訓練の日々
盾を構えろ、陣形を崩すな!
10歩前へ、槍を繰り出せ!
剣を構えろ、素振り300回始め!
弓を卑怯等と言う馬鹿は我が隊には不要!
1日100射先ずは馴れろ!
朝目覚めると訓練、昼飯食ったら訓練、寝るまで訓練、何故俺はこんな目に?
全てはあのゴリラの一言から始まった!
俺はアレクさんにボコられ意識の無いまま街まで拉致られた。実際には何度も意識が戻ってはボコられ、かろうじて生きてるといった感じで運ばれたらしい。
実際俺が意識を取り戻して、最初に視たものは ゴリラのドアップだった!
「おおっ生きてたか!二郎!」
"パタ"・・・取り敢えず死んだ降りだ!
死んだ降りってゴリラにも効くのか?
きっと聞く!そう信じる事、諦めちゃダメ!
「ムッ神官殿まだ治って無いようだが?」
「いえ、どうやら族長のアップに驚いているだけかと?」
「二郎殿、目を開けても大丈夫デスヨ。」
"ソ〜ット"
「喰われない?」
「御安心を。」
"フ〜"
「さすがにもう駄目かと思った。」
「とても失礼な事を言われてる事だけは良く判った。取り敢えず表出ろなっ、表!」
「落ちついて下さい、族長、話が進みません。」
「そうです。落ちつけゴリさん。」
「二郎ちゃん、先ず最初に言っておくけど、俺の名前はゴリではなくコングだコング族長と呼べ!」
「ゴリコング略してコング族長ですね、分かりました。」
「ほ〜そうでしたか、族長殿、それは知りませんでした。」
「ああ、俺も知らなかったわって!違うからゴリは最初からついてないから!」
「で、話とは何ですか?族長。」
「フ〜まぁいい、話とは二郎、お前さんの今後だよ。」
「はい!」
「はい、二郎君」
「此のまま村に返すのが良いと思います。」
「はい!却下!」
"ブ〜ブ〜"
「お前さんは最低1年間は追放だろうが?帰っても村には入れん!」
"ガ〜ン"
「忘れてた!」
「まぁ村長からお前を預かる以上その辺の事はきっちり考えてあるから安心しろ!」
「はぁ、ありがとうございます。で、その考えとは?」
「二郎お前は俺の直属部隊の一員として働け!上手く手柄を挙げれば、村に帰る日も短くなるかも知れんぞ!」
「おおっ!それだっ!さすが族長!頭良い!よっイケメンゴリラ!」
「フフフッ褒めても何も出てこんぞ、ン?お前最後何てった!コラッこっち見ろ!」
「それにしても神官様、お久しぶりですです。」
「二郎殿も御変わりなく。その、娘は村に馴染めていますか?」
「ええ、やんなるくらい、馴染んでますよ。」
「そうですか!それは良かった!しかし今回は大変でしたな、村の追放とは、一体何があったのですか?」
「お宅のお嬢さんがゴールデンフォックスの毛皮、20枚でコートを作った事が原因の一つです。」
"プイッ"
「すでに他家に嫁いだ娘、当方の預り知らぬ事デスナ。」
「そう言うセリフは目ぇ逸らして脂汗かきながら言っても説得力が無いですよ。」
「まぁ今後色々助けて貰う事もあるだろうし、気にしないで下さい。」
「凄く厄介な所に借りを作った気分ですな。」
「話は済んだか?ではお前の入る部隊に連れて行ってやろう。」
こうして話は最初に戻る。
騙された。何が手柄だ!
街に来て約8ヶ月、毎日毎日訓練訓練毎日訓練訓練毎日・・・
ア〜頭おかしなる!その上、周りに要るのは戦闘狂のマッチョマンばかりだし!
話のネタは戦闘の話か武器の話ばっかり!揚げ句の果てには、
「二郎ちゃんは子供なのに無口だな!」
無口にも為るわっ!
ハァ、秋子に会いたい秋ちゃんのいい匂いを胸一杯吸い込みたい!今ここで深呼吸した日には汗臭い親父臭を胸一杯吸い込む事になる。地獄である!
せめて手柄を挙げるチャンスが欲しい。
神様プリーズ!
人間諦めず、思い続けて要ると存外叶ったりするもんだ! 諦めないって素晴らしい!
"全員族長対し敬礼!休め!"
「諸君、ご苦労、先程西の氏族より伝令が来た。西ローランド国が我々に宣戦を布告した。此より東の氏族は盟約により、他の氏族と共に西ローランド国と戦う!諸君等の訓練の成果を全ての奴等に見せ付けて殺れ!」
"ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォ"
「来た〜チャンス来た〜!殺ってやる、このむさ苦しい地獄を脱け出す為なら敵兵の100が200でも殺ってやるぞ!何がなんでも手柄挙げちゃる!」




