フォーギャザー
「良い?瑠衣、この施設の最上階に、とあるサーバーがあるんだ。瑠衣の力で起動できれば、まだ可能性はある。」
「うん…。」
ヅェイオはそう告げると、僕を廊下に置いて走っていく。
敵がそっちに行っている間に、僕は階段を駆け上がっていく。
「はあ…はあ…はあ…」
警察を掻い潜って、大きな木製の二枚扉の前に来る。
扉を蹴破り、中に入っていった。
どこかで見たことのある景色。
「ふう…」
ドアの前に棚を置いて、足止めをしておく。
僕は部屋の隅、窓辺に置いてある巨大サーバーに触れた。
一瞬だけ時間が止まり、しかしすぐに元に戻った。やっぱり…ダメなのかも…
「ん?」
すると、部屋の中心に置いてあるパソコンの電源が付いている。
LELLARAP WORLDが起動していた。
「!」
操作出来るキャラデータが一つだけある。
ユーザーネーム“ギロマ=レンホップ”。
僕はその見知った名前に一瞬だけ呆然としたが、今はもう賭けるしかない。
ゲームスタートをした瞬間、パソコンが水晶製のものに変わった。
画面の中心にはギロマさん。背景はギルド。操作は効かなかったけど、チャット欄が使えた。
Uーギロマさん!
Gー?
使える。
Uー僕です。ゼプトルーインです!
Gーほう。いつのまに手帳の中に入ったんだ?
Uーえっと、話せば長くなりますが、頼みたいことがあります!どうやらそちらの身体を失ってしまった様で…
Gー今ギルドから電報が入った、スチュウとお前が到着したそうだが、お前は昏睡状態らしい。
Uー昏睡状態?死んだんじゃ無いんですか?
Gー俺が知るかよ。で、頼みって何だ?
僕は事の本末をギロマさんに伝える。
Gーなるほど。で、そのササキって奴を見つけりゃ良いんだな?
Uーまあ、そうなるんですが…
Gー報酬は跳ね上がるぞ?何せ世界の防衛なんだからな。
ギロマさんは外に出ると、箒を呼び出して飛び乗った。
そうだ…このゲームが出来た時点で冒険者だったのはギロマさんだけだったのかも。
『ドン!ドンドン!』
「!」
扉が強い衝撃を受けている。
僕は慌ててパソコンの画面を閉じ、自分は机の下に隠れた。
『バゴン!』
「居たか?」
「いや…詳しく調べないと。」
警察が数名、部屋の中に入っていく。
「国家機密施設への侵入だ。終身刑で済めば良い方だぞ?」
「全く、犯人は何を考えているんだ?」
ブツブツとそんな事を話しながら、警察たちは出て行く。
ほっと胸を撫で下ろし、再びパソコンの画面を付ける。
ーー ギロマ ーー
全く、ここ最近は随分と忙しいな。
突然手帳が震えたかと思えば、ルーが話しかけてくるわ、世界がげーむ…だかに変えられそうだなんてな。
箒を最高速にする。少々魔力は張るが、数時間でギルド本部の要塞都市に着く。
「うお!」
なんだ?大地が、だんだん黒いもやに包まれていくな。
仕方ねえ。
「テレポート!」
ーー スチュウ ーー
あれ?
あの偽アイアンゴーレム、まだ追ってきてた。
スチュウは急いで幻影を放つ。
『ビュオン』
光の剣で、幻影は一撃で倒されちゃう。
どうしよう…このままじゃルーが…
『バシュン!バシュン!』
魔弾?
「ギロマさん!」
「よおガキ。ヒーローが助けに来たぞ。」




