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突然の一月七日

「ええ!?どうして後から入ってきたスチュウの方がお金持ちなんですか!?」


今、ギルドマスターに文句を言っているとこだ。


「本当にすまない。君に紹介できるクエストなんて早々ないからね。」

「どういう事ですか!」

「君に回る前に他の冒険者が受注しちゃうから…あ。」


すると、タンスの中から何やら古そうな紙を取り出した。


「君にはこれを頼みたいんだ。」

「どれどれ?」


クエスト:万夢の花

内容:バレノ一体の討伐


「え…バレノ?」

「この紙を見ただけで、並の冒険者は逃げちゃうんだけど…」


報酬額170万ゴールド…借金をギリギリ返せる。

それにバレノ周回はゲームでは有名な金策だ。僕も討伐カウントをカンストさせるまで狩ったものだ。


「即刻受注します!」

「良かった…もう四年もほったらかしだったからね。このクエスト。」



蔦の生えた城跡。何万回と通い詰めたステージだ。

やっぱり、ゲームとほぼ何も変わっていなかった。


『シュルシュル…シュルシュル…』


一本の蔦が石垣の下に消えていく。と、次の瞬間。


『バコーン!』


石垣を突き破り、一輪の巨大な花が現れた。

何かが腐ったような甘ったるい臭気と、血のように真っ赤な花弁を振り回す。

恐怖も何も感じなかった。ただ、いつも通りの作業が始まる物だとしか思わなかった。


さてと…


「やっほーツァディ。」

「ようこそコマンドハッカーへ。なんてね。」


”coW.kill.baleno”


バレノの茎の中心が巨大な爆破を起こし、その巨大な花はミシミシと倒れていった。


「……」


…なんだか…意識が…そうか、バレノは討伐後に催眠ガスを放つんだった…

図鑑説明文を覚えておけば良かったと思いながら、僕は意識を失った。


………………


『ガン!』


僕は何かに頭をぶつけた。金属質の冷たい物に。

妙に寒いし、狭いし、真っ暗だ。一体何が…


『ギュオン!』

『わわわわわ!」


滑り落ちるように、僕は横になったまま外に出た。

確か…マフィアのアジトでプログラミングしてて…


「何の音だ?」

「どうせまたネズミだろ。」


誰か来る…よく見ると、ここは…死体安置所?

そうか確か殺されて異世界に…ん、異世界?どうしてそんなワードが…


「わあああ!い…生きてる!」

「おかしい…死亡確認から二ヶ月だぞ!」


白衣姿の二人の医者が現れた。


「えっと…ここは…」


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