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異世界転生術師  作者: 青山春彦
第11章 日常?2
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101話 白夜との対面

 会議長々と続き、もう2時間が経過しようとしていた。


「ということで、今日の会議はここまでにしようと思う。今後は、さっき話した通りということで」

『了解』


 会議が終了すると、私とトワ以外は本部へと戻って行った。


「いつもこんな感じなのですか?」

「まあ、大体はこんな感じかな。あ、でも、いつもはもっとゆるい感じの会議だから今回の会議どれだけ重大かは、いつも参加している者ならば誰でも分かるだろう。もちろんこの私も含めてね」

「そういえば、今思ったのですが、スターズの元帥様ってどんな感じの方なのですか?」

「そうだな。簡単に言えば、私とアリスの息子だな」

「本当に簡単に言いましたね……」

「どう説明しようかな。もう、直接その目で見た方が早いと思うぞ」

「早いと言われても、私にはその人との接点がまったくないのですが?」

「それもそうだな。ちょっと待っててくれ」


 そう言って私は、懐からスマホを取り出して白夜へと電話をする。


「あ、もしもし白夜。少し良いか?」

『どうかしましたか?父上』

「トワと話していたら白夜と会ってみたいってことになったんだが、今から会うことって出来るか?」

『い、今からですか!?かなり急ですね。まあ、別に他に予定も入っていないから良いですけども』

「それじゃあ、今から白夜の執務室に行くから待っててくれ」

『分かりました。今から執務室に行きますからあと40秒程経ってから来て下さい』

「分かった」


 約束通り40秒経ってから【ゲート】を使って、トワと一緒に本部の白夜の執務室へと向かった。

 ドアをコンコンコンとノックをする。


「どうぞ」


 中から声が聞こえたと同時に部屋の中に入る。

 

「なんだこれ!?」


 部屋の中には、数えきれない程のファイルの山が積まれていた。


「一体なんなんだよこれ……」

「……お見合い相手の写真などを含めたプロフィールです」

「山のように積まれたこれ全部がか!?……マジで?」

「はい。マジです……」

「まあ、お前もいい歳なんだから結婚のことを考えてもいい頃だと思うぞ?まあ、この量のお見合い写真は予想外だがな」

「父上は良いですよね。婚約者がいますから結婚相手のことを考えなくも」

「そんなことはないぞ。こっちはこっちで、相手のことを考えなくてはならないし、色々と大変だぞ」

「なら、私は結婚なんてべつにしなくてもいいです。それにもしかしたらそれで仕事に支障をきたす可能性だってありますから」

「はあ。まったく。なんでお前はそんなにも極端なんだよ。それに婚約者が出来たからという理由で仕事に支障をきたすような奴ははっきり言って二流だ。お前は、元帥の階級なのだから一流でなくてはならない。それに、そこにある見合い相手は全員スターズ職員なんだろ?」

「はい」

「だったら民間人の婚約者よりもお前のことを理解してくれるはずだ。それに元帥がどれだけ大変かなんて私も十分に理解しているつもりだ」

「そういえば、そうでしたね」

「どういう意味ですか?」


 トワがそのように尋ねてくる。そういえばトワにはまだ言ってなかったけな。


「白夜の前は、元々私が元帥だったんだよ。まあ、とは言ったものの、本当に少しの間だけだったけれどもね」

「そうだったんですね。春人様が元帥だったのには流石に驚きました」

「ところで、私のところにはなんの用でしょうか?」

「電話でも言ったが、ただ元帥である白夜をトワに紹介する為だが?」

「それだけですか?」

「それだけだが」

「分かりました。理由の方はとりあえず置いておいて。ソーラル達から異世界人の件は聞いてますか?」

「ああ。もしかしたら『次元の旅人』かも知れないという話だろ」

「そうです。もしも本当に『次元の旅人』だとすれば少し厄介ですね」

「だな」


 すると、トワが私達の会話に疑問を持ったのか、質問をしてくる。


「それほどまでにその『次元の旅人』?というのは厄介な存在なのですか?」

「ああ、そうだな。この際だからトワにも教えておくよ。『次元の旅人』と一括りに言っても幾つか種類があってね。「ただ別世界を移動するだけの存在」「最下層の世界から徐々に上がり種族進化をしようとする存在」そして、1番私達が危惧している「世界を破滅させる存在」だ」

「なるほど。最後のを聞いてどれだけ危険なのかは理解しました」

「だから、もし見つけたとしても絶対にトワだけでは戦わず、私に連絡してくれ」

「分かりました」


 さて、白夜に会わせたことだし、そろそろ帰るか。


「さてと。そろそろ私達は帰るとするよ。あまり長居してたら迷惑になるだろうしな」

「そんなことはありませんよ」

「そうかもしれないが帰るよ。あと、お見合い相手が決まったら教えてくれよな。それじゃあ」


 ゲートを開いて屋敷へと戻った。


「行きましたか。さて、この山を片付けるとするか」


 この時、白夜は机の上に置いていた書類を春人に渡すのを忘れていた。

 その書類の内容は、ベルンガ王国の隣国ヴァース帝国の反乱の兆候(ちょうこう)に関するものだった。

 そして、この反乱事件が春人の人生や世界に大きな変革をもたらすことを、この時はまだ、誰も知ることはなかった。

『良かった』、『続きが気になる』などと思っていただけたなら、評価やブックマークをしてくださると、とても嬉しいです。投稿日時はバラバラですが、どうぞこれからもよろしくお願いします。

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