『世界の謎』
窓辺吹く風
夕闇に溶ける街の光に
あなた想い口ずさむ
世界という名の広がりは
私の目を通して
どこまでも知れず広がってゆく
まるでこの地球を包み込むようにして
私を生まれた頃の世界へと連れてゆく
宝石よりも頼りないすぐに消えてしまいそうな光
私の中にあるもの
瞼の奥に浮かぶ
目を閉じた時の光
暗闇から生まれたもの
煌々と光る何かが私を照らす
すべてのもの生み出したもの
何も無い場所から生まれた
語ることさえ許されない
目には見えない場所
深い闇夜が朝に生まれ変わるように
何度も繰り返した
今ここにある世界の謎
目を閉じれば広がる何も無い世界
私はそこから夢みるように
何度も世界に溶けてゆく
目を閉じて想う
その中にある世界
目の前の夕闇より深く
溶け出して輝く
私の中で目覚める世界
地球より青かった
私たちの中にあるもの
目を閉じれば
いずれそこへ還ってゆく
無限に続く闇も光も深く深く
私の中にあるもの
目を閉じて口ずさむ
想いの彼方
その果てまで
私は遠く口ずさむ
溶けゆく最中に
あなたという世界を抱いて
深く深く輝く
深海の果て
脅威よりも恐れよりも
次元の果て
超えたなら
世界の境界線の果てに
新しい世界が見える
目を閉じれば見えるもの
私が世界に溶ける時
時間さえ溶け出して
すべてのものが生まれようとする
宇宙さえ生み出した世界
その世界すら生み出して
次々と生まれ変わる
私を目覚めさせるもの
世界は息をひきとった瞬間に呼吸を始める
ゆるやかに
私が生きるこの刹那の時ほどの瞬間を
遥か荒野と深海の上空をかけめぐるほど
私の心臓より
高く高く高鳴る鼓動
どこまでも遥か続くこの世界に
私は想いを口ずさむ
目を閉じればそこにあるもの
ゆるやかに溶けてゆく眠り
やがて目を覚ますまで
あなた想う世界に口づける