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第三十四話 進化の予感?

 俺達は狩護騎士団の後を追う。

 かなりの人数だったからだろう、すぐに追いつくことが出来た。


 ・・・イライザ達は前の方だから俺達に気付いてないっぽいな。

 まあいい、勝手に動かせてもらうとするか。


 巨大ムカデ、グランドセンチピードが目視できるほどの距離までに迫った所で。



「セアお兄ちゃん。私とセツナお姉ちゃんは今回サポートに徹させてもらいますね?」



「まあそうだな。特に騎士団は剣を皆持っている、セツナをその中に放り込むわけにはいかない」



「うーん。だったらどうするの、セア?」



「自由に動けてかつ全体を俯瞰できる場所に行く、だな」



 そう言って俺はある場所を指さした。

 件の魔物の真横にある崖上、そこへ向かおうという旨を皆に伝えると。



「崖上に行くんですか?それなら私がお兄ちゃん達を運びますね!」



「ああ、任せたぞクィリア」



「はい!私の風魔法と()()()()()の力、見せますね!」



 直後、クィリアが詠唱。

 俺達の身体が宙にふわふわと浮かび上がる。


 ーー『スキル強化』、それがクィリアの天職スキル。

 俺はまだ詳しくは分からないが、説明を聞く限りではその名の通り対象のスキルの効果に補正を加えるらしい。


 今俺達の身体が浮いているのは彼女が唯一使える魔法、風魔法を自分で強化して付与されたから。

 元であるこの魔法、『物体飛行(フライ)』は軽い物を飛ばす程度。

 しかしそれを強化する事によって、人すらも簡単に浮かばせる事が出来るようだ。

 ・・・こう思うと中々に強力な天職スキルだな。


 ふるふると震えるエミルスを抱きしめながら、クィリアは崖上へと降り立つ。

 後から導かれるように俺達もふわりと着地。


 着地するや否や、イリサが言葉を放つ。



「崖の上まで来たけれど・・・。来る途中も思ったけど、あの魔物ホントに大きいわね?」



「ああ、正直ここまでとは思っていなかった。一体何百メートルあるんだ?」



 上から見るとその巨大さがよく分かる。

 この崖自体がそこそこ高いはずだが、それでも魔物の全貌がよく見えないほどだ。



「うわわ、セアくん。アレどうやって倒す気なんですか・・・?」



「物理で殴る」



 至極単純明快な答え。

 だって魔法に耐性があるのならば、物理で殴れば問題解決だろう?

 崖上に来たのだって重力をふんだんに利用するためだ。


 俺は皆の方に向き直ると。



「よし、作戦説明だ・・・と、言いたい所だが。その前に来客を片付けるぞ」



 俺の視線の先には、鉱石のような物で身を包んだ蜥蜴。

 幼い頃に図鑑で見た事があるな。確か名前はそのままロックリザード。

 動きこそ遅いがその硬い身体が特徴だったか?



「イリサ、武器を取れ。新調した武器の出番だ」



「そうね。・・・実践で使うのは初めてだけど」



 彼女の手に収まっているのは相変わらず鞘に収まったままの剣。

 ーーしかし、その形状は今まで通りでは無かった。


 以前「灯火の鈴」にて、シルヴィと共にバイクを作るために試行錯誤していた頃合。イリサに俺はとある提案をした。

 それは鞘自体に攻撃力を持たせることの出来るように改造するというものだ。


 結果、紆余曲折あったが目的であった改造は完了。

 そして今ではその形は。



「櫛状、ソードブレイカーの役割を果たすことの出来るメイスか。使い勝手はどうだ?」



 ロックリザードを捌きながら俺は問う。・・・正直見た事の無いタイプの武器だな。


 イリサは銀色のポニーテールを揺らしながら、そのメイスの感触を確かめるように振るう。

 圧倒的な打撃攻撃に魔物の甲殻がみるみる剥がれていく。


 柔らかくなった箇所にトドメを入れ、彼女は一旦体勢を整えると。



「思いの外使いやすいわよ?なんせ剣じゃ切れないような硬い敵も・・・っ!ほら、簡単に倒せるしね」



 横から迫って来たロックリザードの顔面をメイスの一振りで粉砕しながら答える。少し怖い。

 俺も俺で魔法を使って交戦、敵の数が目に見えて減っていく。



「イリサちゃん達だけに任せる訳には行かないよね!クィリアちゃん、行こう?」



「ですね、行きましょうセツナお姉ちゃん、エミルス!」



「・・・ふるふる」



 俺とイリサの後ろからは光と風の矢による援護攻撃。

 ・・・エミルスが放つ水鉄砲はそもそも届いていないがそれはさておき。



「コレでラストっ・・・、よし。片付いたな」



 周りには大量のロックリザードの残骸。

 至る所に粉砕された甲殻が散らばっている。


 さあ、今度こそ作戦説明だ。と言おうとした時だった。



「あれ?エミルス、どうしたの?」



「・・・ふるふる」



 クィリアの腕の中からエミルスが抜け出し、こっちへと。いや、正確にはロックリザードの甲殻の方へと近づき。



「それは捕食してるのか」



 その上に乗ったかと思うと、少しずつ全身で覆いかぶさっていく。

 最終的に身体の中に取り込まれた甲殻は段々と消化されるように溶け始めた。

 ・・・そう言えばスライムって雑食だったな。


 そんな中、捕食を終えたと思えば急に動きを止めると。



「えっ、ちょっとどうしたの?なんか凄い光ってるけど」



 ーーエミルスが光り輝き始めた。

最近仕事が忙しくて中々に短いです、申し訳ない

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