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二年でモンスター六根清浄…不可能だね

「ぜんぜんモンスター居ないね、ルー。」

「う…うん。」


居るけど、スチュウの視界に入る前に僕が倒してる。

モンスターと戦うスチュウのあの姿、見てみたいけどなんだか可愛そう。


「あ!あそこじゃない?ウレの村!」


ウレの村は、普通ならギルド加入後すぐに向かう場所のはずなのに、まさかこんな形で辿り着くなんて。


「ん?」

「着いたよ!ウレの村。…どしたのルー?」


廃墟と化した家々が立ち並び、辺りには無数のモンスターが溢れていた。


「気を付けてね、すごく危ないダンジョンなんだって!」

「えっとスチュウ、ここが本当にウレの村?」

「そだよ?昔々に滅んじゃって、今は人里型ダンジョンになってるけどね。」


人里型ダンジョン?確かゲームのダンジョンタイプは遺跡型とか洞窟型とかだけだったのに。


「おやおや、可愛い姉妹さんだ事。よく来たね。」

「!」


不意に後ろから話しかけられる。

麻の厚着を着た白髪の老人だ。


『グルアアアアア!』


今度は前からブラッドビーストが現れる。

ブラッドビーストの真っ赤な爪が老人に振り下ろされようとしていた。


『シャキン!』


老人の袖口から仕込み刀が現れ、ブラッドビーストを一刀両断した。


「ここはー昔前と違って物騒だからねぇ、ほれ、取り敢えずわしのうちに来なさい。」

「あ…ありがとうございます…」


老人はその刀でモンスターを次々と屠って行いきながら、僕たちは廃墟に混じる普通の家に入っていく。


「施錠魔法っと。」


中は意外と綺麗で、どこかで見た事のある部屋だった。

あれ…もしかして…


「君達はどこかに向かうのかい?」

「はい、ギルド本部に呼ばれたので。」


老人は、湯気の立つ湯呑みを少し啜る。


「ギルドか、懐かしいね。この村は冒険者に助けられた事があるんじゃよ。」

「それって、ジブラティの洞窟から癒し苔を取ってくるクエストですか?」

「あぁ、確かそうだね。あの時は村が一瞬だけ助かったんだよ。」


老人は、クッションの上で眠るスチュウを眺める。


「ああ、この村が滅んだのも、その冒険者のせいなんじゃがな。」

「?」


老人は戸棚から、古びた手帳を出してきた。


「ああ懐かしいね、昔を思い出すよ。惰性で冒険者なり、バカな計画に加担した記憶が蘇るよ。」

「そう言えばずっと気になってたんですけど、その計画って何ですか?」

「ああ、モンスター掃討作戦、今じゃそう呼ばれている。」


老人は、しわがれた指で手帳のページをめくる。


「昔、各ギルドの冒険者が対立していた時代があった。ギルドバトルとか言うのを繰り返しておってな、まあ、平和ではあったのう。」

「ええ、決まった時間にやってて、勝つとポイントを貰えるのですよね。」

「ポイント?それはよう分からんが、まあ毎日毎日やってたのう。」


老人の戸棚には、いくつもの勲章が掛かっていた。

その全てが、モンスターの略式記号の刻まれた金製のものだった。


「当時子供だったわしは、村を救った冒険者に憧れて冒険者になったんじゃ。その頃からかのう、クエストが特定のモンスターの撲滅作業になっていったんじゃ。」

「………」

「初めはスライム、次にゴースト、当然、弱いモンスターから消えていったんじゃ。」


勲章も左からスライム、ゴースト、ウルフ、ケイブと続いていた。


「しかし、わしら冒険者にも限界が近ずいてきたんじゃ。人狼を境に、次第に死人が出始めるようになったんじゃ。人間の戦闘力は変わらず、モンスターの戦闘力は上がっていくんじゃからな。」


あれ…あの本棚の上にあるのって…


「そして、エレファントゾンビを最後に、掃討は不可能になっていったのじゃ…」

「あの、あれってどこで手に入れたんですか?」

「おう?」


老人は本棚の上に手を伸ばし、その水晶製のディスクを手に取る。


「ああ、昔知り合いの冒険者に貰ったんじゃ。わしにはさっぱり使い道が分からなくての。」


それは間違いなくRAMディスクだった。


「その、なんて名前の冒険者ですか?」

「確か、ササキじゃな。」


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