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【書籍化】ダンジョンだらけの異世界に転生したけど僕の恩恵が最難関ダンジョンだった件【コミカライズ】  作者: まるせい


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【クリーン】×【増幅】=【リペア】

「この後はどうするんですか?」


 イブはコップを受け取ると次の予定について聞いてきた。


「うーん、今日のところはもう外に出なくても良いかな」


 今から野外で活動しようにも時間が中途半端だ。


「街に戻らないんですかね?」


「戻ったとしてもザ・ワールドに泊まった方が快適だもんな」


 正直なところ、街の宿なんかよりも自分の恩恵であるザ・ワールド内の方が過ごしやすいのだ。

 ルーム内の温度はイブによって管理されているので、いつでも僕にとっての適温に調整されている。

 街で暇つぶし用に買っておいた本が積みあがっているので、娯楽にも困らない。


 食事にしても【畑】や【牧場】に行けば様々な食料が用意されているので、困ることがないのだ。

 そんなわけで、買い物や取引でもなければわざわざ街まで戻る意味がなかったりする。


「それに良い機会だから、一昨日接収した家を綺麗にしておこうかなと思ってるんだよね」


 昨日のうちにざっと中を見てみたが、所々の柱やら壁が傷んでいたりするが補強をすれば住めなくはない。

 僕の【クリーン】なら傷はともかく汚れなどは消せるので今の内に綺麗にしておけば今夜泊まることができるだろう。

 僕は【牧場】の隅に建てられた家へと移動した。






「さて【クリーン】をかけようにもそこそこ大きい家だから時間がかかりそうだな」


 僕が手に入れた家は前世でいえば8LLDDKK……2世帯住宅のような建物だ。

 2階建てではなく、家の両側にそれぞれリビングとキッチンがあるタイプになっている。

 こちらの世界でもそれなりに裕福でないと建てられない家だ。


「イブに手伝ってもらおうかと思ったけど……」


 イブは何やら「外に気になる気配があるので調べてきます」と言って席を外している。

 イブは僕と同じくコアの力を引き出すことが出来るので、いてくれたら手間が半分で済むのだが、真剣な表情だったので止められなかった。


「今日はまだ【増幅】使えるよな?」


 説明によると1日で3回まで使えるはず。

 昨日入手した【増幅】の効果は使う恩恵やスキルの効果を増加させるものなのだ。

 【飛行】が【飛翔】になり、音速に近い速度で空を飛べたように【クリーン】を増幅することで家全体を綺麗にすることができるようになるかもしれない。


「能力の方向性を高めるのだから使っても家が壊れるなんてことは無いだろう」


 僕はそう予測を立てると【クリーン】に【増幅】を使用するのだった……。




「それで、このありさまですか?」


 地面にへたり込んでいるといつのまにかイブが戻ってきていた。

 イブは呆れた表情を浮かべると僕をじっと見つめている。


「ああ、うん。なんか凄い疲れたんだけど…………」


 能力を使ったところ、身体の内側から魔力がごっそりと抜けていったのだ。

 僕の魔力総量は相当なものらしく、これまでここまで脱力させられたことは一度もなかったのだが、今回の能力はこれまでと桁が違うらしい。


「それはそうだと思います。マスターが使った能力の説明を投影しますね」


 答えを知っているのか、イブはそう言うといつものように恩恵の説明文章を投影してみせてくれた。


【リペア】……対象となる物を修復する。修復には使用者の魔力を使う。生き物に使用することはできない。


「なるほどね……」


 僕の目の前には汚れ1つ付いていない家が建っている。それもそのはず、その家は先程までと違って…………。


「完全に新築状態ですね。細かなヒビは当然として、目に見えない部分まできっちり修復されているようですよ」


 そうなのだ、僕は自分の能力で目の前の家を新品にしてしまったのだった。


「物を修復するのは凄く魔力を使いますからね。流石のマスターでもこのぐらい大きくて古い物を直せば疲れもしますよ」


 リペアの力は物を修復する。ということは武器や防具などもこれを使えば新品にできる。これがあれば手入れの手間が一切なくなるのではないだろうか?

 魔力を使用するので疲れるのだが、それにしたって多少の疲労でこの大きさの古い家がここまで修復できたのだ。間違いなく使い勝手の良い能力だ。





「それで、戻ってきたってことは調べがついたの?」


 僕が家の中に入り、応接間のソファーへと腰かけると、向かいのソファーにイブが座った。


「ええ、ばっちりです。マスターに報告しようと思って戻ってきました」


 イブはそわそわした様子で顔を突き出すと…………。


「山脈の途中に誰も手を付けていない野良ダンジョンを発見しました。明日探索しましょうマスター」


 思わず見惚れる笑顔を向けてくるのだった。

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