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二郎ちゃんキレる

大陸中央部亜人連合オーガ族集落


族長!

(また村が襲われてました!)

(副長、報告は正確にせんか!)

(ハッ!人族との国境に近いサセボ村が襲撃を受け残念ながら女子供、合わせて30人以上が殺害されていました!)

それと・・・(殺害された中には御子息が含まれていました。偶々村に立ち寄った際に巻き込まれた模様です。村人の話では、賊から村人を守ろうとし抵抗して斬られた模様です。)

(うむ。・・・偵察を得意とする者を中心に部隊を編成せよ!ワシが率いて賊を追う!)

(待って下さい!兵の殆んどは東で生まれた魔獣討伐に出ております。)

(分かっておる!集められる人数はどれだけいる。)

(・・・100人が精一杯かと?)

(充分だ!それで良い。)

(待って下さい。万が一があってはなりません。せめて、追跡は私にお命じ下さい。今回の襲撃は解らぬ事が多過ぎます。今まで越境まではしてこなかった猿共が川を渡った事といい、襲撃者の人数も不審な点があります!それに・・・)

(分かっている!それでも行かせてくれんか。頼む。倅には常に民の楯となれと教えてきた。あれはワシの言葉を最期まで守ってくれたんじゃ!)

頼む・・・(分かりました。ただし必ず無事にお戻り下さい。)

(ふっ!分かっておる、副長後は頼む!)

ハッ!




「あ〜皆聞いておると思うが、ガキ共が悪さ仕出かしての」・・・

「まぁ殺っちまったもんは仕方なかろう。」

「それよりコレからどうするね?」

「まぁロバの村は喧嘩は買うんが基本だが、売っちまった以上は殺るしかないわな。」

うむ。「ではとりあえず国境沿いの偵察を多くするか?」

"賛成!"




まさか村の掟が喧嘩売ります買いますレベルだとは、夢にも思わなかった。

どんだけ脳ミソ筋肉なんだよ?

まぁお陰さまで目出度く兄ちゃん達は拳骨喰らっただけですんだ。

なんぼ馬鹿兄貴でも死んで欲しくはない、多分?

そんな訳でおニューの槍を引っ提げて偵察任務に来たけれど、


「おい!お前はゴンザレスさん所の二郎ちゃんだろ。」

「はい、そうです。おじさんは?」

「俺は偵察組のポールだ。」

「二郎ちゃんの槍は偉くオシャレな槍じゃなあ?」

「お兄ちゃんから貰いました。」

「そうかそうか、そりゃ得したな。」

「はい!」

「しかし何で子供のお前が偵察組に混ざってるんだ?」

「あ〜それはウチのお兄ちゃんがヤンチャしちゃったからその尻拭い。」

"ガハハハ!"

「そんな事は気にする事無いのに、まったくゴンザレスさん所は律儀だなぁ。」


イヤイヤ気にするでしょう!普通は!

兄貴達締め上げて吐かせたらメチャクチャ殺ってたもの!

それが拳骨で済むほうがおかしい!でも何故か済んじゃうのこの村では!


「おじさん、やっぱり戦争になるのかな?」

「さあな?そりゃ相手次第だろ?来る時はほっといても来る?気にしたってしょうがない!考えたって判らんもんはわからん!それに・・・」

「それに・・・」

「考え過ぎると頭痛くなる!」


うん!この人も駄目だ。


"坊主!静かに!"


えっ?

敵?

囲まれてる?


"ザッザッザッザッ!"


ウワッ?デカ!こいつオーガか?


(人族の少年、聞きたい事がある?)


えっ?俺?


「二郎何もしゃべるな!」


(オイッ殺れ!)


"ドスッザクッ"

ドサッ!


「おじさんっ!」


(坊主!殺されたくなければ、ワシの質問に答えろ!貴様の持っている槍は何処で手に入れた?それはワシの倅の物だ!返答次第では容赦はせん!)


クソ兄貴が〜なんちゅう物くれとんじゃ!

クソ〜完全に囲まれてる。

だけど兄貴が殺ったのはゴブリンの集落だろ?何でオーガが出てくんだよ!囲んでる奴等は殆んどゴブリンだし何人かホブゴブリンが混じってるけど・・

それにしても囲んでる奴等の目が完璧に舐めてやがる!

