第九話 告白
さて。冒険者ギルドに身分証を作りに行っただけなのに大変なことになってしまったな。
色々気になることが増えたな。
この際、後でゼウスに一気に聞いてみよう。
「ミーコ。この街でオススメの宿屋はあるか?」
「………」
「ミーコ?大丈夫か?」
「あ!はい!大丈夫です」
「ここら辺でオススメの宿屋はあるか?」
「はい!案内しますね」
どうしたんだろう。ミーコの様子がおかしいな。後で聞いてみよう。何かしてしまったのかもしれないしな。
「ここの宿です。私の知り合いがやっている宿屋なので、安全は保証しますよ。
叔母さんー!ミーコです」
「おお!ミーコちゃんじゃないか!ファラドにお使いかい?」
「いいえ。私旅に出ることにしたんです!このアスカさんと!」
「ほう。村の誰にも振り向かなかったミーコを射止めるなんてなかなかやるじゃないか!幸せにしてあげなよ!」
「叔母さん!そういうのじゃないって!」
「何照れてんだい。ここに来たってことは部屋を借りるんだろ?308の2人部屋を使いな!お祝いに宿代を無料にしようじゃないか!」
「ふ、ふ、二人部屋!?むむむ…嬉しいけど…まだ心の準備が…」
…俺が口を出さないで話が一瞬で進んで行ったな。まあ、二人部屋でもベッドは二つあるんだろうし大丈夫だろ。
「叔母さん。それで大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
「おお!肝が据わってるじゃないか!
よし!ミーコ行ってこい!」
「ミーコ、行くぞ」
「え!?え!!」
「ほらはやく」
少し手を握ってあげた。
「も、もう知りませんからね!!!」
あ。鍵を持って行ってしまった。よし、追いかけるか。
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何ということでしょう。俺が部屋に入って一番に目が入ったのがとても。とても大きなベッド。二つ?いや、一つだよ。何でだよ。
普通なのか?これがこの世界の常識か?そんなバカな。
女の子と二人ベッドなんてヤベェよ。なんなんだよ。。。
平常心だ。俺。平常心。
「ミ、ミーコ?ベッドって二つあるもんじゃないのか?」
「…アスカさん。男女が二人部屋って言ったらこうなんですよ。常識です。バカ。」
「すみませんでした…」
俺は思いっきり頭を下げた。もう今まででいちばんのスピードで。
「ふふっ。やっぱりアスカさんらしいですね。」
「ははっ。いや、本当に何も知らないって思い知らされたよ。
…ミーコ。話したいことがあるんだが、いいか?」
「なんですかー?」
「俺は異世界から来た。そして、固有魔法使いだ。」
「え?」
それから俺はミーコにいろいろ話した。神にこの世界の調査を頼まれたということ。俺が第八階位の固有魔法を使えること。
「そうだったんですか」
「今まで騙してたみたいですまなかった
…嫌いになったか?」
「!そんなことはありません!大好きですよ!」
そんなおおっぴらに告白されてもな。しかも言った後に気づいて悶えないでくれ。こっちまで恥ずかしくなってくる。なんで可愛い生き物だ。
「ミーコ。俺もミーコのことが好きみたいだ。さっきやっと気づいたんだ。この気持ちは好きってことだってことに。絶対に幸せにするから付き合ってほしい」
「え?ええ???」
「…ダメか?」
「い、いえ!!!こちらこそよろしくお願いします!こんな私でよければ!是非!アスカさんに釣り合うように頑張ります!」
「ミーコは十分可愛いよ」
「そ、そんなことないです!」
「ははっ。今日はもう遅いしとりあえず寝ようか」
「はい!そうですね」
ここで二人とも思い出した。ベッドが一つしかなかったことに。
お互い初めての好きな人と添い寝して、あまり寝れなかったのは言わずもがなである。
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