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二郎散る。

 目が覚めると知らない天井と寝起きに見たくない顔だった。

「コラッ二郎あんた今の顔はなんなの?誰が倒れたあんたに癒しの魔法掛けてやったと思ってるのよ。」

「あ〜すいませんね義姉さん。心構え無しに見ちゃったもんですから。」

「ヨシッ判った!今から呪い殺してあげるから一寸待ってなさい。」

「冗談ですよ!やだな〜お義姉様、西の国ジョークですよ!」

「フンッまぁ良いわ、貴方に助けられたのは事実だし。それとね、その歯分かってつけてるの?」

「ええ、まぁ最後の最後に一発咬ましてやろうかなってね。」

「そっ、ならなにも言わないわ。戦士ってのは本当に馬鹿ばっかりだわ。」

「すいませんね、姉さん。」

"フンッ"



「二郎もう良いのか?」

「すいませんご心配をお掛けしました。」

「早速で済まないが状況が動いた。西ローランドが重い腰を上げた。どうやら更に西の国から軍団が続々とやって来て出ざるえなくなったらしい。」

「西の宗教国家が聖戦だとか言って騒いでるみたいですね。」

「我々にとっては故郷を奪還する好機だ。そこで今回我が砦から出す兵力の指揮を二郎に頼みたい。」

「氏族の族長はどうなってるんですか?」

「ふ〜正直云えば東、北、南の3氏族は戦力にならない、撤退の際殆どの戦士は死んだが負傷している。族長や村長で生き残って居るものは皆無だ。今、3氏族を何とか纏めてくれているのはお前の兄貴のモヒカン夫婦だよ。」

「世も末ですな。」

「ノーコメントだ二郎、そんな訳でモヒ太郎の弟にして砦を救ってくれたお前さんぐらいしか兵を率いれる奴がいないんだ。頼む。」

「まぁそう言うことならお請けしますが、俺が指揮をとる以上全滅も在りえますよ。」

「そうだろうな。砦の戦力6000のうち1000を出す、それで他国に舐められないだけの働きをしてくれ。頼む!」

「王子頭上げて下さい。王子や先生に頼まれて嫌とは言えませんよ。精一杯努めさせて貰います。因みに俺が連れてきた奴等は何人ぐらい生き残りましたか?」

「200人って所だ。」

「合わせて1200ですか。なぁに東ローランド健在って所を他国の奴等に見せつけて殺りますよ。」


二郎率いる東ローランド軍は西ローランド連合軍に合流した。


「あっ!お久〜元気だった。」

「貴様ァ!生きていたのか!今こそあの時の恨み晴らしてくれん!」

「あの時?う〜ん何か有ったっけ?」

「キィ貴様ァ〜忘れたとは云わさんぞ!」

"キュベト王子落ち着いて下さい。"

"他国の方々の前です。"

"ダメだ!王子を取り押さえろ"


"殺〜さ〜せ〜ろ〜!"


「なんです、この騒ぎは?」

「失礼、貴方は?」

「私はこの度の聖戦に派遣されましたロゼッタ高神官長です。」

「此は失礼した。私はモンテ王国の将軍を勤めます二郎と申します。」

「ほう!貴方が虐殺者二郎ですか、フム、聖職者としては許し難い所なれどこの聖戦によって汚名をそそがれるがよかろう。」

「ハッ!王国と閣下の名に恥じぬ働きをご覧に入れます。」

「ウム、素晴らしい。期待してますよ。」


「頭ありゃなんですか?」

「さあな、キュベト王子にしろ神官にしろ戦の前だ!仲良くしといた方が無難だろ。何にしても神官と名のつく奴は面倒くさいからな、ああやっておだてといた方がいい。」

神官は姉さんだけで充分だ。



"此より聖戦会議を始める。"

"亜人の軍勢について分かって居ることについて説明をする。"

"亜人の軍勢その数およそ7万"

"我が方の軍勢は5万数においては我が方の不利は否めない"

"敵は此処より東に1日の所に陣を構えている"

"此より進軍を開始する"

"神のご加護を"



