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二郎ちゃんのケンカ買います

 「こうして馬車に揺られて、穏やかに旅をするって良いもんですね。カタヴィさん。」


「頭、其所の林から弓で狙撃しようとしてた野郎取っ捕まえました!拷問して吐かせますか?」

「私は唯の猟師です!」

「矢に毒は塗ってあるか?」

「ヘイッ!有ります!」

「拷問とかメンドクサイから殺せ。」

「待ってくれ!喋る!しゃべらせてギャ〜!」


「頭!左の平原からケルベロスが出やした!」

「うん?ケルベロス、ケルベロス?あぁおっちゃんが言ってたな!2〜3人で行ってぶち殺して心臓と皮ひっぺがしてこいや。」


「平和だな〜。こうしてると、ついウトウトしちゃいますね!カタヴィさん。」

「二郎さん、私最近眠れないんです。」

"えっ!"

「どうしたんですか?もしかしてお腹がすいて眠れない的な?おい!さっき犬殺りに行った連中に肉も持って来る様に云っとけ!今日はカタヴィさんに元気出して貰う為焼き肉パーティーだ!」

"オォォ〜肉だ肉だ焼き肉だ〜!"


「じっ二郎さん、そうじゃ無くてですね!」

「はい?」

「実は、夜襲の件なんです。」

「夜襲?そういえばあった様な無かった様な〜ん〜あ! もしかして五月蝿かったですか?すいません。此れからは為るだけ静かに殺ります。」

「嫌々、皆さんが守って下さってる事はとても感謝してます。」

「いえいえ、仕事ですから。」

「しかしこの2月の間に10回も刺客が!」

「まったく懲りない奴等ですよね!暇何ですかね?」

「それは知りませんが、この前は食事に毒が!」

「あぁちょっと嫌な感じだったから運んで来た奴に喰わせたら変な顔色になってましたね。ちょっと気持ち悪かったですね。」

「ちょっとですか!私はあれから二郎さん達が、料理してくれた物しか喉を通りません。」

「あ〜そうですか?田舎料理でお口に合えばいいんですけど!」


「・・・二郎さん、この襲撃何時まで続くと思いますか?」

「あ〜どうでしょう?やっぱり跡目が決まるまでは無理じゃ無いですか。」

「二郎さん、聞いて頂きたい事が在ります。」

「はい。さっきから聞いてます。」

「今回の依頼に嘘はありません。しかし二郎さん達にお伝えしていない事が在ります。それは私の父がアラブコの領主と言う事です。」

「はぁ、そうですか。」

「それだけですか?私は皆さんを都市国家の御家騒動に巻き込んだんですよ!」

「カタヴィさん、俺達が請けた依頼はアラブコの街への護衛だ。そして俺等はきっちり送り届ける!ただそれだけの事だ。後の事は些細な事だよ!気にしないでいいよ!」

「二郎さん・・・ありがとうございます。」

「頭、ケルベロス絞めに行った奴等が帰って来た!」

「よっしゃ!じゃあ肉食って力つけて一気にアラブコまで行くか!」

"ウオォォォ〜"



3日後 アラブコの街


「やっと着きましたね!しかし物々しい警備ですね?」

「お〜い、門番さっさと通してくれよ!」

「待てっ!貴様の名前を言え!」

「二郎です。こう見えてちょっぴりおませな15才!」

「お前じゃない!そっちのお前だ!」

「私の名前はカタヴィ、父アラブコの遺言を聞きに来た!」

「出たぞ!絶対に通すな!全員逮捕せよ!」

「おい!門番それは俺達を敵に回すって事でいいんだな!」

「黙れ!蛮族風情が!構わん逆らう様なら殺せ!」

"スッ ズドン! ゲフッ "

"隊長が刺された!"

"裏で控えてる騎士に報告しろ!"

"馬鹿!助けを呼べ!"

「殺せ?殺せだ〜誰が誰を殺すんだこの三下風情が!てめぇらこのケンカ、東の氏族二郎が買った!まとめてぶち殺して殺る!」


"頭がケンカ買ったぞ!出入りだ!皆殺しだ!"


