姫様のお願い!
あの大丈夫ですか?
「初めまして、わっ私の名前は二郎と申します。今回は渡世の義理とは云えアレンさんの件、誠に御愁傷様でございます。」
「はぁ・・・あの雷に打たれた・・・」
「あっ!そうだ!すいませんお茶も出さずに。」
"おい!早くお客人にお飲み物をお出ししねぇか!"
「頭!酒にしますか?」
「馬鹿野郎!お姫さまが昼間っから茶碗酒なんぞ飲むか!」
「あれだあれ!お紅茶だ早く持って来い!」
「お紅茶何て在りませんぜ!」
「宿屋なんだから紅茶ぐらい有るだろう!無きゃあ下の飲み屋で買って来い!」
"あの・・・"
「はい!」
「お構い無く。」
「はぁ、嫌々!そうはいきません!死んだアレンさんからもクラリス様の事を頼まれおります!」
「すいません。少し1人にして戴けますか?」
「はい!分かりました!私共は下におります、何ぞご用が在りましたら何時でも呼んで下さい。」
"はぁ〜"
クラリス様やはり落ち込んでるな。
"はぁ〜"
無理もない聞けば幼なじみのアレンに死なれたんだ。
"全くアレン殺ったのは何処のどいつだ!"
「そりゃ頭です。」
"うぉっ!"
「どっから現れた!」
「すいません。カルーさんが、頭呼んで来てくれって言うもんで。」
「何か用か?」
「何でも解放された奴隷の事らしいです。」
「ったく!俺は姫様の事で忙しいんだよ!」
「すいません。どうしても頭に出て来て貰えって!」
「分かった!行くよ!行きゃあ良いんだろ!」
"はぁ〜"
アレンの馬鹿!何を勝手に死んでんのよ!全く使えないんだから!あたし1人でどうやって祖国を取り返せって言うのよ!
"はぁ〜"
それにあの二郎って男は一体何を考えてるのよ!アレンさんから頼まれたって、彼がアレン殺したんでしょ!アレンの馬鹿も、もう少し頼む相手は選びなさいよ!どっから見ても世紀末覇王じゃない!ヤ0ザに頼み事何てしたら骨までしゃぶられるのよ!
"はぁ〜"
それでもあたしがやらなきゃ!もうアレンは居ないんだから・・・
「二郎さんすいません。お疲れの所、お身体の方は大丈夫ですか?」
「あ〜カルーさん、胸が苦しいです。」
「まだ回復が聞いてないのですか!直ぐに神官様をお連れします。」
「あ〜お構い無く。それより何か用事ですか?」
「はい、実は二郎さんに会って話をしたいと云う方々が集まってます。お手数ですが話を聞いて上げて下さい。」
「はぁ。じゃあさっさと済ませましょう。いつ姫様から呼ばれても良い様に部屋の前で待機しないと!」
「先ず右から開放された蛮族奴隷の纏め役をされているヘルズさん真ん中がアレンさんの部下のエルゴンさんそして左の方がそれ以外の奴隷の代表をされているマーチソンさんです。」
「はぁそうですか。どうも二郎です。何ぞご用と伺いましたが?」
「では先ずはワシから良いかな、北の氏族ヘルズだ。助けてくれてありがとう。」
「東の氏族二郎です。」
「ワシの話は至って簡単だ!助けられた恩を返さにゃならん。という訳で宜しく頼む!」
「意味が分からん?何が宜しくよ?」
「詰まり子分にしてくれと云う話じゃ。」
「あ〜チョット待ってくれ!先ずは他の方の話を聞いてからにしよう。」
「我々アレン様の部下は姫様を御守りせねばならん!お主の態度如何によって刺し違えてでも殺す!」
「別に勝負しようッてなら相手になるぞ!何時でも構わん、掛かって来いや!」
「二郎さん!エルゴンさんは、姫様への対応を聞きたがって居るんですよ。」
「だったらそう言え!総ては姫様次第!姫が黒と言えば白い物も黒くなる!分かったか!」
「姫を害する積もりは無いと受け取っていいんだな!」
"くどい! 次!"
「初めまして、マーチソンと申します。私共の話は至ってシンプルです。助けて下さいお願いします。」
「助けろと藪から棒に言われても何をどう助けたら良いんです?」
「はい!私共のグループの人数は訳3000人その内1000人は兵隊上がりゆえ傭兵なり仕事は在ります。しかし残りの2000人は女子供です。此のままほおって措けば飢えて死ぬるか奴隷に戻るか?我々としても同じ奴隷の苦しみを味わった者通し、出来る限りは助けたい!助けたいが今の我等には打つ手が在りません。其処で二郎殿の義心に頼りたく代表して頭を下げに参りました。」
「詰まり3000人の食い扶持を何とかしろと云う話で御座いますね。」
「コラコラ二郎ちゃんワシら氏族の事も忘れちゃいかんぞ。ワシら戦士500人も頼むぞ!」
「頼むなら私もお願いしなければ成りません。」
"姫様!"
「お呼び頂ければ直ぐ行きますのに!」
「いいえ、お願いをするのに足を運ばせる訳にはいきません。」
「お願いですか!分かりました!」
「あの・・・まだ頼み事の話をしてないのですが?」
「姫様が行けと云われれば死山血河でも笑って参りまちゅ。」
"今噛んだよな" "ちゅ言ってな。"
「はい!そこ!茶々入れない!」
"頭赤くなってるぞ!""格好つけ損なったからな!"
「よし!てめぇら取り合えず表出ろな!取り合えず勝負しろな!」
「あの・・・二郎様お話を聞いて頂いても宜しいですか?」
"はい!宜しいです!お願いします!"
「私と一緒に祖国の解放の為力を貸して欲しいのです。」
"はい!喜んで!"
「あの本当に宜しいのですか?」
「はい!最初に申し上げた様に行けと言われれば何処へでも参ります。況してや一緒に来てくれと言われて断る言葉は在りません。」
「ありがとうございます。二郎様。」
「姫様行けません!此のような者信用出来ません!」
「貴方は?」
「ハッ!アレン様の従者をしておりました、エルゴンと申します。」
「私は二郎さんを信じます。何より其がアレンの指示だったと聞いています。違うのですか?」
「それはそうですが?」
「ならばこれ以上の議論は無用です。二郎様、私共の故郷南モンテ王国はこの街から北西に1月程行った小王国郡の中のモンテ地方に在りました。モンテには他に西、北、東モンテ王国が存在します。平和を愛する我が国を3国が手を組んで侵略して来たのです。武運拙く我が祖国は敵の手に落ちてしまいました。そして私は奴隷として今に至ります・・・あの?二郎様聞いてらっしゃいますか?」
"ウェッウグヒックヒ、ビベザバ可哀想にエッグエッグ"
「もう誰が何と言おうと取り返します。其にしても姫様を奴隷に売るなんて」
・・・"ゴラァ〜只じゃ置かね〜ぞ!"
「オウ!ヘルズ手ぇ貸しな!」
「あいよ、良く言ってくれた!」
「エルゴン、てめぇはどうする?」
「どうも甲も無いわ!貴様に云われなくても我等アレン様の部下は最後までクラリス様を御守りする!
「マーチソンさんは?」
「モンテ王国が我等を奴隷としてでは無く国民として受け入れてくださるかに依ります。」
「それは私クラリスがこの身に掛けてお約束致します。祖国解放が成った暁には我が国は奴隷制度の廃止を国是とします。」
「よし!此で決まりだ!そうとなれば殺るべき段取りを決めちまおう!」
ここに小王国郡の人々から侵略者、奴隷からは解放者と呼ばれる集団の戦いが始まる。




