義姉と妹
あの魔女がロバ村に来て2月、俺の環境は大きく変わった。
まず二郎が村から1人しか居なくなった。
ちなみに最後の二郎は俺だ!
あの魔女から二郎と名の付く者は治療拒否と言われた途端、皆して変えやがった!
俺もその場の勢いで、イメチェンがてら名前変えちゃおうかな?何て言ってみたら皆から怒られた。
"お前のせいで皆迷惑してるんだから考えろっ!"
・・・泣いちゃった。
もちろん、出会いが最悪だったのは理解してる!
挨拶もそこそこ亭主(兄貴)をぶっ飛ばした!
だからと言って此処までやる事はない!
お蔭で村人からは神官様に嫌われて居るとして誰も近づいて来ない!
兄貴に言っても、チクリやがったとばかりに、
嫌がらせが加速するだけだ!
いい加減我慢の限界だ!これ以上仕掛けて来るなら殺るしかねえ!
村の衆が邪魔するなら村事皆殺し ・・・ハッ!
いけない、考えが危ない方へ行ってしまった。
とにかく俺に取って辛い2ヶ月だった。
だがしかし悲しみの後には慶びもやって来る!
母ちゃんの出産が近づいて来たのだ!
あんな魔女の事は忘れて俺も頑張らなくちゃ!
・・・とは言えやる事が無い。
出産は女だけが立ち会っておこなわれる。男の衆はその間、外でうろうろしてるだけなのだ!
そして遂に運命の日がやって来た。
母ちゃんが夜中に破水、いままで何人も産んでいる、母ちゃんは慌てもせずに俺に産婆さんを呼びに行かせた。
産婆さんの家のドアを叩き壊し勢いで産婆さんも文字通り叩き起こし、危うく永眠させそうになったが何とかぼろぼろの産婆さんを担いで連れ帰った。
その後、近所の女衆に手伝いを頼み後は産まれるのを待つだけとなったが、ソコからが長かった。
嫌!長すぎた!待てど暮らせど出て来ない。父ちゃん曰くこんなに長いのは初めてだ。
それを聞いて俺は恐怖に震えた。世の中には自分の力が及ばぬ事があると云う事を嫌と云うほど実感した。
そのうち中に居た女衆が騒ぎ出した!産まれはしたが鳴かないと!それどころか母ちゃんの方の出血も酷い!
嘘だろ!そんな事って!俺は何も出来ずただ震えながら兄ちゃんと三郎と手を繋いで立ち竦むだけだった。
その時あの魔女がやって来たのだ!本来魔女は自分から人の家に来る事はない。治療等も神殿(自分の家)でしかやらない。
その魔女が息を切らして走ってやって来たのだ!
挨拶もそこそこ家の中に飛び込み神聖魔法を使い2人を救い出した。俺はあの瞬間を死ぬまで忘れないだろう。
眩い光、その後に続く赤ん坊の泣き声、そして女衆の喜びの歓声。そして中から出て来た兄嫁のドヤ顔!
俺は唯頭を下げる事しか出来なかった、そしてこの瞬間俺は一生この人には勝てない事を理解した。
産まれて来た子は秋子と名付けられた。母ちゃんも無事だった。ゴンザレス一家にとってはこれ以上ない慶びだ!
その後、何故か兄嫁による嫌がらせも無くなった?
不思議に思い兄ちゃんに聞いて見ると義姉さんは、どうやら俺の事が怖かったらしい(まぁあの出会い方じゃしょうがない)
しかし、ヒビッてると想われるのは何が在っても耐えられない!その結果がいままでの仕打ちだったらしい!
今回俺が頭を下げ上下関係が定まった事で落ちついたらしい。
何にしても無事可愛い妹が生まれてくれた。
それだけで十分だ!
「二郎そんなに妹ベッタリじゃ嫁にやる時大変だよ?」
「嫁にはやらん!欲しければ俺を殺ってからにしろ!」




