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神子(かみこ)  作者: れいちr
90/149

神子2≒44

小さな人狼の国


そこはガランとしていた


一切人狼の姿はなく

生き物もいない


そしてシラヌイは心配そうな顔をしていた


一「どうした、犬」


シラヌイ「犬と呼ぶな!」


一「いいだろ、犬」

とももに持ち上げてもらいシラヌイの耳を触りながら


シラヌイ「っ……」

と何かを感じてるようだ


一「どうした、犬…わんちゃーん!!駄目だ反応がない」

とまだ耳を触っている


酒呑「やめてやれ…俺の角みたいなものだ」


一「うわお!角もそんな感じなのー?じゃあ今度ベタベタ触ってやろー!」


酒呑「やめてくれ?!」


すさび「主様ー、どうだ犬の耳は…」


一「ふっわふわーともっふもふってしてるー、にしてもー、嫌がらないな」

とまだまだ触る模様


シラヌイ「っ…は…ぁ」


一「そうか!これが好きなのか!犬!」

ともっと耳を触る


すさび「なんか変なスイッチ入らなかったか、あれ」


もも「………私は………何も見てません…………というか見えません………」

と現実から目を背け


すさび「はあ…旦那も大変だな…」


シラヌイ「く…ぅ…」

と耳を触られながら


一「おお、ここがいいのか犬!」

とまだまだまだ触る


酒呑「大変だな…」


突然一いちの手の動きが止まる


一「犬、聞こえるか、“獲物”がこっちを狙ってるぞ」

と耳打ちし


シラヌイ「!っ…は、は、離せ…」

とバッといちの手を掴むと同時に拘束する


一「おお、出来るじゃないか、犬」

と拘束されつつ


もも「主様に何を?!」


すさび「お前…主様になんてことを…」


酒呑「お前!!」


シラヌイ「………静かにしろ…でなきゃ…コイツ…を…噛み砕く」

と震えながら


一「噛み砕くんなら震えるなよー、シラヌイ」


シラヌイ「っ……く………そ………」


もも達は手が出せない状況なのに


いちは何もする気配がない


「今だかかれ!」


といっせいに人狼達がどこからか現れ襲ってくる


一「はあ…イハツツノオ守れ」

と皆を守るよう指示


すると皆を守る岩の箱が出来る


シラヌイ「?!」


一「いいか?お前、いやお前らは俺達に勝てるたまじゃない、退け」


だがまだ人狼達は諦めてないようだ


シラヌイ「…お前が何をしたかは知らんが………俺の指示じゃ…あいつらは動かん…一生ここに籠りっぱなしだ」


一「ふーん、退け無いなら殺しちゃうよ?」


シラヌイ「それは俺が知ったことじゃない、あいつらは俺を罵倒してきた、死んでも知らん」


一「ん、そうかい」

といつの間にか拘束を解き


グシャアッ、グシャアッと音が聞こえる


シラヌイ「…………」


一「なんの音だろうね」


シラヌイ「………あいつらが死んだ音だろう」


一「いや違うね共食いしてるんだなー、これが」


シラヌイ「!ここから出せ!俺が統治する!」


一「やっとやる気になった?でもできる?君みたいな犬に」


シラヌイ「できるかは分からない……でもこの状況を打破するにはやるしかない…!」


一「よく言った!偉いぞ犬」

と頭をジャンプして撫で


シラヌイ「!っ…」


一「イハツツノオ、もういいぞ」

と岩の箱を解く


すると急に襲いかかってくる人狼達


「駄目王子でもやるじゃねえか、獲物をおびき寄せるくらいわ」


シラヌイ「ここの国は俺が統治する!!!」

と人狼達の動きを止まりざわつく


「ああ?何だって?駄目王子のお前がか?統治するならリリス様だろうが!!あの女神だろうが?!」


シラヌイ「我々は女神に頼らずとも生きていけるはずだ」


「女神を侮辱するのか…?!」


シラヌイ「そうではない、我々は女神に依存している!ここは現世に生きる者が統治すべきだ」


「…………」


一「リリスってさ、男誑かすんじゃなかった?」


もも「そうですね、確か」


「貴様女神を侮辱したな!死刑だ!」


一「別に死刑でもいいけどー、いいの?妖怪の国全体にお前らの悪行(いちを死刑にする事など)、知れ渡るけど」


「どういう…意味だ」


酒呑「俺の嫁だからな、すぐに知れ渡る」


「なんだお前達は」


酒呑「俺は…酒呑童子、じき妖怪の国の王だ」


「何故鬼の国の王子がいる?!駄目王子の仕業か!!」


一「ま、いいじゃなーい、反乱する者がいるなら力でねじ伏せるよ?」


シラヌイ「!……」


「力だと?人間のお前らに何ができる??」


一「人間?そんな者はここにはいないよ、人間に見えるだけさ」


「なんだと…」


一「俺は神!よろしく!!反乱者共!」


「神…なぜ神は俺達の味方をしない」


一「神は平等ではない!(イエス・キリストを除く)君達に味方する神がいないのは君達が食べてきた人間の数いないよ、血に飢えてるのはどこも同じだな、まあまあ、一旦シラヌイに任せてみろって」


「駄目王子に任せてどうなる…何も変わりやしない」


一「変わるさ!いや、変える覚悟があるんだろ?シラヌイ?」


シラヌイ「ある!王がいない分は俺が負担する、やろう、俺が王を…!」


一「なーら任せたよ」


「見てやろうじゃねえか、お前の覚悟を」


一「なら帰るかなー」


「帰らせねえよ」


一「おや、ここに反乱者が1人?」


「さっきの俺達の行動を口外しないなら帰らせてやる」


一「罰を受けたくないよ〜とハッハッハ!」


「お前…」


一「罰なんざ受けないさ、てかもう受けてるだろ他のやつが」


「なに?!」


一「共食い〜それが罰さ〜あ、まだ生きてるんなら治してあげるよ、持ってきな」


「………いけ」


と負傷者がいちの前に行く


どうやら女のようだ


一「………手をお貸し」

とその負傷者の手を噛み傷を癒やす


「!てめえ本当に…」


一「神だよ?」


「認めてやるよ…お前もシラヌイも…王になる事を、なあ!そうだろう!」


と人狼達は歓喜している


一「これでよし、さ、かーえろ!」

と一同は帰る

お読み頂きありがとうございました

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