妖怪の薬種屋
よいしょっと…
これとこれを混ぜ合わせて
「ふー…やっと出来た…丹薬」
バンッ
扉が開く
「あの!!誰かいませんか!」
「……」
私は隠れる
「助けてください…王子が敵に……!」
サッ
私は塗り薬をサッと出し隠れる
その間0.5秒
「ありがとう助かります…」
塗り薬を持って王子のもとへ駆け出す
バタン…
扉が閉まる
「はあ…やっと行った……」
「というのは嘘です、ここの調査に来ました」
急に後ろに現れる人間?
「や…来ないで…」
崩れ落ちる
「………本当に人間のようですね、安心して下さい、私も人間です」
「………違う人じゃない、あなたは…鬼…」
「流石は妖怪の薬師妖怪の種類も覚えてる…と…」
と変身を解く
「う…こないで…近づかないで…!」
「そんなに嫌うことはないでしょう」
近づいてくる
ドン
てか押し倒された
「う…やめて…これ以上近づいたらただじゃすまなくなる…」
どんどん迫ってくるので…
どんどん後ろに下がっていると
トン
壁についてしまった
「終わりです、話を聞いてください」
「じゃあこれ以上近づかないで…」
「…………わかりました」
渋々嫌そうに離れていく
「もう…遅かったか…」
「…………何がです?」
「……いえ何でも、で、薬の知識を盗みに来たと?」
イバラキ「………いえ、そういうわけでは…まずは自己紹介をしましょう、私は鬼の国のもの、茨木童子と言います、あなたは…?」
キツネ「(簡単に真名をはなすと、でも、キツネでお願いします」
イバラキ「キツネさん、あなたは何故人間ながらに妖怪を助けてるんですか?」
キツネ「私の親は妖怪に殺されました、ですが私は妖怪はそんな悪いものだと思っていません、親を殺されたのにです、だから妖怪、人間に効く薬を作って売ったりあげたりしています…」
イバラキ「なんの妖怪に殺されたのですか」
キツネ「鬼…」
イバラキ「っ…」
キツネ「悪鬼羅刹ですだから…正確には鬼じゃなかったかもしれません」
イバラキ「いえ…悪鬼羅刹は鬼です」
「やっほー、調子どう〜?」
キツネ「ヒジリ!?来てはだめ」
ヒジリ「なにー…なんでイバラキいんの…しかも男!」
イバラキ「男でいけない理由が?」
ヒジリ「キツネはね男が苦手なんだよ特に妖怪の!!出ていきな!」
イバラキ「それはできません調査ですので、あなたからは…姫の…」
ヒジリ「僕はイチの神格化ifだからだよ、そしてこの子の親代わり」
キツネ「姫…?」
ヒジリ「ヒ・ミ・ツ」
キツネ「…」
ヒジリ「よしよし怖かったね」
キツネの頭を撫でる
キツネ「ヒジリー!」
抱きつく
ヒジリ「そんなに怖かったの?」
キツネ「お、おおお押し倒されて……危なかった、もう遅いかも」
ヒジリ「しつこいからねえ、あれは…」
イバラキ「あれとは私のことでしょうか」
ヒジリ「君もとい君じゃないものさ」
イバラキ「………そう言えばこの子…も」
ヒジリ「!、キツネ少し席外して調合でもしててくれる?」
キツネ「うん」
キツネは席を外す
ヒジリ「イバラキ、これから言うことはキツネにも話していない事だ…」
イバラキ「何でしょう」
ヒジリ「イチに任されたんだよ第三の子…鬼の姫を、だけど人間の血が濃いのか人間の姿してるんだよね、酒呑童子とイチの子…だよあの子は妖怪に関わらないように記憶を埋めたけど優しすぎる、逆効果だったみたいだ」
イバラキ「では……あの子は…姫……」
ヒジリ「イチは今遠い世界にいるけどね…酒呑童子は知らないよ、姫がいること」
一方キツネ
キツネ「なんでイバラキと話す必要があるんだろう」
「どうしたんだい?」
キツネ「タマモ…お父さん…」
タマモ「無理に父と呼ぶ必要はないよ、義理の父なのだから」
