偵察したら怒られた。
東ローランド国境砦
「若様、城からの狼煙に寄れば二日後には援軍が着くそうです!」
「そう、まぁ此方のすべき事は変わらないよ。」
「兵達には無理をさせないで、程々に、後いくら挑発されても決して門の外には出しちゃ駄目!出た奴はどれだけ手柄挙げても殺すから、僕の言葉に二言は無いって良く伝えといてね!」
"はっ!"
"援軍〜♪援軍〜♪私は援軍〜♪素敵な援軍〜♪ドンドン行こお〜♪"
やって来ました!国境だ〜!もう〜長すぎ、戦と聞いてから1ヶ月近く掛かる何て、絶対終わってると思った。
イヤ〜砦に籠ってる皆様に感謝しなくっちゃ!
大体の何、あの数の差は!砦の人数って1000人が良い所でしょ!
「族長〜敵の数って一体何人居るの?」
「さぁ〜軍義の話じゃ2万には届かないって言ってたな?」
「2万っ!此方は?」
「ここで二郎さんに問題です。ジャジャンッ東、北、南の各氏族2000人ずつと西の氏族10000人合わせて何人!」
"答えをどうぞ!"
「・・・たくさん?」
"ゴンッ"
「答えは凄くたくさんです。」
「ふざけんなよコラッ!俺は殴られ損か?」
「冗談だ、怒るな!此方の援軍は16000人、砦の人数を入れても3000人ばっかり此方が少ない。」
「双方合わせて37000人・・・」
「ん?ビビったか?」
「こんなに大勢の人、初めて見たからキモい。」
「おいおい!吐くなよ!」
「うん、大丈夫サッサッと、ぶっ殺してスッキリさせるから!」
「掃き掃除じゃ無いんだから、サッサッて!まぁ二郎ちゃんらしいか?」
「それより二郎ちゃん!」
「はい、何ですか?」
「何で族長の俺が徒歩なのに二郎ちゃんが馬に乗ってんの?」
「それは族長が馬の上でおならしまくって、馬から振り落とされたからですよ。」
「嫌、それはそうだけど何で二郎ちゃんが乗る必要があるの?」
「だって馬が乗れって!」
「嘘付きはいけません!」
「本当だよな?馬男!」
「ヒヒーン!」
"嘘っ!"
「二郎ちゃん馬と会話出来るの?てっ言うか、勝手に名前付けてるし!」
「ヒヒーン、ブルブル!」
「ふむふむ、族長がしっかりお尻を拭かずに乗られるのは、耐えられないとの事です。」
「マジかっ!」
嘘じゃアホ!
単にちょいちょい餌やってたら、なつかれただけだ!まぁ面白いし楽ちんだからもうちょっと此のままでいよう。
「すいません、二郎さん、他には何かしら言ってませんでしたか?」
「後、あ〜遠乗りに出た際、耳元で、でっかい声でノリノリで歌うの止めろって!」
"ガクガクブルブル"
「本当に会話出来るのか!」
マジかっ!適当に言った事当たりやがった!
"伝令〜"
「あれっ?」
「さっさと報告せんかっ!」
「二郎ちゃんが言うな!」
「あの〜?」
「あ〜良いから報告しろ!」
"はっ!"
「我が軍は此のまま砦を通りすぎ、先の平野に陣を張ります!東の氏族も協力願いたいとの事です。」
「承知したと伝えてくれ!」
「だから!二郎ちゃんが返事しちゃ駄目だから!」
「ゴホンッ!承知したと伝えてくれ!」
「もう行っちゃいましたよ。」
"・・・二郎〜!この馬鹿たれが〜!"
「族長、二郎ならとっくに逃げました。」
全く何て怒りっぽいんだ、うちの族長は、あれだな、きっとカルシウム的な物が足りて無いんだな。
さぁ早く突撃しないかな〜!
1日目、双方砦の西側の平野に陣を張る。
2日目、双方睨み合い、動きなし。
3日目、双方動きなし。
4日目、動きなし。
5日目、なし。
6日目、・・・
7日目、"コラッ!"