「てな事をダラダラと喋ってたな、途中で寝そうになったわ。」

「詰まり作戦らしい作戦は、」

「ゴザイマセン。」


「頭、この戦ヤバそうですね。」

「全くだ。だけどなヤバくない戦よりは俺は好きだけどな。」

「あちゃ〜頭、めっちゃやる気だ!」

"皆気合い入れろ!この戦でモンテ王国の名前を世界に知らしめる。"










「敵の陣形は鶴翼、そうするとコッチは考えなしの魚鱗の陣か。」

「頭、突撃の合図が出ました!」

「まだだ!待機してろ。東ローランドモンテ連合軍は待機だ。」

「頭ァ他の国は皆行っちまいましたぜ。」

「待機だ!」


2時間後


"味方の中央軍崩壊しつつあり援軍を!"

"味方左翼が崩れました!

"中央と左翼が分断されつつあり!"


「頭、逃げますか?」

「黙ってろ、敵の大将の心臓を奪う道を探してるんだ。」

「そんな無茶な!」


"見えた!"


"全軍騎乗!此より中央と左翼の間を抜けて敵の本隊へ突撃を仕掛ける!俺に続け〜!"

"ウォォォォ〜"




「陛下、人族の群れが崩壊し始めました!」

「本陣の軍勢を突撃させよ!此にて野蛮な人族との争いに終止符をうつのだ!」


「陛下!敵の1部隊が本陣に突っ込んで来ます!」

「何を馬鹿な!兵を呼び戻せ!陛下をお守りせよ!」


"見えた〜!あれが敵の本陣だ〜!全員突っ込め〜"

とは言えここまでたどり着けたのは100人って所か・・・まぁ後の事は考えまい。

"突撃〜突撃〜敵の大将の心臓を取れ〜!"



"ハァハァハァ"

「やっと敵将を捕らえました。」

「ウム、此ほどの働きをするのだ。余程名のある武将で在ろう、名を名乗られよ。」

"ハァハァハァ"

「貴様!陛下のご下問であるぞ!さっさと答えろ!」

「待て、人族の身でその負傷喋らすのは酷かも知れぬ?」

"ハァハァハァ、我が名は二郎、東の氏族にしてモンテ王国の将軍・・・嘗めるな!亜人王!"

「フム、人族にとっては致命的であろうに、両腕片足を斬り跳ばされ腹に槍の刺さったその傷で、なおさえずるか?」

「どうじゃな、その方我が家来になる気はないかさすればその傷治してしんぜよう?」

「陛下!何をおっしゃいます!この者は人族ですぞ!」

「分かっておる、しかしなこの世界から全ての人族を滅ぼす事は難しい、ならば何処かで和解の道を探さねばならん。この者が名の通った者で在るならば、なおのこと部下にすることに意味があると言う物だ。」


あ〜前世でこいつ見たこと在るわ、確かユーカリの葉っぱムシャムシャ食ってたな〜


「さて答えを聞こうか二郎とやら、」

「クックックッ全く下らない事をごちゃごちゃとさっさと首を跳ねんかいっ!コアラ野郎!」

「ホウ、人族の間でも我が名は知られておったか?フム、本人の希望だ首を跳ねてやれ。」

うわっ!本当にコアラかよ!

「最後に言い残す事はないか?」

「コアラ君人の恐さを教えてやるよ。キッチリ俺の死に様を見ていきな!」

"無礼者!早く首を斬れ!"

"ハッ! " "ズバッ!"  "ビュッ" "ガブッ"


"この化物め、首になったままワシに噛みつきをった"

「陛下!ご無事で!」

「心配ない、こ奴の牙が少々刺さっただけだ。しかし凄まじい執念よ。人族はやはり侮れん?・・・"グォォォォ"

"陛下!いっいかん直ぐに神官を呼べ!"

"グォォォォこ奴の牙に毒が・・・オノレ人族め!ゴボッ"

"バタッ"

"ヒィへっ陛下〜!"


二郎ちゃん敵王と刺し違える!

少数の生き残った部下によって知らされたこの報告によって崩壊し退却しかけていた人々は安堵しながらも亜人の軍勢に襲い掛かる事は出来なかった。

その整然とした退却により付け入る好きが無かった。と云うより疲れはて追う気力が尽きていたと言うのが実情であった。






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