キツネ「うん…どうしたの?薬?」
タマモ「あーまあ…それもあるんだけど何だか心配でね」
キツネ「ありがとう、でなんの薬?」
タマモ「傷薬をくれると嬉しいな」
キツネ「塗り薬でいい?」
タマモ「助かるよ」
薬を手渡した
キツネ「タマモだけだよこうやってお話できるの」
タマモ「ヒジリから頼まれた時は驚いたけどね」
ヒジリ「話し終わったよーあ、タマモじゃーん」
イバラキ「………」
タマモ「おや鬼の補佐も一緒か」
イバラキ「騙し狐ですか」
タマモ「失礼な、もうやめたよ」
イバラキ「キツネさん」
キツネ「なんですか…」
イバラキ「妖怪の国に来てください」
キツネ「!、い、嫌です!」
ヒジリ「君!キツネになんてことを言うんだ!」
タマモ「……」
キツネ「何でですか!理由を!求めます!」
イバラキ「私が好きになってしまった…からです」
キツネ「!……」
プルプル
震える
やはり遅かった
キツネ「嫌…と言ったら…」
イバラキ「無理にでも」
ヒジリ「君…!!神の権限で別世界に送るよ!!?」
イバラキ「そうなっても構いません、キツネあなたと居られるなら」
キツネ「……王子がいない今姫が必要なのでしょう…」
イバラキ「そうでは無く!!」
ヒジリ「聞いてたの?!」
キツネ「赤ん坊の頃から記憶があるの…ヒジリ行っていい?」
ヒジリ「君が行くなら僕も」
タマモ「元気で、すぐ会えると思うけど」
キツネはイバラキドウジと共に妖怪の国に行く
もちろん丹薬も忘れずに持って
妖怪の国
ここまでは世界の破壊は進んでいないようだ
イバラキ「ただ今戻りました」
キシン「おお帰ったか」
シュテン「………………おかえり」
キツネ「(この人が本当の…、…………キツネです」
キシン「薬師か本当に人間なのだな」
シュテン「イバラキ何故連れてきた」
イバラキ「姫なのです、ラキク王子に続き、姫なのです」
ヒジリ「…………それは僕が説明する」
と説明し終わる
シュテン「俺の…第二の子…だと…イチは?イチはどこにいる!」
ヒジリ「だーから!遠い世界にいるっての」
キツネ「すみませんやっぱり帰り…」
イバラキ「大丈夫」
ポン
とキツネの頭を撫でる
キツネ「イバラキ…さん…」
キシン「で…そろそろ交代の時期だなシュテンよ」
シュテン「………」
キツネ「(帰りたい、……………お父様母上をなくさられただけで王の座を捨てると言うのなら私が貰い受けましょう!」
何言ってんだろ
シュテン「…!駄目だ俺がやる残ったお前の為にも」
こうしてキシンからシュテンに王が変わった
イバラキ「思い切った発言をしましたね」
キツネ「お父さんを動かすにはこれくらいしないと、で帰っていいですか」
イバラキ「もうここがあなたの家ですよ」
キツネ「はい…イバラキさん…」
イバラキ「さんなんてつけなくていいですよ姫、それと結婚して下さい姫」
キツネ「(出た…天津一族の呪い…、半径50㌢に入ったものを虜にする呪い、それは真実の愛ではない、それに天津一族は寿命が短く病弱なのです」
イバラキ「これは真実の愛です、病弱も妖術でなんとかしましょう」
キツネ「病弱や寿命はなんとかできます薬師ですからこれで何とかこの丹薬を飲めば」
イバラキ「丹薬!?そんな物まで作れるんですか…半分くれませんか」
キツネ「良いですよ」
半分に分け
キツネ「ハイッ!」
イバラキ「違いますよ…こうです」
とイバラキは半分を口に含みそれをキツネに口移ししてきた
キツネ「ん!?」
イバラキ「ほらあなたも」
キツネは紅くなりながらもやった……
妖怪の国は平和が続いているらしい?
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