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ルーの存在意味、二つ三つと増えていく

「確認したけど、あの後森で蜘蛛は一匹たりとも確認されなかったって。」

「良かった、グリムリーパーは今となっては保護対象だからね。」


蜘蛛狩りのクエストは、バレノほどではないがなかなか羽振りのいい仕事だった。

しかし、このパソコンのモニターをどこで手に入れたのか見当もつかなかった。


「ねえツァディ。」

「はい、なんでしょう。」

「ツァディはこのモニターの事知ってる?」

「はあ、いつのまにか出現する様になってましたね。」


今のところ、コマンドの保存くらいにしか使ってないけど。


「ツァディってなんか食べるの?」

「私は、時空圧縮時に消費される瑠衣様のエネルギーを拝借していますので、ご心配なさらずに。」

「え…?」



ーー 森の少女 ーー


『おうい、なんだ最近ニヤニヤして。』

『みんなの巣が帰ってきた上に新しい友達が出来たんだもの、こんなに嬉しいことはないわ。』


人間の友達かぁ…


『そう言えば、ルーは貴方達の事をグリムリーパーって呼んでたけど。』

『ああ、種族名さ。君だって人間だろ?』

『へえ。リーパー(死神)だなんて、物騒な名前ね。』

『人間は同族以外の大抵の場合、見た目で名前を決めるものさ。』


ルーは、私にもグリム達にも優しくしてくれたな。

きっと、凄く良い人なんだろうな。


『ごめん、そろそろ酸欠でクラクラしてきた。』

『ああ、心配無いよ。』


首飾りに付いている笛から口を離す。

軽く水で洗いながら、ルーのことを思い出した。


『君は本当にあの人間の事が気に入ったんだね。』

「(コクコク)」

『なら、今度遊びに行けば良いよ。多分あの人間は、森を北に抜けた先の街に住んでるだろう。』

「!?」


でも、私は森を出た事がない。


『そんなに心配することは無いさ。君が思う程、森の外は危険では無いよ。まあ、ヴァイオレントナイトには注意が必要だけどね。』

「…………」

『そうだ、これを使うと良いよ。』


彼は物置から、大きな剣を持ってきた。

すごく古そう。


『この剣には魔法の力が宿っているんだ。君のお父さんが使っていた物だよ。』

「!」

『あの街の近くのモンスターなら問題ないと思うよ。』

「(ぺこり)」


話がなんだか現実味を帯びてきて、ワクワクした。



ーー 佐々木修(ゲームデザイナー) ーー


「本当に、こんな薬使うんですか?」

「でなきゃ、私の財産を使って君達にこんな研究はさせないさ。」


四角形の白い錠剤を、研究員が手渡した。

ゼプトルーイン…もとい、川瀬 瑠衣に使った物を改良したものだ。


瑠衣に使ったのは、表向きには最強の毒薬、現その役目も果たせないことも無い。

不適正者に使っても、ただ永遠の昏倒に導くだけだからね。

しかし瑠衣にとっては、異世界転移のトリガーになった。

彼女の抗体を分析し、解読し、複製し、薬に取り入れる。一番手っ取り早い方法だ。


データは充分、あとは改良あるのみだった。


「そうだ、これの名前を何にしようか。」

「ええっと、バールなんてのはどうでしょう。」

「嵐と慈悲の神か。なかなか良いじゃないか。」


しかしまだ研究段階、今飲んでも効果が出るかどうかは分からなかった。


冷凍保存されている瑠衣の身体を見る。


「君のおかげさ。ルー。じきにそちらに向かうから、アムムトでも焼いていてくれよ。」

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