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五感を満たす一番手っ取り早い方法

目が覚めたと思ったら、次に僕を襲ったのは猛烈な空腹感。今、ギルドの大テーブルを一つ貸切の状態だ。


「もぐもぐ…ごくん。」

「へえ、よく食べるねぇ。育ち盛りなのかねぇ。」


食堂のおばさんも嬉しそうだけど、周りは変に盛り上がってる。


「おい…あれ…」

「確か、二年振りの新入りだろ?あの教官倒しちまった奴。」

「マジで!?ていうか、どんだけ食うんだよ!」

「これ…ツケの額ギロマの叔父貴超えるんじゃねえのか?」


外野がうるさいけど、今はただお腹が空いた。って事は僕が今確かに生きてるって事だ。


…此処で死んだら、また元の世界に戻るのかな…?


『ドカ!』


不意に、僕の隣にギロマさんが座って、食堂の方に手を挙げた。


「ドンペリ一本!あとエルダーライノスのステーキだ!」

「?」

「おっと。ルーのツケで。」

「!」


ギロマさんが怪しく微笑んで見せる。慌てて僕も。


「じゃあ僕はギロマさんのツケで。」

「なら、負けた方が全額だ。」



お腹が一杯になって、手を止める事にした。


「ご馳走さま。」

「俺の勝ちだな。」

「……」


よくわからないが、僕は相当な借金をしてしまったらしい。

食堂のおばさんが食器を片付けに来た。


「全く、高級酒で値段稼ぎなんて、卑怯だねぇ。」

「言ってくれるなよ。とにかく。」


ギロマさんは僕の頭をくしゃくしゃと撫でる。


「168万5680ゴールド。出世払いで頼むよ。」

「嫌でも此処で働くしか無いようですね。」


しばらくは元の世界に帰る気にはなれない。




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