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三位一体…いつも足りない

僕達は長旅の疲れがひどかったため、宿で1日を過ごした。


「あれ?ねえねえ、新聞にファコラお姉ちゃんが乗ってるよ!」

「ん?なんで?」


新聞には中くらいの文字で…


「行方不明!?」

「ふぇ!?」


宿屋の一室が凍りつく。


「えっと…引き返した方が良いかな?スチュウ…」

「本部には魔導船があるから、そこから帰った方が早いと思うよ。」


まあファコラさんの事だし、こっそり修行の旅とかに出たのかもしれないけど。

今は、僕達がギルド本部に着かないと。

部屋を片付けて、そろそろ宿を発つ事にした。


「じゃあ、僕達はこれで。」

「お客様、お釣りは…」

「良いよ、とっといて。」


宿を出ると、外の景色が変化を始めている事に気付いた。


「雪…」

「スチュウ、初めて見た!」


まばらだが、白い綿毛の様な雪が降り始めていた。

上手くいけば、今日中には遺跡に到着できるだろう。


「…クチュン」

「え?ルーってそう言うの大丈夫だからそんな装備じゃないの?」


考えてみれば、ずっと初期装備のままだ。

と言うのも、いつもいつも忙しく、装備を揃える暇が無かったからだ。

せめて、このパーカーにチャックが付いていれば…


「ううん、大丈夫だよ。早く行こうよ。」


街を出ると、今度は古びた石片が点在する道になっていった。

雪は次第に積もっていき、辺りは銀世界になっていった。


『ズボ!』

「うひゃ!』


僕の片足が丸ごと雪に突っ込む。

靴下から上、太ももまでもろ素肌だ。冷たい。


「大丈夫?ルー、無理しなくって良いってば…」

「大丈夫!本当に大丈夫!」


ルーは気まずそうに、自分の着ていた皮の上着を僕に着せてくれた。


「あ…ありがと…!?」

「どしたの?」


ルー、思ったより女の子らしい体つきだ…


「ごめん、上着脱いだルー初めて見るからさ。」

「ああ、宿でも一人用のお部屋だったからね。」


分厚い上着の下は、意外と洒落た格好をしていた。

元の世界のスクール水着に似たスーツに、ベルトやらポシェットやらが付いていた。


良いなぁアルバスクシリーズ。それ、ゲームではかなりのレア装備だよ。


「…そんなじーっと見られると、恥ずかしいよぉ…」

「あ、ごめんごめん。」


そう言えば、スチュウの職業ってファイターなんだ。

確かに、格闘術のスキルもあったし。


「プルプル…早く行こうよ、ルー。」

「うん。なんか…ごめん…」



ーー ファコラ ーー


「あんたは一体…」


魔導師でも、学者でも無い。

いや、この世界の物とは思えない服装の男が目の前に立っている。

森の中、あたしは水晶で拘束されていた。


「一本釣りとは行かなかったが、まあ結果は上場だろう。」

「あたしなんかを攫っておいて…目的は何だ!」

「ルー。」


なんて事も無いかの様に、その言葉を口にした。


「お前は…あいつが何者なのか知ってるのか?」

「少なくとも、君よりはね。」


男は切り株の上に座り、葉巻…に似た煙を出す白い棒を口にくわえた。


「君は、別世界を信じるかね?」

「はぁ!?お前、本当に頭大丈夫か!?」

「はっはっは、頭が大丈夫な人間なんて、是非とも会ってみたいね。」


男の口から、奇妙な白い煙が吐き出される。


「では、頭が大丈夫じゃない同士、もうちょっと分かり易い話をしよう。…人は誰しも欠点を持つものだ。完璧な人間なんて存在しないし、するとすれば機械、でなきゃ神だ。もっとも、ドムキスは例外だ。あいつは人間じゃなくなったが、欠点は残っているからね。」

「ねえ、質問に答え…」

「その水晶、見覚えはあるかね?」


あたしは、自分の腕を固めている水晶に目をやる。

確か、ルーもこんな…


「!」

「人は欠点を持って生まれる。中には、それを埋める事に一生を捧げる者もいれば、欠点を認め、共存する者もいる。何が正解で、何が間違いなんて物は無い。」

「お前…何者だ…」


男は立ち上がり、あたしの額に指を指す。


「異世界転生者ササキ…ルーと同じ身の上の者だ。」

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