"てめえら、雑魚に構うな!狙いは領主館に居る腐れ外道共だ!"

「カタヴィさんは、馬車に乗って下さい。てめぇらも乗れ!領主館まで突っ走れ!」


"オォォォ〜!"


「頭ァ!流石に、この馬車に野郎11人は無理じゃ・・・」

「無理じゃ無い!馬てめぇも俺の身内なら殺らなきゃ成らない時は命賭けて走りやがれ!」


"ヒヒ〜ン ""ドンッ" "ガラガラガラガラガラガラ"

「走ってやがる!頭!こいつ走ってます。」

「オオヨ! このまま領主館まで走り切れ!」

"ヒヒ〜ン"


「頭!後ろから騎馬隊が追ってきます!このままじゃあ追いつかれます!」

「おい!俺の金櫃開けて中身ばら蒔け!」

「頭!此れは頭の大願成就に必要な・・・」

「うす馬鹿野郎!勝負の最中に出し惜しみ済んじゃねぇ!」

「スゥ〜街の衆!正当なる後継者たるカタヴィ様がご帰還成された。これよりご帰還を祝い金貨をまく!欲しい者は好きなだけ拾え〜!それ、ばら蒔け〜」

"チャリン チャリン チャリン"


"本当に蒔いてるぞ〜" "拾え〜" "触るな!こりゃワシのだ" "ウルセ〜拾った者勝ちだ〜"


「どけ!邪魔だ退け!」

「隊長!このままでは追い付けません。」

「道を代える!クソッ!回り込め、急げ!」


「頭!アイツラ止まってます!ざまぁみやがれ!」

「カタヴィさん領主館はあれで良いんですか?」

「はい!正面の門のある屋敷がそうです。」

「頭!門が閉まる!」

「このまま突っ込め!」

「二郎さんぶつかります!」

「カタヴィさんしっかり掴まって!」


「何だ?ありぁ」

「馬鹿、門を閉めろ!突っ込んで来るぞ!急げ!」

「大丈夫だ!あの距離なら閉まる方が早い。」

「でもアイツら何で止まらない?間に合わないのも分からないのか?」

「ヤバイ!アイツら狂ってる!逃げろ!突っ込んで来るぞ!」


"ズドドンッ!ガラッガ〜ン"


「イッッッ、てめぇら生きてるか? 」

「頭、俺達は大丈夫だ!」

「カタヴィさん、」

「何故か生きてます。」

「門は?」

「ぶっ壊れてます!」

「馬ぁ〜」

"・・・"

「頭、馬ぁ首折れてます!」

「退け!俺がトドメさす!」

「良く頑張った!流石俺の馬だ!トドメ要るか?」

「ヒヒーン」

"スパッズドン バタン"

「頭!騎兵共が追い付いて来た!」

「何人か残って敵を食い止めろ!」

"俺が" "嫌!俺が殺ります。" "頭!俺を選んで下さい。"

「先ずは名前を言え!」

「四郎左です!俺は十郎です!」

「よし!二人に委す奴等を通すな!皆殺しにして殺れ!」

"オォォォ"

「他の奴等は付いてこい!」

"ヘイッ!"



「なぁ四郎左さん、俺は夢を見てるようだよ。」

「あぁまったくだ首輪付けられ望みもしない戦いを強いられボロボロになって捨てられると思ってたんだが、まさかこんな見事な最後を飾れる何て!」

「まったくだ夢ならどうか覚めないでくれ!」


「貴様ら最早逃げ道は無いぞ!」

「さっさと降伏しろ!」


"プッ!アッハッハッハッハ

「アイツら本当に何にも判って無いんだな!」

「まったくだ!精々勘違いしたまま殺してやろう。」


"ウオォォォ皆殺しだ〜"



「ところでアイツら何で数の名前何か名乗ってんだ?」

「頭が大願成就されるまでは数の名を使おうと皆で決めました!」

"チッ泣かせやがる"


「さあカタヴィさん走りますよ!」

「はい!お願いします!」



「貴様らか!門を破壊た不届き者は!」

"頭!"