「なんだ?二郎か?」
「なんだ二郎か?じゃねえ!一体何時になったら動くんだ!」
「そんな物相手に聞け!相手が動かなきゃ始まらない。」
「動かないならコッチカラ仕掛ければ良いだろうが?」
「此方のほうが数が少ないんだ!無理に突っ込む訳にも行くまい!」
「無理を殺るのが、東の氏族だろうが!」
「だ〜め!」
"キィ〜、ガルルルル"
「吼えても駄目。」
「え〜そんな事〜言わないで〜お・ね・が・い!」
"オエッ"
「身長190㎝のオッサンに、甘えられてもキモいんですけど。」
「この禿げゴリラ!ロバ村1の美少年を捕まえて、言うてはならん事を!」
「コラッ!族長禿げゴリラ言うほうが駄目だろ!」
「退屈だよ〜暇で死んだらどうすんだ〜!」
"あ〜うるさい!"
「だったら周辺の偵察でもしてこい!馬乗って行っても良いから!」
「偵察?じゃあ敵とか居たら殺っちゃっていい?」
「あ〜ハイハイ、いっぱい居たら報せに戻りなさい!」
「は〜い!」
"ピ〜"
"ヒヒーン"
"はっ!"
「あいつ口笛で馬呼びやがった!」
「二郎さんちょっと今の教えて!」
「族長二郎ちゃんもう行っちゃいましたよ。」
「偵察〜♪偵察〜♪素敵な偵察〜♪」
「おいっ、陣の外に出てはいかん!」
「あっお務めご苦労様です!」
「東の族長ん所の二郎ちゃんか!残念だけど、今は陣を出るのは駄目なんだよ、戻った戻った!」
"フッフッフッ"
「族長から偵察してこいって云われたの!」
「マジかっ!あの禿げ命令と違うじゃないか!まぁそう言う事なら行ってらっしゃい。」
「行って参ります!」
「ちなみにどうやって許可貰ったの?」
「駄々こねた!」
「泣き落としかよ、あの禿げしょうもない!」
「偵察〜♪偵察〜♪楽しい偵察〜♪」
「おいっ、あれなんだ!」
「東ローランドから誰か来るぞ!」
「使者か?」
「使者ならそれを伝える旗を持っているだろう?」
「じゃあ、あいつはなんだ!たった一騎で散歩でもしてるのか?」
「馬鹿!ふざけて無いで隊長に報せてこい!」
"サワザワサワザワサワザワサワザワサワザワ"
"偵察〜♪偵察〜♪素敵な〜偵察♪"
「あ〜偵察に来たって言うのに、敵が全然いやしねえ!
居るのは穴蔵に縮こまってる、卑怯者ばっかりだ!
わざわざ大人数で攻めて来といて、何日も穴に籠ってやがる!
よっぽどゴブリンの方が勇気がある!
どうやら西ローランドの衆はキンタマを母親の腹の中に忘れて来たらしい!
あ〜何処ぞに一騎打ちに応じる戦士はおらん者かな!」
"偵察〜♪偵察〜♪暇だよ〜偵察〜♪"
「あのヤロ〜いいたい放題言いやがって!」
「弓隊、何をしてんだ!早く撃ち殺せ!」
「馬鹿!射つな!たった一人に、この距離で、一斉に弓使って殺って見ろ!ローランド大国は西方諸国の笑い物になるぞ!」
「だったらどうすんだ!」
"退けどけ!"
「貴様〜!この俺が相手になってやる!」
「あ〜テメェの様な雑魚には興味ねぇ、もうちょいマシなの呼んでこい!」
「キッ貴様死ね〜!」
はっ!冷静さ無くして目が游いでる奴なんざマジで相手になるか、まぁ馬上戦闘の良い練習台になって貰おう。"はぁっ!"
「族長!大変です。」
「オッ!敵が動いたか?」
「いえ、二郎ちゃんが偵察〜とか言って、敵陣の前でケンカ売ってます!」
"ブッ!"
「なっとっ止めろ!」
「無理です!すでに敵の騎士と一騎打ち初めてます!」
"ウォォォォ!"
