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第7話 ニセアカシア

 話している途中、豪が思いっきり仰け反ったので、驚かされた。

 犯人は、栗色の髪をした女子生徒だった。



「高梨さん、最上君って、腐れ縁なんだ~、うちと豪もそうなんよ。なぁ、豪」


 女子生徒は明るく、俺とオウカに話しかけてきた。


「まぁな。俺らも結構長いよな。まぁ、ここの学園をエスカレート式に上がってきたからな。結構そういうやつ多いよな」


 どうやら、豪の知り合いだったらしい。

 そういえば、パンフレットに書いてあったな。幼稚園と小学校はちょっと遠い位置にあるんだっけ。


「うんうん。七君もそうでしょう、あと未来ちゃんも!幼稚園のころから一緒だよね。っていうわけで、学園内でよくわかんないことあったら、うち等に聞いてや」


 なんか、関西弁ぽくしてるけど標準語のような気がするな。ノリでしゃべってるだけなのか?そういえば、俺らこいつの名前知らないな。


「ふゆっち、自己紹介してないだろ」


「あ、忘れてた!うちの名前は、菊知冬華や!よろしゅうな」


「よろしく、菊知さん。ボクは、最上オウカ」


「ん、よろしくな。冬華。私は、高梨焔だ。焔でいいぞ」


「オウカ君に、ホムラちゃんね。よし覚えた、よろしゅうな。ところで、二人は部活動する?うちの学校部活は強制やないけど、入る人は多いし。」


 部活か……考えてなかったな。


「まだ考えてないよ。この学園って部活ありすぎて悩むよね。ふたりはもう部活は入ってるの?」


  オウカは、部活考えているのかな?でも、バイトするとかなんとか考えているみたいだったし……。


「おぅ!俺は、野球部だ」

「うちは、料理部とネコ部とメイド部の掛け持ちや」


 空耳だろうか……?

 凄く、学校としておかしい名前が聞こえた気がするんだけど……アリなんですかそれ!そもそも、だれが顧問やるんだよ!部活がたくさんあって、顧問が足りなくなったりしないのか?


「ちなみにメイド部なんてふざけた部活を面白半分に作ったの、学園長だったりしない?」


 オウカが、若干引きつり笑い状態で聞く気持ちもわかる。俺もその可能性考えたよ。あの学園長ならやりかねない。


「ピンポーンよくわかったね!学園長が、面白半分、欲望半分で創設した部活だよん。まぁ、名前がこうだけどやることは、結構まともだとは思うんだよね。基本、礼儀作法の勉強とかだね。将来的に秘書目指している人とか上司の気配り法とか学びたい人とか、うちみたいに単純にメイド服着たい人とかが集まってるよ!」


 そう聞くと案外まともなのかもしれない。メイド部があったら執事部とかもありそうだよなこの学園。


「おもしろいな。普通そんな部活ないだろう……ほかに変わった部活とかあるのか?」

「あるぜ、武術系が豊富でな、太極拳部、薙刀部、少林寺拳法部、フェンシング、アーチェリーとか、まぁほかにもいろいろだ。学園長がコーチを呼んでくれてな、結構本格的なのができるぞ。まぁ、学費が高いわけもうなづけるよな。学園の設備半端なく整ってるしよ」



「すごいな。これは、部活見学が大変そうだな」

「うん。でも、そんなに部活動がやれる場所があるってことは相当広いよね……校舎内も」


 オウカが歯切れが悪くなる気持ちもわかる。

 今までの学校はそんなに広くなかったしな。


「この学校は広いからな。迷子にならんようにきィつけてな」

「あぁ」

「ん、うん」

「あれ、もしかしてオウカ君歯切れ悪いってことは、方向音痴?」

「あぁ、オウカは壊滅的な方向音痴だな」


 そう、オウカはそれは見事なまでの方向音痴。地図だけ渡して目的地に行くようにと言われたら十中八九迷子になる。


「ホムラ、ばらすなよ」


 オウカが、俺の方を軽くさっきをのせてにらむ。

 こわいなぁ~。怒っている姿もかわいいけどさ。でも、これは言っといたほうがいいぞ。



「いや、オウカのためにもばらした方がいいな。お前すぐ迷子になるだろ。そのくせ人に聞こうとしないから……」


 そう、迷子になっていてさらに迷子になっている自覚がない。自分の進む道があっているのだと思い込んでいるのだ。目的地がずいぶん遠いと感じているくせに、迷子だと自覚しないのだ。


「あぁ、もういいって!ボクが悪いんだよ!」


 ぷいっとふてくされる。

 なぁ、オマエ男の振りするの忘れてないか……


「面白れぇな。コントみたいだわ」


「オウカくん、かわいいね」


 何か、冬華がじっとオウカの方を見ているのは気のせいか?値踏みするような視線をオウカに贈っているような……冬華、オウカはやらないぞ!

 冬華が、脳内で何を考えていたのか知らないが、オウカが急立ち上がって俺の後ろに隠れる。


「ボクは、メイド服着ないからね」


 突然出てきた言葉に豪が、驚く気持ちもわかる。

 俺はもう全然驚かないけど……まぁ、慣れだ。

 どうやらさっきの冬華の値踏みするような視線の正体がそれらしい

 推測だが、冬華が脳内でオウカにメイド服でも着せていたのだろう

 それを思わず読んでしまったオウカが反射的に口走ったのが今の言葉


「なに!オウカくんに、うちの考えてることバレてんの!」

「視線がいやらしかったからばれたんじゃないか、冬華」


 読心術のことはばれないと思うけど、もし心読めるとか怖いとか言われないうちにフォローしておく。

 まったく、あれほど気をつけろと言ってるのにな。

 毎度毎度フォローする俺のことも考えろよな。まぁ、昔は俺の方がフォローされてたからお互い様なんだけどな。


「いやらしかったか?うちの視線」

「欲望ダダ漏れ?みたいな?」


 そのあともしばらくぎゃあぎゃあとたわいのない話を続けていたら、先生が来た






花言葉は、「親睦」です。

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