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スリーヘッツ

僕は再びパソコンを開く。

画面の中心にはギロマさん、だけど景色がギルド本部らしき場所に変わっていた。


Uー早いですね。

Gー悪いか?それよりなんだあいつは。


ギロマさんと対峙していたのは、180cm程のロボットの様な物。

頭はヘルメットの様にガラスの部分があり、白いプラスチックか、または未知の物質で出来ていたが、その動きは妙に人間らしかった。


Uー多分ですが、ササキの眷属でしょう。

Gー随分と悪趣味じゃねえか。なにせあん中に…


ギロマさんが話そうとした瞬間に、そのロボットは光の剣らしい物を構えて飛びかかる。

このゲームでリアルなモーター音を聞くことになるなんて。


『ガキン!』


ギロマさんはそれを杖で受け止めて、何かを話す。


「随分イカした武器じゃねえか。なあファコラ。」


え?ギロマさん…今ファコラって…


ファコラと呼ばれたロボットはギロマさんから距離をとる。


「口も聞けねえのか。何されたかは知らんが、邪魔するなら容赦しねえぞ?」


ロボットは少々騒がしい音を立てると、その頭部の辺りから一本の鎖が伸びてくる。

バトルチェーン…やっぱり…ファコラさんらしい。



ーー ギロマ ーー


ファコラは、そのお得意の鎖をこっちに伸ばしてくる。

威力やスピードは前よりも格段に上がっている。

だが…


「威力が上がった…だけだ。」


びっくりするくらいの教科書通りの動き…ファコラらしいな。


『ガキン!ガキン!』


回避も受け流しもびっくりするくらい容易だ。

自分らしい戦いを見つけろって、あれほど言ったはずなんだがな。


『ジャラジャラ!』


鎖が俺の腕に巻きつく。

かなり強く引っ張られたが、こっちがチャンスだ。

俺は巻きつかれた腕を思いっきり引き、ファコラをこっちに引き寄せる。


『バコン!』


至近距離でファコラの頭に魔弾を当てる。

ファコラをマスクみたいなに包んでいた、その甲冑が粉々に砕けた。


「ああ、ちゃんと元のファコラだ。」


頭蓋骨まで砕くんじゃないかってヒヤヒヤしたが、思ったより外殻が固くて助かったな。


「…お前、ずっと寝てたのか。ファコラ。」



ーー ササキ ーー


まさか、この世界の住人にストランガスーツが破られるなんて…ギロマはやはり底知れない。

いや、これも想定範囲内。

この世界の完全なプログラム化はもう少しで完成する。


ーー ツァディ ーー


佐々木の能力は、対象を虚数空間に引き入れて意のままに操る力。

まさか世界を丸ごと取り込もうとするなんて。

でも、隙が出来るとしたら今だけ。


“coW.invitation.use.Rui”

このプログラムを起点にして、指が焦げるくらい大規模なコマンドを入力し始めた。


この世界に、転移ではなく転生させるコマンドを。


ーー ヅェイオ ーー


『バン!ババン!』


銃声が聞こえる。

私の幻影システムはちゃんと働いているらしい。


「実体を持った化仏か…」


この世界じゃ、軽く反則なんだけどね。


「クソ!またホログラムか!」


やってるやってる…って、違う、こんなことしてる場合じゃない。

私は、自らにステルスをかけて瑠衣の部屋に向かった。

ツァディもきっとやってくれてるから。あいつを信じて。


「瑠衣。」

「わあ!づ…ヅェイオ?びっくりした。」

「あのさ、計画があるんだ。君をあの世界に返す計画さ。」

「出来るの?」

「ただし、もうこの世界には戻れない。」


瑠衣は一瞬静止する。

でも、何かを考えると、直ぐに小さくて大きな声で私に言った。


「構わないよ。」

「よっしゃ。じゃあ、今から瑠衣を…そうだな、異世界転生させるよ。」


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