「今度はなんだ!」
「族長!二郎ちゃんが敵を馬上から刺し殺しました!」
「俺も行って来て良いですか?」
「良い訳あるか!あの馬鹿!」
"オォォォォ〜"
「今度は一体なんなんだ!」
「また新手の騎士が出て来ました!」
「今度はもうちょい、強いんだろうな?」
「黙れ!我こそはローランド大国第三王子・・・」
"ブンッ!ドスッ!ヒヒーン、バタン!"
大物発見!
「貴様っ!槍を投げて馬を狙うとは卑怯な!」
「知るかぼけ!」
「馬男さん奴の馬に突っ込んで!」
"ヒヒーン" "ドスンッ! バターン!"
チャンス!ヤロウ馬の下敷きになってやがる!
「失礼した!その様なルールがあるのを知らなかった、さっ此の手に捕まって!」
「うっ蛮族にも礼儀はあるか?」
"ガシッ オリャア ドスッボキッ"
「ふっ峰打ちでござる!」
「たっ大変だ!だっ誰か王子を助けろ!」
「突撃しろ!何としてでも王子をお救いしろ!」
"よいしょっと"
この馬鹿、馬に括り着けてっと、ん? あ!ヤバイ!
「馬男さん重くて大変でしょうがお願いします。」
「ヒヒーン!」
族長も大勢見たら報告に帰ってこいって言ってな!
逃げるか!
"族長!"
「今度はなんだ!」
「二郎ちゃんが戻って来ます!」
「戻ったら半殺しの説教だ!」
「いえ、大勢の騎兵に追われてます!」
「それを早く言え!」
「迎撃の支度だ!」
「西の族長の所に伝令!」
「弓隊の援護を要請しろ!」
"急げ〜!"
う〜ん、流石に追い付かれるか?こいつの甲冑が重すぎるんだよな?後50馬身ってとこか?
「馬男さんもう少し頑張って!」
「ヒヒーン!」
"ヒュン ヒュン ヒュン!"
うん?オッ!弓だ!後ろの騎兵共は、ラッキー止まりやがった!騎兵が止まってどうするよ?進むにせよ逃げるにしても動かなきゃデカイ的だろうに。
当然俺は逃げるけどね!
"二郎〜"
「族長〜偵察行って来ました!」
"ボコッドスッバキッグシャ!"
「・・・痛い。」
「痛いじゃねぇ!この大馬鹿がっ!」
「敵がいないか探すのが偵察だろうが!何処の世界に敵の真ん前に探し行っちゃう奴が居るのよ!」
「ここに若干1名います。」
「1名ちゃうわ!回り見てみろ!」
「族長!俺も偵察に行きたい!」
「二郎の偵察じゃまだ甘い!俺に行かせて下さい!」
"俺も、俺も、二郎ズルいぞ!顔、厳ついぞ!"
「誰だ最後に喋った奴、出てこい!」
「見ろ!お前のせいで皆火が付いた見たいになっちまったじゃねぇか!」
「馬鹿野郎共が!こう言うのは早い者勝ちだ!同じ事したって駄目に決まってんだろ!ねぇ族長!」
「テメェが一番ダメダメだ!」
"ボコッ"
「また殴る〜暴力反対!
「ふざけるな! でっ、その馬にくくり着けてる奴は誰だ?」
「ん〜なんか第三王子とか言ってた。」
「それを早く言え!」
「だけどこいつ何かグッタリしてないか?」
「暴れぬ様峰打ちにしてある!」
"オォ!"
「やるなぁ二郎そんな事いつ覚えた!」
「村から連れてこられた時、アレクさんにヤられた。」
「・・・馬鹿っ!あれは普通半殺しって言うんだ!」
「族長!大変です!こいつ骨ボッキボキに折られてる!」
「あれ〜可笑しいな?」
「馬鹿二郎!やった事も無いくせに、お前にそんな器用な事出来るか?ちょっとでも感心して損したわ!」
「う〜ん、トドメいる?」
「この馬鹿はほっとけ!誰か西の族長ん所行って神官借りてこい!急げ!」
「大人は判ってくれない、馬鹿って言う方が禿げなんです。」
この後、各氏族の若者が、偵察と称して敵陣に行こうとしたが、ことごとく大人に止められた!
若者達・・・大人は判ってくれない。
大人達・・・判ってたまるかっボケ!