畜生が絶対ただじゃ殺られんぞ!クソオーガがせめて一太刀浴びせて〜あ〜も〜泣けてきた・・・!

こんなんで上手くいくか?・・・考えたってどうにもならんか!


"ドサッ"

"ウエ〜ン エ〜ン ヒックヒック ウェ〜ン"


こんな年端もいかん子供が息子を殺ったと言うのか?

(坊主しゃがみこんで泣き出しても許しはせん!さっさと立て!)

ちっ殺意が削がれかねん、(ほら掴まれ!)


"ドスッ!"

"グオッ!"


「クックックッどうもご親切に、有り難く掴まらさせて貰いました。おやおやどうかなさいましたか?急にお苦しみ出されて?もしかしてその股ぐらに刺さってる槍のせいですか?」


(キッ貴様!)


「えらくご執心だから返してやったんじゃねえか?礼くらいは言って貰いたいもんだな〜」


(キッキッ貴様〜!)


「ギャーギャーうるせえぞ!クソオーガが!」


"ドスッ!グリグリ!"

"グオ〜" "ビクッビクッ"


そんだけしゃがんで貰えれば僕の短剣でも抉れるネ。

ふ〜スッキリした!あっこの武器貰〜い!コレって大太刀ってゆ〜んダッケ?まぁ良いか!


"スラッ!スパッ!"


スゲー!オーガの首一発で落ちた!

これはイイモノダ。



"ギャー!"

"族長〜!"

"そんな馬鹿な!"

"クソッ猿が〜"

"殺せ〜殺せ〜"


「ギャ〜ギャ〜うるせえぞゴブリン風情がっ!俺ら殺しに来といて寝ぼけてんじゃねぇ!てめえら纏めてぶち殺してやる!掛かってこいやっ!」


だ〜喧嘩は間合いと気合いだって言うけど、

無理だ〜!100対1の殺しあい・・・無理ゲーだ〜

イヤイヤこんな時こそ転生者の知恵で・・・何も出てこ〜ん!イヤッ!今なにか思い出した。確か・・・考えるな感じろ!・・・役に立たない!

殺しあいの真っ只中なんて云われるまでもなく考える余裕なんて無いわ〜


"ウオ〜" "ザクッ" "グサッ" "ハァハァハァ" "フン" "ゴキッ" "ブシャ〜" "ゼィゼィゼィ"


クソッ殺しても殺しても全然減った気がしねえ。

囲まれない様に走り回って斬りあってはいるけど・・・駄目だ〜、

もう心臓の音しか聞こえない・・・コイツらの音が止まるかこっちの音が止まるか競争だ!・・・

"ウフフッ"ヤベェ段々楽しくなってきた・・・

"クックックッ"

"アハハハッ!"

"ヒャッハ〜!"


"この猿狂ってやがる!"

"これだけ斬られてるのに!"

"笑ってやがる!"

"化け物!"




次の日の朝になっても合流しない偵察組を捜しに、20人以上の戦士が合同で探索に当たった所、川原において100体もの亜人の死体を発見した。


お〜い、二郎〜!生きてたら返事をせ〜い!

「それにしても凄まじいのう?コレ本当に二人が戦かった後じゃろうか?」

「二人でなくて誰が殺るんよ。」

「しかしほとんどがゴブリンとは言え、亜人共の死体100体位はあるぞ!さすがに無理じゃろう?」


"こっちで一人死んどる"


「これは偵察組のポールだな。」


"こっちにも一人倒れとる、オイッこっちは息してるぞ!"


"オ〜イ、起きろ〜、名前言えるか〜それともトドメいるか〜"

"ウ〜ン" 「トドメ?いらない。う〜身体中痛〜い!」

「よっしゃ!意識はしっかりしとる。」

「とりあえず身体拭いて傷縫っちまおう!」

「後の者は亜人共の心臓ほじくって取り出せや!」

「武器や甲冑も忘れんな!」

"何にしても大手柄だな!"


"イタ〜イ ツラ〜イ でもトドメヤ〜ダ〜"



これが後に二郎ちゃん100人斬りと呼ばれる出来事でした。



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