諜報部隊の建物とスターズアルマー王国支部は同じ建物内に入れるつもりだが、渡り廊下は繋がるが基本的には違う棟にする予定だ。また、騎士団とは別に皇宮警察も導入しようと考えている。仕事内容は、城内で発生する問題への対処や王族護衛などが任務だ。ちなみに国の治安維持は騎士団と普通の警察組織が担当とする予定だ。だが、装備や組織力の関係上から騎士団よりも警察の方が少し権力は上にする予定だが、詳しいことは城を建ててからだな。


「そうだろ。この城にはスターズでも使っているのが少ないような設備が整っているんだよ。普段は少人数の幹部のみの会議室はここだが、大規模な会議をするときには、この大会議室を使うんだが、この会議室はスターズでもまだ実装されていないような最新鋭のもので、きっと驚くと思うぞ」

「ねぇ春人。訓練場はここだけなの?」


 アイリスが訓練場がここだけなのかと指を指して聞いてきた。


「あれ?ここ以外にもあったはずなんだが」

「拙者、出来れば室内でもできる武道場が欲しいです」

「中と外で訓練できるようにしてたはずだけども……」


 探してみると、少し小さな文字で室内武道場と書かれているのを見つけたが……これは少し狭すぎるな。これじゃあ、満足に出来なさそうだな。


「マリア、ここにある室内武道場なんだが、これの3倍ぐらいに出来るか?」

「可能ですよ」

「なら、そうしてくれ。これじゃあ狭すぎるからな」

「あの春人さん。この地下にあるこの部屋って何ですか?」

「ここは、城の警備室と武器保管庫だな。城の警備は一応ここの皇宮警察本部でも警備状況は分かるんだが、念のために設置しているだけだし、武器保管庫も城内にいる警備隊用だからな」

「その皇宮警察というのは何なんですか?」

「皇宮警察っていうのは分かりやすく言えば、王族専属の騎士団っているだろ?あれの軍服を着ているバージョンだとでも思えばいいよ」

「なるほど。つまり王族専属であり、騎士みたく鎧を着るのではなく軍のように軍服のような制服を着て警邏(けいら)する存在ってことですか?」

「まあ、そんな感じだな。それよりも、この城はあくまでも私の希望で設計してあるから、みんなの要望があったら言ってくれ。設計をし直すんなら今のうちだからさ」

「わ、私は広いバルコニーが欲しいです!」

「良いですね。私も欲しいです」


 その他にもそれぞれ自分の希望を伝えて設計図が段々と変わっていく。

 実は、この設計図には表示していないが、この表示されている地下室よりも更に下にも地下施設が幾つか存在している。その中には研究所だったり兵器開発なんかを行うため、知られないようにするために表示を避けた。ちなみに地下に行く方法は、城内のある場所に設置されたエレベーターで降りる以外に行く方法はない。更に、そのエレベーターは普段見えないようにしてあるし、上から触れても普通の壁と変わらないので気付かれることはないだろう。それに、エレベーターを見つけたとしても、王族レベル権限を持った身分証を身分証を差し込む穴に嵌め込み、その身分証から誰のかをデータを読み込み、更に指紋認証、生体認証、虹彩認証、顔認証をを突破しなくてはならない。だが、さっきは彼女達に伝えないとは言ったが、一応使えるように情報は登録しておくつもりだ。

 そうこうしている間にみんな要望を言い終わったようだ。


「大体こんなもんですかね?」

「そうだな。その設計で頼む。あと」


 小声でマリアに伝える。


「映してない部分はそのまま造ってくれ」

「分かりました」


 マリアも小声で返事をする。


「では、この規模ですとそうですね……4日ぐらいお時間をいただければ終わると思います」

「思ってたよりも早いんだな」

「ええ、建材があればの話ですがね」

「建材って、やっぱり必要なんだな。必要な建材って何だ?」

「そうですね。ガラスや大理石、布や金属などのすべての必要建材を揃える必要がありますね」

「ひとつ良いか?」

「材料なんだが、ここのミスリルの部分をハイミスリルに変えても良いか?その方が強度も増すまずだ」

「ですが、ハイミスリルはかなり希少な金属ですよ?それをこれだけの量となると流石に難しいと思います」

「私の【創造】ならばなんとかなると思うが、流石に建材全てとなるとかなり大変そうだな」

「あのう、それって新品の建材じゃないといけないんですの?」


 テレスがマリアにおずおずと尋ねる。


「いえ、建材とする素材はすべて一度分解し、情報をスキャンした後に再構成するので新品でなくても問題ありません。ただし、あまりにも朽ちてたりするものは分解した際に何も残らず素材情報をスキャンすることができず結果、再構成をすることが出来ないないのです」


 なら、この間の盗賊共が根城にしていた場所ならばかなり調達できるんじゃないか?

 そう思い、地図を投影してマリアにピンを刺した場所に向かうように伝える。

 そして、それから数分後に着き、一旦結界を全て解除した後に砦を純粋な素材として分解してスキャンする。


「これで少しは足しになったか?」

「そうですねえ……正直言えばまだ足りませんが、ここはマスターに頼むことにしましょう」

「あの、少々よろしいでしょうか?」

「どうしたテレス?」

「帝国の東北に打ち捨てられた、かなり大きめの城砦があったはずですわ。それを回収すれば十分に使えると思いますわ」


 さっきの砦よりもでかい城砦なのであれば十分に素材の足しになるだろう。帝国領内ならば、早速皇帝に許可をもらってその城砦に行くか。

 すぐさま皇帝のところへ向かおうとする私を、何故か提案者のテレスが申し訳なさそうに引き止めた。


「えっと…その〜。実はその城砦なんですけど……出るらしいんですの……」

「……出るって何が?」

「幽霊ですわ」


 幽霊、か……。

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