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【書籍化】ダンジョンだらけの異世界に転生したけど僕の恩恵が最難関ダンジョンだった件【コミカライズ】  作者: まるせい


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風と水のランクⅤダンジョン

「お待たせしてしまってすいません」


「おっ! エリク久しぶりだな」


 僕は探索者の装備に身を包むと探索者ギルドを訪れた。


「トーマスさんこそ、お変わりはありませんか?」


「ああ、問題ないぞ。それに準備も整っている!」


「すいません無理を言ってしまって」


 以前にランクⅣのダンジョンに潜った時のメンバーが手を振って応える。


「気にするな、そろそろランクⅤに挑戦したいと思ってたところだからな」


 これから高ランクのダンジョンに挑むのに気負いがないようだ。


「それで……条件に合う。特に水が流れるフィールドが存在するダンジョンなんですけど見つかりましたか?」


「ああ、ばっちり見つけてある。既にマッピングも済ませてあるからな。あとはそこまで行くだけだ」


 その言葉を聞いてほっとする。


「ありがとうございます。それじゃあ今日も荷物持ちとして同行させてもらいますのでよろしくお願いしますね」


 僕はそういうとトーマスさんに頭を下げるのだった。




「はあっーーー!!」


 襲い掛かってきたモンスターを僕は朱のショートソードを一閃して倒す。


「すごいなエリク。今のはDランクのアクアエレメントだぞ……」


 魔核を拾い上げているとトーマスさんが引いた様子で話し掛けてきた。


「そうなんですか? ちょっと攻撃力の高い武器なので僕なんかが使っても一撃で倒せるみたいなんで良かったです」


 今回、僕は荷物持ちとして参加させて貰っているのだが、時間の都合で戦闘にも参加している。


 通常、ランクⅤのダンジョンを攻略するのに2週間はかかると言われている。

 今回は目的が攻略ではないのでそこまで掛からないが、アカデミーの休日は2日しかないのだ。

 もし戻るのが遅れて欠席となれば荷物持ちとして雇っているトーマスさん達にも迷惑が及ぶので、僕も戦うことにした。


「相変わらず謎の多いやつだな。俺たちの出番がほとんどないぞ……」


 そんな軽口を叩く男戦士さん。現れたモンスターをほぼ瞬殺しているので出番がなくて暇そうなのだ。


「すいません、本当に今度埋め合わせをしますから」


 僕が申し訳なさそうにすると……。


「いいのよエリク君」


「うわっ!」


 背後から魔法使いさんが抱き着いてきた。


「エリク君がモンスターを引き付けてくれるおかげでこっちは随分と楽なんだし」


「そうです、怪我人がでないに越したことはありません。そしてエリクさんが困ってるので離れてください」


 治癒士さんが魔法使いさんに怒ってほかのメンバーはそれを「仕方ないな」という顔で見ている。


 これがこのパーティーの普段なのだろう。





「おう、ここだここ!」


 ダンジョンに入ってからほぼ1日が過ぎたころ、僕らは目的の場所へと到着した。


 せせらぐ川の上流には滝があり、その下には池ができている。僕の目的はこの水を入手することだったのだ。


「ありがとうございます。早速水を汲ませてもらいますね」


 僕はそういうとルームから樽を取り出し、そこに魔道具を使って給水を始める。


「へぇ。便利な魔道具だな。それに荷物が入るアイテムボックスが加われば回収も容易ってわけだ」


 僕が右手を川に突っ込んでいるとトーマスさんが話し掛けてきた。


「ええ、この魔道具は錬金術のお店で売ってもらったんですよ」


 以前に水を売った店で取り寄せておいてもらったのだ。


「樽は全部で10ですよね? 分け前は僕が2で皆さんが8ということで良いですか?」


 事前に用意してもらった樽を収納するときに交わした約束を再度確認する。


「それだけでいいのか? エリクの力が無かったらここまで来るのにもっと苦労したんだぞ。もっと欲張ってくれてもいいのに……」


 その言葉を聞きながら次から次へと樽を入れ替えていく。右手で触れては取り出し、また水面に右手をつける。


「いえ、こちらこそ無理を言ってしまってる自覚はありますから。僕だけだとここに入ることもできませんからね」


 探索者ギルドの探索資格は未熟な人間を死なせないための措置としては正しい。

 だが、正規のルートで入れるようになるのは数年後になる。それでは間に合わないのだ。


 樽を水で満たすと、僕はフェイクルームにそれをしまうと、


「よし、それじゃあ引き上げましょうか」


 そうトーマスさん達に提案するのだった。



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