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---  p ro logue

人々が手に汗握り叫ぶ中、闘いは続いていた。

熱い視線の先には、身の丈ほどあると思われる長い両手剣を手にした二人の剣士。

刃と刃がぶつかり合い、躍動感溢れるリズムを刻む。

剣士が動くたびに足元から舞い上がる砂埃が、小さな天窓から差し込む日の光を受けて輝く。

幾度となく繰り返される駆け引き。……しかし、この戦いもどうやら終焉を迎える様だ。


「はッ!」


短い気合いと共に繰り出された剣。その黒色の刃は、迷うことなく相手の首へ添えられた。


「……っ、参った。」


小さな呟きが聞こえたか、聞こえていないか――――


「うおおぉぉぉぉぉ!」


耳を劈かんばかりの喚声が、闘技場コロセウムの中で弾けた。




この物語の主人公は―――


黒い長髪をなびかせた、鋭い眼をもつ勝者の剣士でも―――


金髪を汗で顔にへばりつかせ、灰色の眼に悔しさを滲ませる敗者の剣士でもなく―――



観客席の一番前、騒ぎ立てる人々に押し潰されながらも、興奮に目を輝かせる一人の少年、セミリオ=フィニアルスである。



ここは小さな街イルス。今日も相変わらず、平和に時が過ぎてゆく。



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