神子(7)裏
一「そういえば俺、吸血鬼の国に招待されてたんだった」
もも「ほう、行ってみては?」
酒呑童子「なに……少し前にクーデターが起きた場所に行くのは危険では無いか?」
一「別にいいんじゃないか?何ならてーんちゃんも一緒に行く?」
酒呑童子「ああ、それなら行かせよう」
もも「なっ、私も!」
一「大丈夫だって!もも!鬼の王子様がついてくれてんだから!」
もも「ですが…!」
一「もしこれが、最期だとしても良いように言いたい事や、やりたい事、やろうぜ?」
とももに耳打ちし
もも「一…好きですよ…いつまでも、貴方がどこへ行こうがどこまでも愛し続けます…いつまでも…」
と耳打ちし
一「ああ、ありがとうな、俺も好きだよ」
酒呑童子「なんだそこ!夫婦で話し合って嫉妬するぞ」
きりく「そーだ、そーだ」
と便乗
すさび「俺は諦めたけどなまあ、嫉妬するなら、嫉妬しとけ」
あず「全く仲良しなんだから!」
一「はは、悪いな、てんちゃんじゃあ付き合ってもらうぜ」
と一と酒呑童子は吸血鬼の国に行くことになった
一達が帰ってきたそうだ
死体となって…
もも「主様…」
すさび「……」
きりく「主様…」
あず「主様…」
全員、悔しがりつつ
酒呑童子「………守れなかったそうだ…」
もも「やはり、こうなりましたか」
酒呑童子「悪いな、俺がついていながら」
もも「いえ、運んでいただきありがとうございます」
酒呑童子「いや、いいんだ、運ぶくらい」
もも「もう、吸血鬼の国には行けませんね」
酒呑童子「ああ、行かせるものか」
すさび「……元の場所に置いておこうぜ」
きりく「そうだな」
と前に死んだときの場所に運び
あず「あっちで元気でいるといいなー」
もも「そうですね…」
酒呑童子「あっち?」
もも「根の国(底の国)の事です」
酒呑童子「一はそこにいるのか?」
もも「ええ、そうですが、あるのは魂だけです」
酒呑童子「魂か…」
もも「変な気を起こさないでくださいよ?」
酒呑童子「………わかっている」
あず「さて服の準備しようかな!」
酒呑童子「服?」
あず「そう!主様の服!いつ帰ってきても良いように」
酒呑童子「そうか…」
もも「そうですね、任せましたよあず、私達は主様がお帰りになるのを待つのみです」
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