20万ゴールドで売れた良かった
誤字報告ありがとうございます!
反映しました!
「………」
「………」
あれからしばらくここで座っているけれど、一向にかかる気配は無い。
初めての釣りの舞台が、山の頂上だとは。
『キキキ…』
すると、スチュウの釣竿に力がかかっているのが見えた。
いつのまにか、眼下には空を浮遊する不思議な生き物がたくさん現れていた。
「やった!釣れた!」
スチュウは、前見た種類とは別の姿の魚を釣っていた。
それと同時に、僕の釣竿にも力がかかる。
「お!」
コマンドで、釣竿の耐久値はマックス。
「うぐぐ!えい!」
竿を引き上げると、かかっていたのは妙に細長い魚。
「すごい!ルーが釣ったの、エドアシナだよ!」
「え…えどあしな?」
僕には、紺色をしたただのうなぎにしか見えない。
「エドアシナはね、とっても美味しいんだよ!」
「へえ。」
スチュウは紐を一本取り出して、自分の釣った魚をそこに括り付けた。
「ん?ルー、まだ釣るの?」
「うん。もうちょっと、別なのも釣ってみたいからね。」
「わかった。じゃあスチュウは、もうちょっと、付き合うよ。ってね。」
またしばらく時間が経過する。
流石にうつらうつらしてきた時に、不意に釣竿に力がかかる。
「!」
「引きが強いね。手伝おっか。」
スチュウが後ろから竿を引っ張って、やっとの思いでその魚を釣り上げた。
「すごくおっきい!アマノアギトだね!」
スチュウがギリギリ飲み込まれそうなくらい大きな魚が釣れた。
アンコウのように大きな口と、ゴツゴツとした肌が特徴的だった。
「ねえ、これってどんな魚?」
「えっとね、アマノアギトの歯はナイフとか武器とか装飾品とか、外皮は城壁とか鎧とかに使われるくらい頑丈なんだよ。」
よかった、それなりに高く売れそうだ。
「そろそろ帰っちゃお。今日は長くいたから、暗くなる前にいかないと。」
すると、スチュウは崖から、隣の小高い岩山めがけて飛び降りた。
そのまま見事に着地し、今度は地上に降りていった。
僕は…まあ、いつも通り。
”coW.tp.me.my home”
瞬時に帰った先は僕の部屋だったので、大きなアマノアギトを持って地下から出てきた。
「ただいまー!あれ、ルーの方が早かったー!」
「よいしょっと、この後どうする?」
「捌く!」
スチュウは、ギルドの訓練所に向かった。
「ギルドマスターさんがここ貸してくれたんだ!スペースが必要だからね。」
小刀を取り出し、慣れた手つきで切り分けていく。
「ルーのもやったげる!」
「ありがとう。」
スチュウの手つきは昔、元の世界にいた時のマグロの解体ショーとほとんど同じだった。
あっという間に身とそれ以外が分けられ、歯や皮を持ってどこかに向かう。
「おじいちゃんおじいちゃん!これお願い!」
ここは…道具屋かな。
「おお、冒険者になったスチュウじゃ。今日はまた多いのう。」
「友達が一緒に来てくれたんだ!ルーインって言うんだ!」
びっくり、ゲームの中と同じ人だ。かなりお年を召してられるけど。
「やあいつもいつも助かるねぇ。雲魚の素材を売ってくれるのなんて、もうスチュウだけだからねぇ。」
「どういたしまして!」
「はい、雲魚の皮が二枚に、アマノアギトのアゴが一個、雲魚の脊髄が二本。合計で…」
「待って、皮と脊髄いっことアゴはルーのだよ。」
「おお、すまんすまんなら、スチュウの分は17万ゴールドじゃな。」
道具屋はスチュウに、麻袋いっぱいの金貨を手渡す。
「さて、君の分は…端数切り上げで20万ゴールドじゃ。」
「おお!」
重いのほか稼げた。
「ん?今気づいたんですけど…硬貨に魔法かかってます?」
「おお、やっぱり気づいたか。いやぁ複製防止にいつからかかけられるようになったんじゃよ。」
どうりで所持金変更が聞かなかったんだ。
「ありがとうございます!」
「ほっほっほ、こっちも助かったよ。」
ようやくまともな資金を手に入れた。
…いや遅くない?