"切れ!"


"頭!ぞろぞろ出て来た!"


「良うく聞け!此方に居られるは、前のご領主のお血筋カタヴィ様である!詰まらぬ真似をして後々まで禍根を残すな!」

「頭!難し過ぎて何言ってるか分かりません」

「処刑されたくなかったら面倒事に関わるなってんだ!分かったか!」


"ウッ!" "我々は門を直さねば" "私は急に腹が"


「おい!領主一家は何処に居る?」

「嫌!私は何もアイタタタタお腹が!」

「一生何も感じられ無い様にしちまうぞ!」

"ヒィッ!ご領主様達は屋敷の執務室に居られます。"

"行くぞ!ケリをつけるぞ!"



"この部屋か!" "ドンドン"

"鍵掛かってます"

"ぶち破れ!" "ドンッドカン バンッ!"


"ウオォォォ 賊だ!賊を切れ〜"


"野郎共!1歩も退くな! 刃向かう奴等は切れ!"


敵の数は10人程度か、ならこっからは殺るのみだ!




何なんだコイツら!護衛が10人程度と聞いて居たのに、何でこんなに強い!

特にゴツイ槍使いは滅茶苦茶だ!室内で槍振り回してる!頭可笑しいんじゃ無いの!親の顔見てみたいわ!しかしこのデタラメな男のせいで此方も連係が取れない!また1人此方の兵が槍で突かれた!このままじゃ・・・



「おい!さっきから後で隠れてる貴様がカタヴィさんの敵か!」

「黙れ!其奴は妾腹の血筋我こそが正当な血・・・」 "ブン ズドン"

"えっ、何、槍投げてんの? さ、刺さってる 何で?"

「カタヴィさんがの敵は死ね!以上!」


"ぞんな、イダイ バタ"


「余はアラブコの新領主カタヴィである!簒奪者は死んだ!これ以上の争いは無用である!双方武器を退け!」




3ヶ月後


「二郎さんお世話に成りました。」

「嫌々、依頼主は大切にしないと!それにばら蒔いた金貨も補てんして貰っちゃったし。」

「当たり前です!本来の依頼は街までの護衛、其を御家騒動の決着まで付き合わせてしまった。」

「う〜ん、その事何ですけど、どうしても分からない事が有るんです。街まで着いたとしてその後はどう為さるおつもりだったのですか?」

「そうですね。最初、二郎さん達に依頼をお願いした時は領主の座を返上する為に街へ向かったのです。

しかし度重なる襲撃でこのまま領主の座を返上しても殺されるのは見えて居ました。

その辺りからです。

生き残る為に、何とか二郎さん達に最後まで護衛をお願い出来ないか、そしてどう話そうか迷ってる内に街まで着いてしまって。」

「クックックックッアッハッハッハ、了解しました。すっきりです! さて、其じゃあエルミナに行ってきます。」

「二郎さん、エルミナの奴隷商人達は非常に狡猾です。金銭の誤魔化しは当たり前、彼処は騙すより騙される者が悪いと云う考えの街です。家の文官を1人連れて行って下さい。」

「ありがとう。では!」

「また会いましょう!」



「皆、仕度は出来てるか?」

"ヘイッ!"

「よっしゃ それじゃあ四郎左と十郎の墓参りしたら出発するか!」

"ヘイッ!" "ヘイッじゃ無くて"

「頭、俺ら2人共生きてます!」

「ん?そうだっけ?・・・よし!それじゃあ出発だ!」

"頭マジで忘れてたっポイな!" "大丈夫か主に頭の中身" "カシラの頭は残念みたいな"


"ブチッ ギャアギャアうるせぇ!細かい事にを気にしないだけだ!頭が可哀想みたいに云うな〜"


"ギャ〜頭が槍振り回してる〜逃げろ〜"


まったく落ち着く事無く二郎ちゃんの旅は続く。




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